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2.未知の職業

「なんだ、なんだか疲れてるみたいだな」


「畑仕事は非力な生産職に厳しいんだよな~。なんでそこに特殊能力生えないんだろ」



ベンチの横を空けて、朝野に座らせる。サイドテーブルの下に置いてある保冷庫から冷えたレモネードもどきポーションを渡す。



「ありがと。レモネード味?冷えてて美味いな~これ!って、ヨルの職業って不思議だよな。調合管理検査師?名前から非力な感じが出てるよ。なのに自ら畑の管理をしないといい調合ができないと。せめてステータスのSTRが上がりやすく設定されてればいいのにな」


「う……」



そう、夜都の職業はちょっと理不尽な設定である。そもそもこのゲームは、スタート時しか自由に職業を選択できず、しかも基礎的で限られた事しかできない初級職の中からしか選べない。生産職であれば、『鍛冶師(武器)』『鍛冶師(防具)』『薬師』『服飾師』『小道具製作師』くらいだ。


夜都は鍛冶師が二つに分かれてることも驚きだったが、自分が選択した薬師は薬しか作れない。薬だけじゃなくもっとアイテムっぽいものや便利な物、道具を作りたくて、転職先が発現しないか待ち構えていた。ちなみに転職先は、複数選択ではなく一つだけである。ある程度の経験値とレベル上げと何らかの条件でいきなり提示される。希望しないものの場合はキープできず却下しないと次の転職先が出てこない…。そしていつ出てくるかわからない。更に、職業も多岐に渡るのである。


夜都が選択した『調合管理検査師』は調べた限り未知の職業で、薬以外も"調合"できるかと期待して取得したのだが、どこまで何ができるのか探り探り進めている。

夜都は、だんだん、管理という言葉が自分の現実の仕事から来てそうで微妙な職業だと感じ始めているが。

とりあえず前職の薬師にプラスして作れるものの幅が少し広かったから良しとしているが。



「まあ、腕力はオレが補ってやるから問題ないよ」


「う~っほんといつも悪い。せめて最小限の作業で済むように鑑定みたいな能力があればいいのになあ。RPGによくあるアイテムボックス?も劣化版しかないのが非力な俺に厳しい」


「鑑定があったらこのゲームは進め方が根底から変わるからな。欲しいって昔から言われてたけど結局22まで出てこなかったしな」



(生産や採取に鑑定能力があれば飛躍的に腕を上げられるのに…こういうとこは現実と変わらないよなあ)



もやもやしながらも夜都は朝野とこれからの予定を話し合って、朝野の竜に乗せてもらいながら新しい採取エリアに向かいつつ、空の散歩を共に楽しむことになった。


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