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目を覚ましたその先で〜神へ至る者、異世界で何を為す〜  作者: カナリア
第一章 森の迷子
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第五話 知識は大切


「おやおや、今どきこの道を使うとは珍しい。その腰の物を見る限り冒険者の方でしょうか?おっと失礼、挨拶が遅れましたな。私の名前はガルムと申します。ラーガル王国を中心に商いをしておりますので、以後お見知り置きを。」


おお、The商人って感じの人だ!それにしても大きい馬車だな、本物を見るのは初めてだ。


「ああ、俺はシンと言う。まあ、冒険者ではないがな。それにしてもこの馬車結構大きいな、いかにも商人って感じだ。それと、この道はあまり使われていないのか?結構綺麗に整備されてあるように見えるんだが。」


「そうですね、セリヴィス獣王国に行くのならば聖ルース皇国を通った方が安全ですし、利益を考えてもそちらが一般的です。とはいえ、この道はセリヴィスへの一番の近道ですので国路に指定されていますから。」


国路か、日本でゆう国道みたいなものかな?それとそうか、道を逆に行くと獣王国。知識によると獣王国セリヴィスは、ラーガル王国の左上、聖ルース皇国はちょうど真上に位置する。


そしてここがマカラサ大森林の中で後ろに霊峰リンデン、とするとここはラーガル王国の左上かな。


「そういえば、質問ばかりですまないが、あなたは何故この道を?商人ならば聖ルース皇国を通るんじゃないのか?」


「いやはや、お恥ずかしい話ですが。どうやら王都にある私の店で少々トラブルが起きたようでしてね、仕方なくこの道を通って帰路を早めたのですよ。そういうあなたは何故この道を?」


「ああ、言いたくないなら構いませんよ」と付け加えられたが流石にここで黙るのはな。一応設定も考えてある、というかあの神からの提案だが。


実は、ついさっきちょっと燻製肉を食べようとインベントリを見たら、神からの手紙と一振りの刀、それっぽい服にそれなりの金が入っていたのだ。手紙は見ずに燃やそうか迷ったが、ひじょーーに悔しいが情報は欲しいので見ることにした。…そのあと燃やしたけど。


刀や金に罪はないので、こっちは使わせてもらうがな!つまり今の俺は学ランに刀を佩ている変質者。…流石に道で着替える勇気は無かったんだ、まあどっちにしても変質しry)


それはいいとして、その手紙に俺の設定とか、魂がどうのとか日本での俺の扱いとか色々と書かれていた。自分で考えるのも面倒なのでそれを使うことにしたのだ。


「実は俺は捨て子らしくてな、赤ん坊の頃に師匠に拾われてあの山で暮らしてたんだが、その師に「旅をして世界を見てこい」と追い出されたんだ。だが場所も分からないんで街に着くかもと、とりあえずこの道を歩いてたってわけだ。この刀は師匠からの餞別だ。」


あの山とは霊峰リンデンのこと、あそこは修験者の山とも呼ばれる場所らしい。ちなみにこの大陸で一番標高の高い山だそうな。


「なるほど、あの山の・・・。それで冒険者ではないのに武器を持っていられたのですか。しかしその武器、カタナ…ですか?珍しい武器ですね。最初はレイピアか何かだと思いましたよ。少し視させて貰っても?」


へえ、ここでは刀は珍しいのか。そしてこの世界で相手自身や相手の物を勝手に鑑定して視るのはマナー違反らしい。ただし戦う相手や盗賊などは別だ。


「構わないぞ、渡すのは遠慮願いたいが視るだけならな。代わりにと言ってはなんだが、…俺を王都まで乗せていってもらえないか?」


王都は国の中央部にあるのだが、行けるのならば行ってみたい。徒歩でとなるとどれほど時間がかかるかわからんしな。


「……ふむ、いいでしょう。ただし、あなたのことを視させて貰うことが条件です。」


「俺も視させて貰っても?」


「構いませんよ。」


確かに、初対面の人をいきなり信じるのは良くない。ステータスを見るのが早いし正確だろう。俺の場合偽装しているので正確かは怪しいところだが…。いや、素のステータスを見せたら見せたで逆に・・・。


「…交渉成立だな。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「——なんて事もありましたねー。」


「それは凄いな!いやーそれにしてもガルムもなかなか面白い経験してんだなー。」


あれから互いのことを話しているうちにだいぶ打ち解けた。ガルムは王都にある老舗商会、ウィストリア商会の三代目会長らしい。


 =========================================

  名前  :ガルム

  性別  :男

  年齢  : 36

  職業  :商人

  種族  :ヒューマン

  レベル : 28

  能力  :【 HP 】1103

      :【 MP 】382

      :【 STR 】53

      :【 VIT 】59

      :【 INT 】65

      :【 MIN 】78

      :【 DEX 】98

      :【 AGI 】58

      :【 LUC 】82

  スキル : 【 Normal 】

       [詳細鑑定][身体強化][魔力感知][水魔術 Lv3]

       [交渉][話術][算術][言語学][看破][契約][審美眼]

 魔法適正 :【元素・属性魔法】

       水 

 =========================================


これが彼のステータス。スキル構成はやはり商人らしいものになっている。レベルの割に能力が低いのは職業の特性のようなもの。


戦闘職は戦闘をすると多くの経験値を貰え、職にあったスキルと能力全般が伸びやすい。生産者は自分の職業の仕事をすると多くの経験値が貰え、職にあった能力とスキル全般が伸びやすい。


例えば、両手剣の剣士はSTRやVITが上がりやすくINTとDEXが上がりにくい。シーフ系はDEXとAGI、STRとVIT、魔術士はINTとMIN、VITとAGIって感じ。あくまで一次職では、だがな。


そしてやはり俺のステータスには驚かれた。レベルが低いのに能力がとても高く、ノービスで剣も魔法も使えるものは珍しいらしい。


そもそも魔法適正に全属性があるのがおかしいと言われた。四元素までならともかく、光と闇は単体でも滅多に出ないという。


そして刀の方も素晴らしいと言われた


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

     名称 真静明月・朧月


     所有 シン


     階級 レア


     分類 武器・刀剣


     説明 匠に作られた、鎬造り広直刃の刀。とても

        丈夫で軽いが、扱いが難しい。斬れ味は使

        用者の技量によるところが大きい。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


実はこれ、日本にいた頃からの俺の愛刀。唯一あの神を褒められるのはこの刀を持ってきてくれたことだな。


「そう言えば王都まではどのくらいかかるんだ?」


「そうですね、これから四つの都市を通る必要があるのであと二日か三日ほどでしょう。今日は取り敢えず一つ目の都市で一泊しますので、ギルドに登録されてしまわれたらどうですか?もうそろそろ着きますし。」


「確かにそうした方が金の節約にもなるしな。というかまだ日は高いが先へは進まないのか?」


まだ日没までだいぶ時間はありそうだし、進んだ方がいいと思うのだが。


「いえ、今日は国境を越えるためとはいえ、この馬を大分走らせてしまいましたからね。明日からに備えて早く休ませてあげたいんですよ。」


なるほど、馬のことを失念していた。無理矢理走らせるわけにはいかないもんな。


「あー、そういうことか、馬にも休憩は必要だもんな。」


「そういうことです。ほら、見えてきましたよ、あそこがアンドレアス辺境伯領の、エルマー男爵が治める都市です。」


おお本当だ、なかなかに大きい街が見えて来た!いやー、異世界の街、楽しみだな〜。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



おおー大きい門だ。それに、鎧を着た門番もいる。


「どうもこんにちは、身分証の掲示をお願いします。」


えっ、俺身分証なんて持ってないんだが!


「はい、これを。シンさんは何か身分を証明できるものはありますか?」


「…すまないが持っていない。もしかして街に入れなかったりするのか?」


「はは、そんなことありませんよ。門番さん、こちらの方はあの山の出身らしく身分証はないそうです。」


え?大丈夫。俺捕まったりしないよね?


「わかりました。水晶を持ってくるので少しお待ちください。」


大丈夫なようです。ところで水晶とは?


「ああ、水晶というのは名前と年齢、あと犯罪履歴を調べることができる魔道具です。身分証がない場合はこれを使用して滞在許可証を貰うんですよ。」


ちょっとびくびくしていたら説明してくれた!なるほど、犯罪者かどうか見分けられるとは便利だな、異世界。


「それではこちらに手をかざしてください。…はい、問題ありません、入市税として大銅貨五枚をいただきます。」


「ええと、…よし、これでいいか?」


金についてもガルムに色々聞いておいた。まず貨幣はこの大陸では、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、黒金貨の八種類あり、銅貨が百円、大銅貨が千円と十倍になっていく。


他の大陸では独自の通貨があるらしく、交易は基本的に物々交換、一応貨幣によるやり取りもあるらしいが。


そして今の所持金は銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨各十枚ずつ、いや、今大銅貨を五枚払ったので大銅貨は残り五枚だ。大金持ちですね…はい。しかし街に入るのに五千円!早く冒険者にならなくては。


「はい、確かに。それにしてもその年であの山で修行していたとは凄いですね。こちらが滞在許可証となります。ただし節が二回巡ると効力を失いますので、それ以上滞在する場合は身分証を作るか、巡るまでにここか兵舎で延長手続きを行ってください。最悪奴隷落ちもあるので気をつけてくださいね。」


最後!今さらりと怖いこと言ったよね?税金未納で最悪奴隷落ちとか怖い。まあ、そんなに滞在する予定はないので関係ないが。


ちなみに節とは一週間のことで、こちらでも一節は七日。火の日、水の日、風の日、土の日、闇の日、光の日、祈りの日、祈りの日には神殿へ行って祈りを捧げるらしい。


「それではいきましょうか。まずは宿を取らなくては。シンさんはどうしますか?私が取る宿は馬車を置けるところなので、少々お高いですが。」


さて、金はあるがここは


「いや、別の宿を探そうと思う。色々街を見て回りたいしな。明日出るなら約束しておけば大丈夫だろう。」


そう、初の街なのだから観光してみたいのだ。


「はは、わかりました。それでは、二の鐘の頃に南門でよろしいですか?」


「ああ、了解だ。遅れないように気をつけるさ。」


この世界は一日約25時間。鐘はそれぞれの街で朝、朝と昼の間、昼、昼と夕方の間、夕方、夜(6時、9時、12時、15時、18時、21時)の六回鳴り、朝の鐘で門が開き、夕方の鐘で門が閉まる。夜の鐘は就寝の合図のようなものだ。


街の中央広場でガルムと別れて観光開始だ。まずは何をしようか?冒険者ギルド、宿、食い物の店、屋台でもいいな。神殿にも行きたいし買い物もしてみたい、武器や防具を見たり、こっちの服を見たりするのもいい。


うーむ悩む。




書きたいことは多いけど、いざ書くとなると難しい。

街の地図を作ろうとして心が折れました。

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