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俺のスキルが弱いと言う事で追放されたけど、新たな仲間と共に成り上がります。  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 冒険都市レギオン小国編

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欲人図鑑No.1 ゴブリン

少し性的描写があります

 欲人ヨクビト名:ゴブリン 別名:醜悪に満ちた獣

 大罪:強欲 願い:強い力と強力な繫殖力 代償:つがいのメスと理性

 討伐難易度:下位

 罪人:小動物たち


 ***


 この世は弱肉強食、自然では弱い者が被食者《悪》とされ、強い物が捕食者《正義》とされている。

 しかし、弱い者であるある山に住むオスの小動物の一人は疑問を持つ。


「どうして自分たちが食い物にされなければいけないんだ……?」


 オスの小動物はそう思いながら、捕食者から食われない様に息を潜み続ける。

 そう考えてから数日が立ち、悲劇が起きてしまう。

 それは自分と一緒に愛していたメスのつがいが、餓えたオオカミに捕食されてしまったのだ。

 オスの小動物は目の前にあるメスのつがいの亡骸の前で泣き叫び、自然の理に絶望した。


「なぜ、なぜ、なぜ、なぜ? なぜ自分たちは奪われる側で、強い者が正しいんだ!」


 そう叫んでいると、脳内に謎の声が質問する。


『どんな願いを言え、代償を払えばどんな願いも叶えてやろう……』


 謎の声の言葉にオスの小動物は代償を払えるものを探している時に、他のオスの小動物達も辺りを見渡していた。

 どうやら、謎の声が聞こえるのは自分だけではないようだ。

 オスの小動物はそう思いながら、目の前に払える物ある事に気づく。

 オスの小動物は迷いも見せず、自分が愛していたメスのつがいを代償として支払う。

 愛するメスのつがいを代償にすると突然、小動物の身に異変が起き始める。

 肉体がブクブクと膨れ上がり、骨格がメキメキと変貌していく。

 ようやく異変が収まると、そこにいたのはとても弱々しい小動物ではなく、毛はあまりなく、肌は濃い緑で、爪は猛獣のように鋭く、大人の腰ぐらいあり、ぎょろりとした赤い瞳をした化け物が立っていた。

 それを見た他のオスの小動物たちは、即座にココにいないメスの小動物たちを生贄し、オスの小動物と同じ姿になった。

 化け物になったオスの小動物が、メスの小動物の仇を取ったのは必然であった。

 そして仇を取ってから数日経った。

 いつものように捕食者を狩り、のんびりと過ごしている時に一つの考えを脳裏に過ぎる。


「どうすれば繁殖すればいいんだ?」


 彼らはそう考えると同時に、とてつてもない恐怖が彼らに襲い掛かる。

 生物は自分の種を残す事で安心するが、彼らはメスのつがいを生贄にしたことで、繁殖する事ができなくなってしまった。

 彼らは酷く慌てた。どうやって自分たちの種を残せるかと。

 それと同時に茂みが鳴り、音がした方に振り向いて驚く。

 それは軽装の男と、背負い籠を持つ村娘であった。

 人間が来ることが珍しい。だが彼らは青年ではなく、村娘の方に注目する。

 耳にかかるほどの茶髪で、顔の作りは美しく、服の上でも分かるくらいの豊満の肉体をしていた。

 彼らは他の小動物と顔を合わせて頷く。

 そして気づけば、軽装の青年は死体と化し、村娘は泣き叫びながら隠れ家に連れ去れた。

 そしてしばらく経ったが、子どもが一匹生まれるどころか、孕むことすら出来なった。

 彼らは子どもが出来ない事にいら立つ。


「どうして孕ませないんだ? なぜ人は孕ませにくんだ」


 そう思っていると、再びあの声が聞こえだす。


『一発で孕ませる力を欲するなら、理性を捧げよ……』


 それを聞いた彼らは即座に理性を捧げ、村娘を凌辱し続けて犯し続ける。例え、壊れても新たなメスを捕まえればいいから。

 彼らの噂を聞いた人々は『ゴブリン』と名付け、子ども達に良く言い聞かせる。


「もし森に行くなら暗くなる前に帰る事。そうしなければ緑肌の怪物(ゴブリン)食われるぞ」


 と――。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

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