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アルフ対グジー2

「ボコボコになる準備はできたかよ? 顔なんてよぉ、原形がどうなってるのか分からなくなるくらいぐちゃぐちゃにしてやるからな」


 グジーは陰湿な顔でニヤけてみせる。

 僕は首を捻る。

 どうも、陰湿な人間に遭遇する確率が高い気がする。

 なんでこういう人種は人を痛めつけたり貶めたりすることにこんな情熱を燃やすのだろうか?

 そんなことよりも魔術にもっと力を注いだらいいのに。


「先輩は僕のどこが気に入らないんですか? もっと違うこと考えません?」


「そういうところだよぉ!!」


「えぇ・・・」


 なんだろう、ちょっと分からない。

 僕、全否定されてる?

 こうなるとここを治すとかじゃないんだろうな。

 もう、存在そのものが受け付けないとかそんな感じだろうか?

 上級生と揉めたくはないんだけど、仕方ないね。


「オラ、死ねよ!」


 グジーは杖を僕に向けるとそこから石弾が連続で飛び出してくる。

 ほぉ、速いな。

 流石に上級生。

 僕と同じ年代の魔術師よりも一段上といったところだろうか。

 まあ、それでも僕にとっては同じくらいだけど。


 僕は飛んでくる石弾に向かって水魔法で作った水球をぶつけた。

 威力を完全に殺し、石を包み込んでそのまま下に落として無力化する。


 グジーは舌打ちすると更に追加で石弾をぶつけてきたけど、対処は変わらないかな。

 水で包み込んで完全無力化する。

 ここでグジーが新たな戦法に出た。

 魔法を使いながら前に走って来たのだ。

 お? 魔術師が前に出るか。どうするつもりだ?


 グジーは石弾を連続で使いつつ僕との距離を詰める。

 そして思い切り杖で殴りつけてきた。

 わお、ワイルド。


「せやぁ!」


 そのまま半回転してバックブロー。

 うわ、何だこの人、これじゃ喧嘩だ。

 いや、鼻からこの人は魔術戦とかじゃなくて僕とガチンコの喧嘩をしたかったのだろう。

 僕が勘違いしていたのだ。

 この人の本質を見誤っていた。


「喧嘩がしたいんですか?」


「最初っからそうだよ! 魔術なんてまどろっこしいぜ。てめえの顔面にこの拳をぶつけてめちゃくちゃにしたいんだ!」


「なるほど」


 この人、本当に喧嘩慣れしてるな。

 もしここで素手になってやりあったら勝機はないだろうか?

 いや、僕も前世ではそれなりに戦闘経験を積んだからやってやれないことはないだろうけど、素手だときついかな、この喧嘩殺法相手には。

 なので、ここは魔術に頼らせてもらう。


「おらぁ!」


 グジーは杖で殴りつけてきたので僕はそれを杖で受け止める。

 さて、ここからだ。


 僕は杖から粘着性のある水魔法を生み出すと、それをグジーの杖に巻き付かせ、根元に移動、そのままグジーの手に巻き付かせる。


「ぐ! な、なんだこりゃあ!」


 グジーは慌てて絡みついてきた水魔法を解こうとしたが、粘着性のある僕の水魔法はそう簡単には解くことが出来ずに、成すすべもない。

 その間にスライムのようになった水魔法はグジーの身体に絡みつき、完全に縛り上げてしまった。

 これでグジーは何も出来ない。


「くっ、くそ。絡みついて離れねぇ。放せ、放しやがれ!!」


 バランスを崩してそのまま倒れてしまったグジーは口だけは動かしてバッタンバッタンと撥ねながら抵抗らしい抵抗は出来ずにいた。

 僕はゆっくりとグジーに近づく。


「さて、グジー先輩」


「うっ、く」


「顔面を拳でぐちゃぐちゃ、でしたっけ?」


 僕は拳を握るとぬっとグジーの前に突き出した。


「ち、畜生! や、止め、止めろぉー!」


「メリアの分。受け取って下さい、ね!」


 ゴン!!


 僕の拳がグジーの顔面にめり込んだ。

 防御も抵抗も出来ないところに的確に一撃を入れてあげた。

 グジーはビクンと痙攣するとそのまま伸びてしまったので、僕はゴイル先生の方を向くと先生は頷いて両手を掲げる。


「勝者アルベルト!」


 うわーーーーーー!!


 見物人から歓声が上がり、僕は手を振りながらそれに応えると闘技場を後にした。


 これで絡んでくる奴が減ってくれればいいんだけど、あのグジーももう絡んでこないといいな。

 魔術の戦いなら興味が全くないわけじゃないんだけど、あんな喧嘩じゃあねぇ。

 あー、殴った拳痛い。

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