第7話 機械少女の出会い
「……ハイ?」
俺は少女の言葉に訳が分からず首を傾げる。
えっと主? それって俺のこと? 一体全体どういう事なのか全く分からない。
頭の中がこんがらがっていると、助言者が話しかける。
【色々考えている所申し訳ないですが、彼女に服を着させたらどうでしょうか?】
助言者の言葉に俺はどういう事なのか分からない。
服を着させる? それってどういう……あっ!
最初はどういう事なのか分からなかったが、美少女の方を見て今更気づく。
彼女は一糸まとわっていない。一言でいえば全身裸だった。
俺は慌てて美少女に声を掛けながら荷物袋をあさる。
「ちょ、ちょっと待っていろよ! 今着るもの渡すから!」
「ハイ、分かりました」
彼女はそう言うと体育座りで大人しくする。
ウゥ、彼女は少しおっとりとしているから少し緊張してしまうな……。
少しドキドキしてしまうが、かなり大きめの絹の布を取り出す。
よし、あとは創作者を発動すれば……。
創作者を発動すると、大き目の絹の布から白のブラウスと長ズボン、サラシとフンドシが出来上がった。
下着はちゃんとしたブラとかにしたかったが、名前以外知らないし、それに女子の前でブラを作るなんて、頭がぶっ飛んでいるとしか思えない。
そう思いながら美少女に渡して言う。
「ほら、サイズがあっていなかったら悪いが、一応着てくれないか?」
「分かりましたが、どうやって着ればいいのですか? そもそも着ると言うのは何ですか?」
彼女の言葉に俺は顔に手を当てて嘆く。
あぁ、まさか服を着る必要性を分かってないとは……。
俺はその事に頭が痛くなってきたが、そのままなんてすれば色々と誤解が生じてしまうだろう。
俺は服を着る必要性をちゃんと説明する。
どうして服を着なければいけないかを深く説明する。
しっかりと説明すると、美少女は頷きながら言う。
「なるほど、それ程服を着る事が大事なんですね」
「そうだ、それ程大事だからな……」
俺はちゃんと理解するように説明したからか、少し疲れてしまう。
美少女は服を受け取って着替え始める。
俺は着替える所を見ないように、荷物袋を整理し始める。
俺は少女が着替える所を間近で見る趣味はないからな。
そう思いながら荷物袋の中を確認する。
今入っているのは食糧と水、それにココに来るまで回収してきた素材だ。
今まで魔獣に出会って無いし、地図を確認したら80パーセントぐらい踏破している。
うーん、魔獣ってダンジョンしか生息していないって聞くけど、何かしらの原因でいないのか?
そう考えていると、美少女が声を掛ける。
「あの、着替えました」
「もう着替えたんだな」
俺はそう言いながら振り向く。
全裸から一変、清楚な淑女になっており、さっきまで全裸でいたとは思えないほどだ。
とは言え、少し確認しておこう。
「なぁ、一応聞くけどよ。ちゃんと下着着たか?」
「ハイ、上も下もちゃんと着ております」
俺はそれを聞いてホッとする。
もし下着を着けていなかったらと思うととても頭が痛い。
安心すると様々な疑問が思い浮かび、美少女に質問する。
「そう言えば、さっきナンバー194って聞いたけど、お前は一体何者なんだ? それに俺の事、主って……」
色々聞きたい事はあるが、この二つに絞って聞く。
すると彼女はゆっくりと俺の質問を答える。
「なるほど。私は機械人で、主と共に歩むために生み出されました」
「機械人か……」
俺は彼女の言葉を聞いて唸る。
機械人、それは古代に生み出された人種で、剛力と堅牢な耐久性を持ち、なおかつ魔法やスキルを使えると、昔本で見た事ある。
しかし……。
俺は機械人である彼女をじっと見つめる。
機械人は普通の人間と精巧に似ていると言うが、もはや人間そのものだ。
彼女が機械人だと見抜けるなんて難しいんじゃないか?
何て思いながら見ていると、彼女は首を傾げながら聞く。
「あの、どこか変な所があったのでしょうか?」
俺はそれを聞いてハッと我に返る。
さすがに見過ぎたか、そう思いながら謝る。
「悪い。あと、名前は何だ?」
俺は謝りつつ質問する。
「名前? 名前と言うのは何でしょうか?」
だが、帰ってきたのは疑問と質問であった。
あー、名前はないのか……。
そう思っていると急にひらめきだす。
「そうだ! 今日から194じゃなくて、アイギスって言うのはどうだ?」
「アイ、ギス?」
俺の言葉に彼女もといアイギスはぎこちなく言う。
そうだ。
194を語呂合わせにすればアイギスになるし、アテナが装備している盾の名前に成っているからな。
そう考えていると、アイギスは答える。
「アイギス、分かりました。主」
「オウ、あとは俺の事はグレアスって呼んで欲しい」
俺は呼び捨てに頼むと、アイギスは首を傾げる。
それ、人前で言ったら誤解が生じそうだし、あんまり変な感じがするもんな。
するとアイギスは真顔で答える。
「分かりました、あなたの事をグレアスと呼びます。これでよろしいのでしょうか?」
「アア、問題ない」
俺はアイギスの確認に笑みを浮かべて答える。
その後はいったん攻略を止め、アイギス用の武器と防具を作成した。
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