ルール説明
「今回皆さんに一時的に生き返ってもらったのは、デスゲームに参加していただく為です」
はあ?運よく死を免れたと思ったらすぐ殺されるって。リスキルじゃねえか。
「というのも、今のあなた達は完全な生命体ではありません。なので、約20年後には魂ごと消滅してしまうでしょう。それを防ぐために、完全な生命体にしてあげるという提案です。しかし、ここに居る全員を完全な生命体には出来ません。なので、デスゲームによる魂の厳選で、生き返る人を選ぼうと思います」
なるほど。つまり、今の俺は完全体じゃなくて、仮初の存在なのか。
「前提は終わりです。では、詳しいルールを説明します。まず、一つ目。このデスゲームは、楽しく遊んでほしいのです。だって、ゲームですから」
いやいや!!無理だろ!!だって、文字通り命賭けてるんだぞ⁉
「まあ、むずかしいでしょうから、これは義務ではなく、努力義務的なのにしようと思っています」
つまり、やんなくてもいいけどやった方がいい的なやつか。
「二つ目。参加者同士の直接的な殺し合いの禁止です」
は?デスゲームって殺しあうんじゃないの?
「これは、こちらが意図していない無駄死にを防ぐためです。そのため、死に向けて誘発したり、他の参加者をだまして殺させたり、意図して餓死させるなどは可能です。直接的に、ナイフで刺殺などは禁止です」
なんだか曖昧だな。でも、そうか。そうする事によって心理戦が繰り広げることが出来るのか!なんか楽しそう!でも、命賭けてるんだよな~。
「これから言うルールは、このゲームの基盤となるルールです」
おお!ようやく来たか!どんなゲームなんだ⁉_
「改めまして。三つ目のルールは、12年後に最も『力』をつけた者が勝ち、後は死ぬ、です」
力ってなんだよ。腕力なのか、権力なのか、みたいな…………。てか、このデスゲームはオープンワールド式なのか?
「もうお分かりの通り、このデスゲームはこの狭い空間で行うのではなく、12年間、外の世界に行ってもらい、そこでの成果で勝敗が決まります。しかし、その時に全員死ぬのでは、刺激が低くてつまらないでしょう。そのための、四つ目のルールです」
いやいや、つまらなくねーよ!!なんだよその理由!!
「四つ目のルールの内容は、1年ごとに達成しなくてはいけない事を念話で伝えられ、伝えられた六ヶ月後までにクリアしていなければ死ぬ、です」
一年ごとってのは、ちょうど良い間隔かもなしかも、達成するのに半年も貰えるだなんて。こりゃ、ほぼそれで死ぬ人はいないんじゃないのか?
「これで最後です。五つ目のルールは、3ヶ月ごとに細かいルールを作成する権利が参加者にランダムで10人に与えられます。だけど、その権利は次の当選者が選ばれると消え、さらにルールを作った6か月後にルールは無効となります。この権利で作られたルールは、最高規則には反せず、その意向を検知した場合には死にます。もし作成内容が重複、および矛盾などしていたら先にルールを作成した方が優先権を得る。もしも0.03秒以内の誤差だったら『力』をより付けた方が優先権を得ることにします」
おお、なんか最後に一気に突っ込んで来るな。てか、このルールのせいで一気にこのデスゲームの難易度が上がったっぽくないか?まあ、全員に権利を渡さないってのは、せめてもの救いか。
「以上で、ルール説明を終了します。では、次はこの世界の説明をしましょう」
おお、そっか!!やっぱり、ここ異世界なのか!!だって、世界の説明とか言ってるもん!!
これなら、死んでよかったかも。あのおばあさんに感謝しなきゃ。