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家族と夕飯

「それで断っちゃったのお!?」


 夕飯。


 放課後のほろ苦い告白のエピソードを母さんに話すと、母さんは信じられないとばかりに絶叫した。


 分かってる。

 普通思春期(僕を思春期と言えるかは置いておいて)の男子は告白を受けたって話しを母親にはまずしない。

 中々できない。

 じゃあ、なんで話したのか。


 だって、メリアが夕食の席にいるから。

 凄く話したそうにしているから。

 放っておいたらあることないこと母さんに話しそうだったから、これなら僕がありのままを伝えたほうがいいと思って話した。


「可愛くなかったの?」


「いや、可愛かったよ」


「好みのタイプじゃなかった?」


「好みのタイプがはっきりしないけど、でも素敵な女の子だった」


「他に好きな人が?」


「いないけど」


「アルフは男の子が好きなの?」


「違うわい!」


 心外な。

 僕は女の子が好きだ。

 そう言うと女好きに思われそうだから言わないけど。

 告白されて嬉しかったしときめいた。

 だけど。


「僕は魔術に時間を使いたいからね。今は恋愛はいいんだ」


「う~~ん」


 母さんは腕を組んで唸る。


 その横で、何故か笑みを浮かべるメリア。


「メリアは何が嬉しいの?」


「ふぇ!?」


 素っ頓狂な声を出すものだから僕はちょっと驚いた。


「いや、帰り道もずっと笑顔だったじゃない。何がそんなに嬉しいのかなって思って」


「え、笑顔なんかじゃないわよ」


「いや、笑顔だよ。満面の笑顔だよ。鏡見る?」


「五月蠅いわね。いいの、ほっといて!」


「えぇ・・・」


 何それ、逆ギレ?


 メリアはサレンと面識があったんだろうか?

 実は二人はいがみ合ってて、サレンの不幸が嬉しくてたまらないとか?

 いやー、そんな陰険な性格じゃないと思うんだけどなーメリア。

 じゃあ、なんで僕がサレンをフッてあんなに嬉しそうなんだろう?

 そして何故母さんはそんなメリアをニヤニヤみているのだろう?


「アルフー。魔術は前世で散々やったでしょう? 今の命はもう少し違うことに使ってもいいと思うのよ?」


 母さんは困り顔で僕に言う。

 うん。

 確かに、前世は生涯を魔術に捧げた。

 なら、今世ではまた違う生き方をしてもいいのかもしれない。

 ありがたい母親の忠告であることは間違いない。


「前世のように魔術に人生をかけるのか。それはまだ分からない。でも、まだ魔術学校に入って三か月も経ってないよ。まだまだ学べることは沢山あると思うんだ。今はまだ魔術だけでいいよ。もう少ししたら落ち着くかもしれないからさ」


「十年後にも同じことを言っている気がするわぁ・・・」


 確かに、言ってそうな気がするが・・・。


 確かにサレンは可愛かったなぁ。

 性格も良さそうだったし、あんないい子を逃したのだから本当に僕に彼女は出来ないかもしれない。


「まあ、私は心配してないわ。いざとなったらメリアがいるものねー」


「はひぇ!?」


「え? メリア?」


 メリアはビクッとなって僕は思わずメリアの方を見た。


「行き遅れたらメリア。お願いね」


「おおおおお、お願いとは!?」


「結婚してあげてね」


 メリアは赤面して俯く。


「け、結婚。アルフと結婚・・・」


 なんかぶつぶつ言ってるけど。


「母さん。変なこと言わないでよ。メリアが困ってる」


「困ってる? ん~? 困ってるように見えるぅ?」


 いや、困ってるだろう。

 困ってるよね。


 僕がメリアに尋ねようとすると、ダイニングに駆け足で人が入って来た。

 誰かと思ってみてみるとそこにいたのはメリアの父で僕の伯父。アドルフ伯父さんだった。


「アルフ!」


 開口一番、伯父さんは僕に詰め寄って来た。


 え、何? 何?


「とんでもないことになったぞ」


 とんでもないこと?


「一体どうしたのお父様?」


 メリアは先程の動揺から立ち直り、普通ではない伯父さんを問い正すと、伯父さんは呼吸を整ると、僕に向かって口を開く。


「アルフ。君の作ったポーションだが、大事になりそうだ」


「え?」


 僕が作ったあのポーションが?

 大事ってどういうことだ?


「お兄様落ち着いて。アルフが作ったポーション? 何それ。私にも分かるように説明して」


 母さんが割って入り、伯父さんに説明を求めた。

 伯父さんはメイから水を貰うと一気に飲み干して、一度咳払いをする。


「カレンは聞いてないのか? アルフが独自で作ったポーションのこと」


「初耳ね。アルフそんなことしてたの?」


「うん。まあね。それで伯父さん。そのポーションがどうしたの? 何か欠陥でも見つかった?」


「とんでもない。私はあれを病院などの医療施設。商業ギルド、直接必要になるであろう騎士団、冒険者ギルドに持っていった。そして、効能を見せてそれぞれに卸せないか聞いてみた」


「それで?」


 伯父さんは一度言葉を切って、ゆっくりと口を開く。


「もし月に五十本卸してくれれば、トータルで月二百万ルピン。君に支払うそうだ」


「に、二百万!?」


「月々で!?」

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