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身の程を教えます

 誕生日パーティーから、二日が経った。


「初級魔法、バースト」


 その言葉と共に俺の杖の先から炎が出る。その炎は、弱く見えるが、その炎の先に居るゴブリンたちを焼き払うには十分だった。


 今は、とあるダンジョンに居る。

 ダンジョンに入るために冒険者登録をしてきたが、勿論偽名をつかった。

 もし登録したせいでいざこざが起きても面倒くさいしね。

 ちなみに先生はAランク冒険者だった。


「よくやった。にしても、習得が速いなぁ…………。じゃあ、次は、他の属性を習得してみる?それとも炎の中級魔法の特訓をする?」


「炎の上級魔法までを使えるようになりたいです」


 そうだ。俺は、上級魔法を半年後までに使わなければ死ぬのだ。

 だから。命が賭かっているからこそ、急ぐのだ。


「そうか、しかし、上級魔法は、いくら君でも…………。いや、君なら案外行けるかもな!よし!行ってみよう!」


 その言葉と共に、まずは中級の特訓が始まる。


 あと、モスカス公爵が渡してきた魔法書だけど、先生がいる限り使う事が無さそうだから金庫にしまっておいた。まあ、盗むやつはいないだろうが、一応ね。



「じゃあ、まずは見ててね!」


 そういい、魔力を一瞬で練り上げる先生。


「バースト・ストーム!」


 その言葉と共に、先ほどとは比べ物にならない程の強い炎の渦巻きが出る。

 その炎は俺は元の世界で見たことが無かった。だから、少しおびえている。だって、服に燃え移ったら怖いじゃん。

 ま、そん時は先生が鎮火してくれるか!!


「さあ、これを初見で出来たら、君は私を超える天才だ」


 そういい、俺の方を見てくる。じっくりと。


 まあ、いいや。取り敢えず、魔力の循環を止め、手に集中させる。そして、その魔力を炎に変換するために、イメージをして、言葉に発す。


「バースト・ストーム!!」


 俺がそういうと、さきほどまではゴブリンが居たであろう場所が、火の海になっていた。


「う、うそでしょ⁉こんな出力を、あんな一瞬で…………。まさか。その杖、ちょいと鑑定するわよ!」


 そういい、先生はなにやらぶつぶつ呟いている。


「でも、うそでしょ?この出力よ?ありえない、こんな杖で、あんな魔法が出るだなんて。まあ、いいわ。もう、教えることはないわ」


 できてしまったのか?まあ、高出力すぎたから、調整が必要か。


「じゃあ、上級魔法を覚えたいです!」


 なんか、これも一発で覚えられるような気がするぞ!!


「そ、そうね。じゃあ、行くわよ?」


「はい!!」


「あ、ここじゃあちょっと狭いかも?」


 先生がそういうと、急に辺りの景色が変わる。どうやら、砂浜に来たらしい。

 しかも、人の気配がない。魔力濃度が低く、魔力を含む生命体は感じられない。


「じゃあ、改めて。あ、ちなみにここは一番南にある島よ」


 え?南極?でも、なんかちょっとポカポカしてるんですけど?


「そうなんですね」


「ええ。じゃあ、行くわね。【海を熱する神なる炎、神炎よ、この地を地獄と化けさせたまえ!!神炎嵐ゴッドバーストストリーム!!】」


 その言葉と共に、辺り一面から熱を感じられない炎が来る。しかし、その炎が纏まっていき、完全に海の上まで行くと、


「うわあ!!!」


 すごい熱だ!!しかも、海水が蒸発したのか、すごい温度の熱風だ!!


 しかし、その炎が消えると、その熱風も収まっていった。

 凄い、これが上級魔法。

 その時、俺は身の程を知った。

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