6.未知の薬草
文章書くのって時間かかりますね…。
そういや、読書感想文書くの大変だった。
とりあえず、書きたいとこまでつっぱしっていきたいと思いまっす!
(もやもやする…。でももうすぐ深夜一時、明日も会社があるし、そろそろログアウトしないと。)
結局、未知の薬草は見つからなかった。仕方ないが、ちょっと気になる、不思議な匂いがする、と何かしら惹かれるものがある草を適当に採取した。この、夜都の感じる『匂い』は、なぜか他の人には匂わない。なのに、時々当たりを引いてくることがあるので、匂いといえども侮れない。
でもひたすらクンカクンカしないといけないので、特殊能力で発現するならもっと違う能力がいいな………
夜都は、ふ~っとため息をつきながらちらっと朝野を見る。彼は少し森に入ったあたりの木の側に立って、片耳を押さえつつ何かをしているようだ。時折、声が聞こえる。
『――――そう、集まるの来週かと思ってたんだよ。―――は?ドランクの事、記憶にないが酩酊したときしゃべっちゃったのかも―――、うん、――――うん、ごめんて。 ―――、―――…』
(ああ……大体察したわ。知っちゃいけないことだったのか。本当に部外者なんだな、俺)
そーっとその場から離れる。
(いや、いいんだ。あの二人はリアルでも友達かもしれない。俺も踏み込んで知り合えばいいんだろうけど、そこまではお互い求めてないんだし。)
夜都は急にログアウトして現実に戻りたくなった。なんだか目がチカチカするし、体力も限界かもしれない。仕事で数字を見てるせいか、さっきから黒い数字みたいなのが見える気がする。
「ん―――、-8.816080,13.230018……? ダメだこれは…。――――っおーい、アサーッ!」
頭を軽くふってから、遠くにいて聞こえてませんでしたよ、のていで、朝野に声を掛ける。
「俺、今日は疲れたからもう落ちていい?帰りならゲート使えるんだっけ?」
声は朝野まで届いたようで、すぐに走ってきてくれた。
「ああ、行き先が固定されたゲートなら大丈夫だけど勿体なくないか?一緒に地上まで帰るか、取り敢えずこのままログアウトして、またこの地点からログインしたらどうだ?もしオレがその時いなかったらそこでゲートを設置して帰ればいいし。今、ログアウトのアラームが鳴ってるのか?」
「いや、まだ鳴ってないけど少し目がつらくなってきててさ。3時間経ってないけど地上に戻るまで待てないからここでログアウトしちゃうよ」
このゲームはVRになった22作目から、体調を考慮したアラーム機能と時間制限を設定している。時間制限は、同様のゲームと比べて3時間とかなり短く、15分前から何分かおきにアラームが鳴り始める。また体の不調を感知した場合は強制的にログアウトさせられる。
一旦出ると、どんな理由であろうと15時間は再ログインできない。その替わり、戦闘中でなければどこでもログアウトできて全回復して同じ場所からスタートできる。セーブ機能がないのだ。
例えば、ダンジョン攻略でレベルが十分に上がってなくとも、ひたすらログアウトのインターバルを挟めば進むことができるのだが……、待ち時間を考えると果たしてそれでよいのか悩むところだ。ただやられてしまったり戦闘中の場合は登録したリスポーン地点に飛ばされてしまう。
このプレイ時間の縛りは、やり込み勢を作り出さず、なるべく平等に攻略を進められることになるので、ライトユーザーにはより受け入れられている。
「それにせっかく連れてきてもらったから再ログインしたとき、また採取してもいいか?」
「ああ、それはもちろん!今日はちょっと申し訳なったけど、好きに散策しても大丈夫だよ。誰かが所有してるエリアっもないし。しっかり休んでまた一緒に遊ぼうな!」
(ああ、やっぱこいついい奴だな)
アレクにも宜しく伝えてもらうよう言ってから、軽食を朝野に渡してログアウトする。
現実世界に戻ってからも、夜都はまだ目がチカチカする気がして、すぐに布団に入って目を閉じた。