Aランク冒険者ということ
え?スタンピード?そんな話、俺聞いてないんだが?
「何故、それを………!!」
え?てことはまじなの?
「Aランク冒険者をなめるなよ?」
「そ、そんな事ありませぬ!!確かにこいつは無礼な態度をとってしまいましたが、私はそんな事……!!」
「そうか、あくまでもそういうスタンスか……。まあ、いい。私が手を貸してやるから、そのスタンピードの活躍具合でこいつをランクアップしてはくれないか?」
これは、交渉に見えるが、実際は違う。強制をしてるのだ。
しかも、先生が参戦するという、超豪華な条件で。
断るはずが無いだろう。
「なるほど、分かりました!!それで良いのですね!?」
「ああ。それで許してやろう」
「ありがとうございます!!早速冒険者を集めますので………」
「聞こえなかったのか?」
先生はいきなり怒る。いや、これはドヤ顔だ。
「私が行くと言っている。他の者どもなどいらん」
「な、なるほど!!なんとも頼もしい……!では、早速行きますか?」
「ああ。そうするよ」
「ては、きちんと戦果を確認するために、魔物や魔族を討伐した回数を計測する機器を付けさせて頂きますがよろしいでしょうか……?」
恐る恐る聞くが、先生は普段は優しいのだ。
「ああ。是非とも頼む!」
先生がそう言うと、ギルマスはさっきの受付の奴から腕輪のような物を2つ受け取っていた。
「ありがとうございます!では、無いとは思うのですが、一応義務ですので説明させて頂きますが、この腕輪は、どこで、いつ、どの魔物を殺したか分かるようになっていますので、不正はできません」
「元来するつもりはない」
「ええ。承知しております。では、スタンピードを抑えてきてください!!」
「ああ、行ってくる」
〜〜〜〜〜
ギルマス視点
その、Aランク冒険者はそう言い、去っていく。
「はあ。お前」
私は、そう話しかける。その、元受付嬢に。
「なんですか?」
「お前には失望した。思えば、お前がその立場になってからこのギルドの依頼数、それを解決する数も減っていたな」
「いえいえ、そんな事ありませんよ!」
そう、喚くが、私はこいつの正体を知っている。
「もう、調べはついてるんだ。お前は、盗賊ギルド本部の、構成員だな?」




