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第1話 突然の追放

 巨人のような石像がある荒野・ギガントマキア荒野の安全地帯にあるキャンプに、一人の少年と複数の男女がいる。

 一人の少年の容姿は銀のように白いウルフカット、赤いクリムゾンのつり目、体格は小さめだ。

 複数の男女の容姿は様々だが、先頭に立つ青年の容姿は金髪のウルフカット、赤いクリムゾンのつり目、体格は中肉中背だ。

 少年は依頼の時間が近くなっているのに、少しダンマリしている事に疑問を感じている。

 すると青年は少年を見て言い放つ。


「グレアス、お前は〈覇王の剣〉から追放だ!」

「……ハイ?」


 グレアスと呼ばれた少年は、青年の言葉に理解できずに首を傾げる。

 しかし、コレが冗談じゃ無い事を分かり、なぜ追放する事になったのか質問する。


「何で俺を追放するんだよ!? 俺が皆に迷惑をかけた事はないぞ!」

「何でって? それはお前のスキルが弱いからだ」

「弱いから?」


 グレアスの言葉にプラドと呼ばれた青年は追放する理由を答える。

 だが当の本人はそれだけで追放されるなんて、容易く頷くことはできない。

 グレアスは追放する理由に反論する。


「確かに俺のスキル〈創作者ツクリダスモノ〉は戦闘向きじゃないけど、皆に役に立てる様にサポートしてきたんだ!」

「役に立てるとかじゃない。《《戦力があるかないか》》の問題だ」

「プラドの言う通りじゃ」


 グレアスの反論にプラドはだるそうに答え、隣にいるとんがり帽子を被る少女が同意する。

 とんがり帽子の少女の容姿は白いショート、深みがある蒼い丸目、体格はグレアスと同じくらいだ。

 老婆の様に喋る少女・アンヴィの言葉に、二人の少女が続いて言う。


「確かに役に立てる程度の戦力って微妙だよねー」

「それについては同意ね」

「イーラスさん、アヴァリーシアさんまで……」


 二人の少女の言葉にグレアスはそれを聞いて心がズタズタになる。

 イーラスと呼ばれた少女の容姿は紅のロング、ルビーのつり目、体格は若干筋肉質でエネルギッシュだ。

 アヴァリーシアと少女の容姿は黒のロングの上にポニーテール、黒のジト目、体格はしなやかな高身長だ。

 グレアスは今ここでいう事に少し文句を言う。


「戦力としてないのは認めます。だけどせめて前もって行って欲しいよ」

「何? 文句でも――」


 グレアスの文句にイーラスはめんどくさそうにしながら聞こうとする。

 イーラスが言い終わる前にプラドは頭を搔きながら頷く。


「確かに前もって言った方が良かったな」

「プラド君!?」


 プラドの言葉にイーラスは驚き、プラドは言葉を続けて言う。


「どうして今ここで言うのは、お前にとって最後の依頼を受けるためだ」

「俺にとって?」


 プラドが言う事ビアグレアスは首を傾げ、プラドはさっきの言葉の意味を説明する。


「アア、この依頼が終えれば報酬全額お前の物だし、俺達が使っている装備だって返す。それなら文句は無いだろ?」

「それは……」


 プラドの説明にグレアスは若干違和感があるが、自分が苦労して考えて作った装備を返してくれると聞いて、グレアスは渋々承知しながら言う。


「分かった、プラドの要求を受ける代わりに約束を守ってくれよ?」

「アア、もちろんだとも」


 グレアスの質問にプラドを頷き、グレアスは一旦落ち着くために安全地帯のキャンプらか出て考える。

 元々、覇王の剣はグレアスが考えたパーティー名で、偶然ギルドで出会った皆と意気投合し、様々な魔獣や欲人ヨクビトを倒してきた。

 まさか創設者が追放されるなんて思いもしなかった。


「マァ、パーティー運営は全部プラドに任せていたからなぁ……」


 グレアスは何て考えていると、人影が三人くらいこちらに近づいており、先頭の茶髪のツインテール少女がグレアスに向けて声をかける。


「おーい、グレアスくーん!」

「あ、ラピ! 偵察はどうだった?」


 グレアスは茶髪のツインテール少女の声を聞いて質問する。

 ラピと呼ばれた少女の容姿は茶髪のツインテール、レモンのように黄色いつり目、体格は中肉中背だ。

 グレアスの質問に、後ろにいる金髪の好青年が代わりに答える。


「偵察の方は大変だったぜ。なんせゴブリンがわんさかいたからなぁ……」

「そう言えばグレアス殿、何やら少し悲しげであったがどうかしたのか?」


 金髪の好青年が疲れながら言い、金髪ロン毛の男がグレアスの様子を心配する。

 グレアスは少し苦笑いをして答える。


「アハハ、実は……」


 ラピ達に追放の件を一から話す。

 それを聞いたラピはとても驚きながら叫ぶ。


「エェェェ! グレアスが追放されるなんて聞いてないんだけど!?」

「オイオイ、そいつは少し笑えねぇな……」

「ムゥ、すまぬ。少し失礼な事を聞いてしまった」


 ラピの驚きに続くように、金髪の好青年・ロックスと金髪ロンの男・アルブルは少し申し訳なさそうになる。

 それを見たグレアスは慌てて訂正する。


「で、でも! 今回の報酬全額くれるし、今まで作ってきた装備も返してくれるから大丈夫だよ」

「でも、お前背小っちゃくて子供みたいに非力だからな。あながち間違っていないな」

「グフゥ!」


 グレアスの訂正を聞いたロックスは少し身長の事を弄る。

 当の本人はそれがかなり効いたのか、吹き出しながら叫ぶ。

 それを見たラピはロックスの耳を引っ張りながら怒る。


「ちょっと、さすがに失礼でしょ!」

「イテテ! 仕方ねぇだろ、マジでちいせぇからよ!」

「それは失礼すぎるであるぞ……」


 ロックスは引っ張れて叫び、アルブルはロックスのデリカシーの無さに呆れている。

 グレアスはそれを見て少し笑いながら言う。


「アハハ、心配してくれてありがとう。大丈夫だから気にしないで欲しい」

「グレアス君……」


 グレアスの言葉にラピはロックスの耳を引っ張るのを止めて呟く。

 その時にプラドがキャンプから出て呼び掛ける。


「お前ら、偵察が終えたなら早く入ってこい」


 それを聞いたラピ達とグレアスは慌ててキャンプに向かう。

 しかし、グレアスはプラドの狙いに気付かずに、作戦会議を終えて就寝した。

新シリーズで、ショタ系主人公追放ものです。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

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