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俺のスキルが弱いと言う事で追放されたけど、新たな仲間と共に成り上がります。  作者: 佐々牙嵯峨兎
1章 冒険都市レギオン小国編

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第14話 試験と出現

 そして冒険者試験の当日、俺とアイギスは冒険者ギルドの中で始まるまで中で待っていた。

 他の冒険者志望者は武器やアイテムを確認したり、今回の試験について話したりなどだ。

 俺が初めて受けた時は複数のゴブリンを魔術やスキルを駆使したが、今回はどうするのだろうか?

 俺はあごに手を当てながら考えると、アイギスは首を傾げながら質問する。


「あの試験はどう行うのですか?」

「どう行うか……」


 俺はアイギスの質問を聞いて、自分の経験を思い出しながら答える。


「冒険者試験は欲人ヨクビトの討伐・魔獣の素材確保の二つに分かれて、俺の場合は複数のゴブリンを討伐するだけだったが、今回はあまりわからないんだ」

「なるほど、わかりました」


 アイギスはそう言いながら頷き、俺も今回の試験内容は何だろうと考える。

 すると黒いマントを羽織った青年が死亡者たちの前に現れて言う。


「どうも、僕はギルドから来た試験官ヒョードル・フォスターです。今から皆さんはある場所に出現した欲人ヨクビト・ゾンビを十体討伐するのが合格条件です」


 黒いマントを羽織った青年……もといヒョードルはそう言うと、魔方陣を展開してギルド内に広がる。

 そして魔方陣が地面に着くと腐敗臭が漂う墓地に転移され、ヒョードルは結界を展開して説明する。


「会場はアスタロト大墳墓領域で、ゾンビの部位を十個持って来てください。それでは、開始です!」


 ヒョードルは説明し終えて叫ぶと、志望者は一斉に結界から出ていく。

 しまった、出遅れてしまった!

 俺は出遅れたことに驚いてしまうが、今は驚いている場合じゃない。

 そう思いながらアイギスの手を掴んで叫ぶ。


「アイギス! 俺達も早くゾンビを十体討伐するぞ!」

「分かりました」


 俺の叫びにアイギスはそう言うと、昨日新調した獣牙ジュウガの大使戦斧の柄を掴み、俺と共に走る。

 数人で組んでいる志望者はゾンビと対峙し、片手剣を持つ男は仲間に命令する。


「俺があいつの攻撃を防ぎ、マリンが魔法攻撃、シュウが弓矢による物理攻撃をしてくれ」

「えぇ、分かったわ」

「了解した」


 片手剣を持った男の命令に二人の男女が答えると、ゾンビが呻き声を上げながら襲い掛かる。


「グォォォォォォ!」

「させねぇよ!」


 片手剣を持った男はそう言ってゾンビの前に立ち、スキルを使用して動きを止める。

 二人はそのすきに魔法と矢で男もろとも攻撃する。

 攻撃が止むとゾンビがバラバラに倒され、男は傷一つつかずにゾンビの一部を拾う。

 さっきの男が持つスキルは体を硬化するスキル・硬化者カタクナルモノなどの類だろう。

 そう思いながら走っていると、目の前にゾンビが現れて襲い掛かる。

 俺は襲い掛かるゾンビに懐から瞳のような形をした水晶・制御魔眼ヒュプノアイを起動し、レーザーを放ってゾンビの頭部を撃ち貫く。

 ゾンビは頭部を撃ち貫かれて叫びをあげず、前のめりに倒れていく。

 よし、一体討伐したな。

 俺はそう思いながらゾンビの一部を回収し、懐に納める。

 すると地面からゾンビが飛び出し、俺の足を掴もうとする。

 だがアイギスがいち早く気づき、獣牙ジュウガの大使戦斧を突きで命脈を断つ。

 俺はアイギスに振り向いて言う。


「ナイスカバーだ!」

「ありがとうございます」


 俺の誉め言葉にアイギスは頭を下げて言う。

 それと同時にゾンビの横ひっかきを回避して見せた。

 おぉ、偶然とは言え中々やるな。

 俺はそう思いながら攻撃してきたゾンビを倒し、着々とゾンビを倒し続ける。

 しばらくゾンビを倒せば、俺とアイギスの分を合わせれば10個になった。

 よし、これで冒険者試験は合格として見ていいだろう。

 俺はそう思いながら転移してきた場所に戻るとする。

 すると奥が騒がしく聞こえ、アイギスは目を鋭くしてつぶやく。


「複数の悲鳴と一体の欲人ヨクビトを感知しました!」

「急いで助けに行くぞ!」


 俺はそれを聞いて救助しに向かい、アイギスも無言でうなずいてついていく。

 他の受験者は驚きつつも、ヒョードルを呼びに行こうとする。

 おそらく討伐隊を派遣させてもらおうとしているが、突然討伐隊を組むとしても短くて五時間、最長で一日ぐらい掛かる。

 そうすれば助けられる人数が減ってしまう恐れがある。

 俺はそう思いながら急いで悲鳴が上がったところへ向かっていく。

 少し走れば悲鳴が鮮明に聞こえ始める。


「キェェェェェ!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ! 誰か、誰かユウキを助けてくれ!」


 俺は誰かの悲鳴を聞いて、懐から制御魔眼ヒュプノアイと片手剣を取り出し、アイギスに早口で命令する。


「俺は怪我人の救助と避難、アイギスは欲人の牽制けんせいしてくれ!」

「分かりました」


 俺の命令にアイギスがそう言うと、襲ってきた欲人ヨクビトの全貌が見え出す。

 一目見れば骨や死肉が付いた紫の怪鳥で、鼻の奥を刺激する臭さと見た目に不気味さと嫌悪を感じ、前世の世界にいるハゲワシとフクロウを合わせたような姿をしている。

 するとアイギスが前に出て、獣牙ジュウガの大使戦斧で欲人ヨクビトの右翼を突きで攻撃する。

 欲人ヨクビトは標的を負傷した三人からアイギスに変え、叫び声をあげて襲い掛かる。


「キェェェェェ!」

「傷付けたりさせません!」


 アイギスはそう叫びながら襲い掛かる欲人ヨクビトの攻撃に、獣牙ジュウガの大使戦斧と戦闘者タタカウモノを使って防ぐ。


ここまで読んでくださってありがとうございます!

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