表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/19

魔法適正

先生視点



「あれ、おかしいな…………。今唱えた魔術は、他人の適正属性が分かるっていう魔術なんだけど…………」


 もしかして、この子、適正なしなの?

 もしそうだとしたら、この子の今までの努力が水の泡だ。っていうか、一番最初に何故確認しなかったのだろうか。確かに、魔力の操作は上手になったが、それはあくまで魔力操作の才能で、魔法や魔術の才能もあるとは限らないのだ。もちろん、一緒に才能を持っている可能性の方が高いけどね。

 色々考え、一つの結論にたどり着く。


「君、もしかして、完全に魔力を体の中に居れたりしてる?」


 そんな完璧に魔力を操るなんて、私がついこの間出来るようになったことだ。

 リッチだって、出来やしないだろう。

 だから、その線は限りなく低いと思ったのだが。


「あ、ダメでした?」


 そういい、その少年、いや。天才とでも言うべきか。天才は、有り余るほどの魔力を一気に出した。

 その魔力は、鮮やかな赤色をしていた。赤は、確か炎と土だったか?


「っく!!」


 まずい、こんな魔力をいきなり出されたら、当たり一面吹き飛ぶぞ!!


「防御結界!!!魔力遮断!!その魔力をしまえ!!」


 その咄嗟の言葉と共に、周りに薄ピンク色の結界が張られる。


「は、はい」


 そして、その少年はその魔力を一気にしまう。どうやら、この少年は私を凌駕するほどの魔力を持ち合わせているらしい。

 その魔力をしまう途中、グラデーションの様に色が変わっていた。おかしい。そんなはずはない。

 2つの魔法を使えるだけも十分な才能に、さらに様々な色だと?だけど、全属性に適応できるなら、金色になるはず。でも、そうならなかったのか…………。

 なんか、神話時代の話で聞いたことがあるような…………。


「君は、才能がある」


 なにがかは分からないが、とんでもなく強い。こいつは。


「へへ、ありがとうございます」


 そのはにかむ姿からは想像もできないような、強力な才能。


 そうだ、才能。思い出した。神だ。『すべての才能を持ち合わせた絶対神は、色が変わっていく魔力を持ち、すべての基礎魔法はもちろん、すべての混合魔法さえ軽々と操ってしまった』という文章が、あったはずだ。

 もし、あの神話が本当なら、この少年は。才能がありすぎだ。なにか、弱点があるはずだ。

 と、すぐにそういう考えに至る私は、本当に性格が悪い。それに対しこの少年は、私超える才能を持ち、私よりもよっぽど良い性格をしている。


 はあ。まあ、教えたくないけど、これ以上実力の差を付けさせたくないけど、これも仕事なのだ。

 そう考え、魔法の特訓を開始するのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ