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side 盗賊ギルドからの刺客の末路

 そして、私は、気付けば、薄暗い部屋に来ていた。


「おい、吐いちゃいば、楽にしてやるぜ?」

「どうせ死ぬんだろう?それだったら、言わないな、っく…………!!」


 その瞬間、私の右手の人差し指に感じた事のない激痛が走る。ああ、これが、拷問か。

 今まで、人にやってきたことではあるけど、実際にやられる立場になると、その辛さが分かる。

 そりゃ、どんな人間だって拷問されりゃあ、ペラペラと情報を喋るようになるわけだ。


「どうやら、痛覚無効は持ってないようだな」

「そんなの、持ってる人の方が少ないでしょ?」

「…………。言う気になったか?」

「いいえ。確かに、他の奴らにはこれで通じたかもしれないけど、私には効かないわ」


 そして、今度は左の手の方に激痛が走る。そして、私を拘束している首輪の隙間を動き、恐る恐る左手を見てみると、その手の中央が貫かれていた。


「クァ、はあ、はあ。私は、吐かないぞ?」

「…………。そうか、喋るまで、お前は死なせないぞ?」


 その男がそういうと、私の傷は塞がっていく。これを見て、私は絶望をする。


「治療、魔法…………」

「ああ。お前は、拷問で死ぬことは無く、病気でも死ねずに、その苦しみを寿命が来るその日まで味わい続けるのだ」

「お、おかしい。そんなの、狂ってる…………!!」

「そうか。でも、百を超える人を拷問死させた、お前には言われたくないな。お前は、その人たちがどんな気持ちで死んでいったのかを、じっくりと味わわせてやるよ」

「ち、ちがう。おかしい、おかしいい!!!」

「何回も、何回も死ぬような苦痛を味わい、それでも死ねずに、やがてお前は時間間隔が狂い、1日と1年の区別もつかなくなり、永遠とも思う程の時間を、たった一人で、普通に死ぬよりも何倍も痛い思いを何度も経験しながら、過ごしていくんだ。だけど、今お前が持っている情報を吐けば、楽にしてやるって言ってんだ」

「え、ほ、ほんとう?」

「ああ。本当だ。嘘なんか、つかない」


 もう、嘘かなんて関係ない。仲間も何も関係ない。そんな、辛い思いをしたくない。ただ、それだけの為に、私は私自身の価値と、仲間を失った。





 そして、今日も汚らわしい男が去っていく。

 まだ、感覚が残っている。ああ、気持ちが悪い。あの男は、気持ちよくなってたみたいだけど、そんなの、全然わからない。


 聞いてた話しと違う。その一心で、私は考える。

 考えて、考えて、考えて。それでも、考えたりない。なんで、私がこんなことになったのかを。


 ああ、ようやく分かった。あの、Aランク冒険者とかいう奴と、その弟子のせいだ。あいつらが去って行った後に、私はこんなことに…………。ああ、許さない。絶対、殺してやる。私が、やられたことをそのまま返して、いや。それじゃあ足りない。何倍にもして、最悪な目にあわせてやる。


 そして、聞こえるはずのない音が聞こえる。裸足で廊下を歩くような、ペタペタという音だ。

 誰かが、来たのか?いや、それとも私の幻聴?それは違うか。私の精神は、いまだに保たれてる。

 じゃあ、誰…………?


「貴方、ここから出たい?」


 私の部屋に入って来たのは、9歳ほどの幼女だった。可愛らしいけど、言っている内容は可愛くないな。ここからなんて、出られない。いやな冗談だ。こいつも、あの冒険者たちの仲間なの?


「だったら、力を貸してあげる」


 その幼女は、何百人という人を手にかけてきた、ボスよりも、狂った笑みを零しながら、その言葉を吐く。次の瞬間、私を拘束していた首輪が外れる。


「…………え?」

「ふふふ♪貴方、とってもみじめ♪だから、助けてあげるわ!あははははは♪」


 なに?何が言いたいの?分からない。何も、分からない。言っていることも、その内情も。ただ、一つだけ分かったことがある。


「私は、貴方の力を借りなければならない」

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