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目覚め

 目が覚めると、そこは高級感が漂う、普通に生きていたら一生無縁だと思わざるを得ない部屋だった。

 そして、自分を見ると、いたって普通の少年、かと思いきや体中に巡るナニかがある。

 これはなんだろう?まさか、魔力⁉


 そっか、この体にある感覚は失われないから、魔力をこんなに感じることが出来るのか。

 というか、魔力って、誰でも操作できるのかな?

 もし感じたりするのに才能が必要とかだったら、結構ラッキーだな。


 とか考えながら、取り敢えず起き上がり、改めて周りを見渡す。

 すると、その部屋には似つかわしくない木の枝らしき物が置いてあった。

 そして、なんとなく枝を持ち上げてみると…………。


「…………!!」


 その瞬間に、様々な無いはずの記憶が蘇った。

 そして、それらを全て思い出し終わると、頭に激痛が走る。


 時間が経ち、徐々に通常の思考が出来るようになる。頭痛が起こったのはこんなに濃密な体験の記憶を一気に思い出したからだろう。


 それはそうと、大変なことになった。

 っていうか、確かに10歳の間だけど、すぐに11歳になるじゃん。

 ルール的に目覚めた時点で11歳未満だから超ギリギリじゃねーか。


 はあ、本当に災難だ。しかも、弱小国の王子になるだなんて。


「本当に災難だ」


 そうつぶやき、また眠りに入ろうとするが…………


『ミッションが発生しました。ミッション内容は、上級魔法を使え、です。使用した時点で、ミッション達成のお知らせをします。では、六ヶ月後、何人まで減るのか、楽しみに待っておきます』


 そっか。そういや、そんなのもあったな。てか、これ忘れたらヤバくねーか?


 それにしても、なんて趣味の悪いミッションの発生報告なのだ。ただ、ミッションを伝えるだけでいいのに、何人まで減るだとか、言わなくてもいいじゃんか。


『ルール作成権を取得できませんでした』


 あ、なるほど。まあ、運はそこまで良い方じゃないから、仕方がないっちゃ仕方がないのだろう。



 あ、やべ、ねっむ。まあ、子供の体だし、仕方がない、か。




「おはようございます。今日のお誕生日パーティーでは、貴族の方々がいらっしゃいます。公爵家が1家と、侯爵家が2家と、伯爵家がが3家と、子爵家が2家と、男爵家が5家の、合計15の家の当主様とそのおつれがいらっしゃいます。全ての家が貴方の派閥についていますので、くれぐれも失礼のないようにしてください。では、楽しんできて下さい」


「分かった」


 じゃあ、早くご飯が食べたいな…………。いや、少しでもモーニングルーティーンを崩したら、この使用人に中身が違う事がばれるかもしれない。取り敢えず、いつも通りの対応をしてみるか。


「ありがとう。じゃあ、着替えるから服を持ってきてくれないかい?」


 こいつは、自分の方が上の立場にある奴に対しても、偉そうにしないのだ。。そのせいで、周りの奴らから舐められることさえある。

 だけど、そのおかげで増長してないし、好かれることも多いみたいだが。


「かしこまりました。今すぐ持ってまいります。では、顔を洗ってお待ちください」


 そういい、ベットの隣にある小さな机?に乗っているバケツっぽい奴に魔法で水を入れた。

 そして、そのまま出ていく。俺は、当然のように顔を洗う。

 記憶が戻ったせいで、この行為にも違和感が少しも働かない。

 まあ、いいか。とにかく、今日を乗り切れば、明日からはほぼ自由だ!!


「お待たせしました。お着替えをお持ちいたしました。中に入りますね?」


「ああ、ありがとう」


 そういうと、俺がいつも渡される服より、良い物であろうことが、素人目ですらわかってしまう程に上質な洋服が渡された。いや、決して洋服ではないな。なんか、アニメとかでよく見る、嫌な貴族が来ている服だ。

 だが、どうやらこれが礼服らしい。


「手伝わせていただきます」


 そういい、俺が脱いだ服を丁寧に、されど素早い動作で畳んでいく。

 そして、下着を着替え、ついに嫌な貴族風コーデだ!


「ありがとう、パーティーは朝からだろう?いつ頃から始まる?」


「大体2時間後程でございます。朝食は10分後になります。その間、どうしていますか?」


 毎朝、こう聞かれるのだが、そのたびに、最近は、


「そうだな、隣国サウレスティック王国との戦況を教えてほしい」


「はい。この一晩で東門は兵士が100人ほど戦闘不能状態になりました。ですが、サウレスティック側も大きな被害が出たのか、下がっていきました」


「なるほど、ありがとう。じゃあ、食堂に行こうか」


 そういい、少し落ち込んだ気分で食堂に向かった。

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