10.大和
自分の作品にも誤字報告できるんですね。
そして、報告者の情報はID番号だけで、ユーザー名は表示されないのも知りませんでした。
まあ自分のは普通に編集画面から入って直せばいいんですが。
って、誤字脱字あってすみません……。いつも他の方の報告する側だったのですが、気をつけてでも直しきれない;;
次の日、夜都が起きたのは昼頃だった。どうやら腹が減って目が醒めたようだ。寝る前に頭が重かったが、寝たらすっかり治っていた。
「お、なんか通知が来てる」
携帯がピカピカ光っていたのでアプリを開いたら、大学の頃からの友人、大和だった。
(あいつ、すっごい忙しいって言って全然連絡取れてなかったけど、落ちついたのかな…、お、やっとかよ!)
大和は経済学研究サークルで出会って意気投合した。当時は、無料で勉強できて就職に強い、と評判で入会したのだが、合宿してまで勉強尽くしで辛いときもあった。ただ、飲み会が多くて深く付き合える仲間ができて、夜都にとって居心地のいい場所だった。大和はその中でも特に仲が良かったのだが、彼が卒業後に都銀に就職してからは忙しくて滅多に会えなくなった。夜都も監査法人に入ってからは休日返上で働いていたこともあったが、転職して大分落ち着いたのだ。
(やっと遊べる時間ができたのか。銀行、やっぱりブラックなとこあるよな~。しっかし、こっちは暇でしょうがなかったんだぞ。待たせやがって!)
大和からの連絡は、今日久しぶりに休みが取れたから急だけど会えないか、という内容だった。昨晩遅くに送られてきて、既に昼を過ぎたがすぐに、今起きたとこで予定空いてるから会おう、と返信した。
携帯の着信音を最大に設定して、すぐご飯にする。腹が空きすぎて目が回りそうだった。パパッと食べて、昨日買ったハーブを植木鉢に植えなおしていたら携帯の着信音がなった。案の定、大和からで、これからフットサル場に行くになったから来れたら来てくれとのこと。
(シューズあったかな……、最近インドアだったからな)
だらだら過ごすことになりそうな休日に予定が入ってウキウキし始めた夜都は、手早く身支度をして家をでる。
…………………………………
(ふん~♪ふん~♪ふ~ん~♪)
晴れ上がった空の下を歩いていると自然と鼻歌が出る。家を出る直前にTVで流れていた曲だ。なんでこんなに上機嫌なんだろうと不思議に思ったが、それ程、大和に会いたかったんだと気がついた。
「日比谷!久しぶり!ああーごめんね、連絡できなくて。すっごく会いたかった!」
「お前さ~、ちゃんと生きてたの?なんか目の下すごい隈出来てるぞ。家で寝てたほうがよかったんじゃないか?」
表情は明るいが疲れがとれてない顔をした友人に、最近のの不義理で怒ろうとしてた気も削がれ、心配になる。
「日比谷の転職祝いに飲んで以来だよね。今の職場上手くいってそうで良かったな」
「まあ、大分早く帰れるようになったよ。お陰で夜が暇でさ、ついにVRゲームに手を出しちゃったよ」
「VRって、もしかして『Dragonight Online』の最新作か?すごい噂になってるやつ」
「そうそう、ログインできる時間が短く設定されてるから、仕事しててもゲームにはまらなくていいよ。……って、お前大丈夫か?寝てないんじゃないか?フットサルで怪我すんなよ」
「だいじょーぶ!外出て気晴らししないとかえって滅入る」
(わ…わかる。以前の俺と一緒だ。忙しい時こそ予定きつきつに入れて遊んじゃうんだよな。こんなの若いうちじゃないと無理だろうけど)
夜都は仕事が忙しくてストレスを感じていた時、同僚と徹夜でカラオケに行ってたことを思い出した。朝方、近くのヤツの家でぎゅうぎょうになって着替えずそのまま寝るのだ。時々会社の女の子も混じってたけど体育会系のノリで誰も性別気にしてなくて。あの時は、無茶してる俺すげー、かっこいい、みたいにちょっとハイになってた気がする。