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レース6

 練り込まれた魔力が噴出する。

 相手は二人だが、どちらも黒炎とは比べ物にならない程低レベルな人間。

 厄介なのは杖で空を飛んでいる点だが、まあ、工夫していこう。


 敵二人は飛び回りながら魔術を使ってくる。

 僕はメリアを先行させ、妨害している二人の対処に当たることにした。

 まずは、敵が放ってくる魔術をレジスト。


「くっ、このガキ。俺の魔術を止めやがったのか」


「油断するな! 二人同時にいくぞ!」


 魔力を練っている。

 中級魔術を使うつもりか。


 僕は魔術起動を早める術を使い、最速で魔術を放った。

 使うのは速度の速い雷系魔術だ。


 ほとばし()る稲妻が敵を打つ。


「なっ! 野郎。高度な雷系魔術を!?」


「やべえ、逃げるぞ!」


 逃がさない。

 まず一人をターゲットに絞り、さらに連続で魔術を放つ。

 形成は完全に逆転している。

 僕が追われる側から追う側へと変わっているのだ。

 コース外に逃げようとしている二人。

 外に出てしまえば、選手である僕は追うことが出来なくなってしまうので、このままでは逃げられてしまう。

 

 その前にケリをつける。

 放った炎の弾が、二人目掛けて飛んでいく。

 ぎょっとした二人はそれを躱すが、、、。


「なっ! なんだあの炎!! 素通りしないでこっち目掛けて追ってきやがる!!」


 追跡魔術を付与してある炎はどこまでもお前達を追っていくぞ!

 逃げることに必死になっている二人を誘導するようにして僕は奴らを出し抜き前に出た。

 そして、ちょっときつめの稲妻を放つ。


「う、うああああああああああ!!」


「こ、こんなの聞いてねーぞ!! ちくしょうがーーーー!!」


 哀れ二人は転落した。


 よし、これで邪魔者はいなくなった。

 先を急ごう。


*********


 先行していたメリアに追いついた僕は、改めてヨゼフを追う。

 まだそれ程距離は開いてはいない筈だ。

 追いつくことは十分に可能。


「メリア。ここから巻き返すよ!」


「・・・」


 僕が気合を入れ直してメリアに活を入れるも、メリアは何故か俯き、こちらを見ようとしない。


「メリア?」


 どうしたのだろう。

 いつものメリアであれば「当然!」とか言ってきそうなものだけど。


「・・・アルフ。さっきの攻防でね。ちょっと杖を痛めてしまったの」


「え!?」


 よく見れば、確かにメリアの杖に小さなひびが入っているのが目についた。

 困ったな。

 これでは、魔力を噴射する際に漏れ出てしまう。


 くそ、こんな時どうすれば・・・。


「・・・悔しいけど、私はこれ以上速度が出ない。アルフ、お願い先に行って」


「メリア・・・」


 どうしようもないのか。

 ここまで来て・・・。


「絶対にあいつにだけは一位になってほしくない。お願いアルフ。私の代わりに絶対に、勝って!」


 必死な瞳でそう言われた僕は、決意を胸に大きく頷いた。


「君の想いは僕が連れて行く。必ず優勝して見せるよ」


「行って、アルフ!!」


 僕はもう一度頷くと魔力を燃やして、更に速度を上げた。

 ヨゼフ、絶対に許さないぞ。

 お前にだけは優勝させない。

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