case4 佐藤雲雀(15)の場合
-まずは自己紹介をお願いします。
は、はい。佐藤、ひばり、15歳、中学3年生……です、はい。
-緊張してますか?リラックスしてください。
え!?いえ…………………………だいじょ、ぶです。
-では、あなたが番に求めることは何ですか。
求める、こと………………ですか。
もとめる……………………
-真剣に考えなくても大丈夫ですよ。ぱっと思いついたことを言っていただければ。
番、って結構大事な人ですよね。
で、でもぼく………………そもそも番ってくれる人なんて………………。
-ではあなたが一生一緒にいたい人に求めることはなんでしょう?
ぼくなんかと一緒にいてくれる人なんて………………
たぶん…………いないと思います…………。
だって…………ぼくですよ?
こんなどんくさくて地味で…………。
ほかにきれいだったりかわいい子なんていっぱいいるし。
自分が価値のないオメガだってことはわかってるんです。
-あの、落ち込まないでくださいね。あくまでもインタビューですから。
あ!!すいません、いきなり。
-例えばあこがれてるシチュエーションとかはないですか。
夢というか、あなたご自身ではありえないと思ってるけど、
こういう相手だったらいいなとか。
夢、ですか?
-そう。一生に一度、こういう人と出会えたらいいなとか。
………………………………。
ぼく、甘い食べものが好きなんです。
例えば一緒にごはん食べてくれる人だったらいいなって。
-ごはんを一緒に食べてくれる人、ですか?
はい…………。
おいしいものを一緒に食べておいしいねって言いあえる人だったいいなって。
そんな人と一緒だとおいしいごはんがもっとおいしくなるかなって…………。
……………………。
高望みはわかってるんです…………。
ぼくなんかと一緒にごはんたべてくれるっ人なんていないって…………。
-…………あの、泣かないでください。きっといい出会いがありますよ、きっと、はい…………。