表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/81

一狩り行こうぜ!

 今日は通常の授業ではなく、特別なイベントがある。


 それは狩りだ。


 一年生は指定されたエリア内で狩りをすることになっている。


「今日はグランベルーの森で狩りをしてもらいます」


 クラウスとの騒動からしばらく経ち、学生生活は良好そのもの。


 前世では学校など通ったこともなかった。


 村でも同年代の友人もいなかった。


 ここには、メリア、リゼがいる。


 その他にも大勢の友人が出来た。


 正直、魔術が学べればそれでいいと思っていた。


 だが、この学校ではそれだけではない充実した生活がある。


 魔術以外にも前世では出来なかった経験が出来る。


 知らないことを知るとは、本当に素晴らしい。


 そして今日はそんな友人達と初めてともいえる学校のイベントだ。


 胸が躍るな。


「はーい。ではもう一度説明をしますね。貴方達は三人から五人でチームを組み、森の中にいる動物を二匹狩って来てもらいます」


 生徒達がひそひそと話し出す。


「二匹なんて楽勝だよね」


「まーな。なんでもっと要求しないんだ?」


「一年生全員参加だからね。そんなに狩ったら狩りつくしちゃうからでしょ」


 パンパン!


「話はまだ途中でーす。皆が一気に入るとぐちゃぐちゃになっちゃうので、時間を空けて森へ入ります」


 班決めは生徒達で決めて良かったので、当然僕はメリアとリゼとで組むことになった。


 男友達も最近では出来たんだけど、やっぱり一番話すのはこの二人だからな。


 男友達からはやっかみを食らったが。


 僕は柔軟体操をしつつ、自信で身が滾っていた。


「ふっふっふ。狩りには自信がある。なんたってこの十五年、ずっと村で狩りをしていたんだからな」


「わぉ。田舎者の本領発揮ね」


「だーかーらー。田舎を馬鹿にするな。ふっふ、メリア、君は狩りなんてしたことないだろう。見ているがいい。ハンターって奴をな」


「あるわよ」


「なにをぉ!?」


 馬鹿な。

 貴族のお嬢様が何故!?


「狩りも貴族の嗜みよ~。狐を狩ったことがあるわ」


「ほ、ほぉ」


「アルフは何を狩っていたの?」


「・・・ウサギとか?」


「ぷっ」


「そ、それ以外にもあるぞ!」


「何?」


「あ、と。鹿とか」


「ふーん。草食動物ね」


「そ、それの何が悪い!」


「べーつーにー」


 ば、馬鹿にしやがって。


「お、狼を狩ったぞ」


 モンスターだけども。


「おお、それは凄いじゃないか」


 リゼが感心して笑った。


 なんとなく面白くなさそうなメリアであったが、小さく頷く。


「それは有益ね。この森には狼が出るそうだから」


「え、マジで?」


 メリアはコクリと頷いた。


「しおり、ちゃんと読んでない? この森に生息している動物が載ってるわよ」


 ほほぉ。


 まだきちんと読んでなかったね。


 ああ、最後のページだったか。


 なるほど、手ごわい相手は確かに狼か。

 猪もいるね。


 このイベントは、参加するかしないかは自由である。


 何故ならば、狼を始めとした、ただ逃げ回るだけではなく、襲ってくる動物もいるからだ。


 参加する際にも、危険な目にあってもそれは自己責任と書かれた念書にサインをさせられる。


 だけど、ここで不参加を表明する人間は実は殆どいない。


 何故か?


 それは、魔術師とは危険と隣り合わせで生きていかなければならない人種だからだ。


 学者肌の魔術師も当然いる。


 しかし、それでもある程度の危険は付き物だし、強さを求められる。


 それに、入学する前にも、危険を伴うカリキュラムが盛り込まれているともしっかりと明記されている。


 だから、ここで不参加をする人間はあまりいないのだ。


「順番をくじで決めますよ。班長は並んでください」


 僕は二人を見つめる。


「よし、じゃあ引いて来るね」


「出来るだけ最初の方にしてね」


 メリアはそう言って、僕にエールを送ってくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ