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僕の悪魔くん  作者: お花さん
4/5

厄介者

いつもと変わらない学校の正門へとたどり着いた。


「志戸。お前そいつをどうするんだよ?学校へは連れてけないぞ。」

「分かってる。熊、ちょっと来い。」

僕は熊を引っ張って近くの公園へ連れて行った。

「今日は授業が7時間後に終わる。授業が終わったらここで待ち合わせな。」

熊は頭を縦にぶんぶん振っている。

「あと多分お前は学校に興味があって付いてきたんだと思う。だが学校へ入るときは誰にも見つかったり迷惑をかけたりするなよ。」

熊はまたもや頭を縦にぶんぶん振っている。

「じゃあ、また後でな。」














ふーー。四時限目が終わった。

次の授業は……英語か。英語は苦手なんだよなー。

「志戸君。話は聞かせてもらったよ!」

振り向くとそこには公幸 条(こうさち じょう)が居た。

こいつが例の厄介な二人の内のもう片方だ。

こいつは何かあったらすぐに事件だと思い込む。中学の頃はかなり問題になっていた。

「秋種君から聞きました!あなたが誘拐しているとね!」

条の後ろでは秋種が謝ってるポーズをしている。謝るくらいならこいつに変な事を吹き込まないでくれ。

「秋種君が言うにはその子の見た目は6〜7歳くらいで、黒髪が良く似合ういつも笑顔の少年らしいね。」

「その通りだな。」

「そしてお父さんとおばあちゃんしか家族が居ない筈の君は”その子は誰?”という質問に”弟”と答えたらしいけどそれは何で?」

やっぱりその事も秋種は言ったのか。嘘を付き続けるのはあまり気分は良くないが、弟じゃなくて悪魔だ!と言っても信じてもらえないだろう。何とかして納得のいく言い訳を考えなければ。

「そいつは僕の弟じゃなくて従兄弟の弟だよ。」

よし!これならいいだろう。

「…志戸君。あなたはいつも嘘を付く時は目を逸らす。そして今も目を逸らしている。そんな志戸君を信用は出来ないかな。」

え!?僕ってそんな癖があったの!?

というか嘘を見抜かれてしまった。もういっそ本当の事を言ってみようか?けど信じてもらえなくて変な奴と思われるのは嫌だな。昔の様にはには戻りたくない。どうしよう?

「ふっふっふっ。志戸君は何かを考え込んでる様ね。そんな志戸君から何を聞いたって無駄なのはいつもの事。という訳で私は調査に出かけてくるわ!」

そう言いながら条は教室の外へ走っていった。

「ゴメンな志戸。面白そうだから条に話しちゃって。」

そう言いながら秋種は僕に謝る。

「いや、こういう展開になるのは予想ついてた。それより先生になんて説明するかがめんどくさい。」

条はいつも調査に出かけると言う時は大体残りの授業をすっぽかして色々な事を調べる。酷い時には何日も登校しない事もある。あれは病気と言ってもいいだろう。


キーンーコーン カーンーコーン

「おいお前らー。席に着けー。…ん?条はどうした?」

…はぁ。なんて言えば良いんだ。















やっと学校が終わった。

結局条は戻ってこなかったな。予想通りだが。

「志戸。じゃあな!」

「ああ。じゃあな。」

さて、熊が待ってる公園へ行くか。




「おーーい!熊ーー!」

あれ?熊が居ないぞ。どこへ行ったんだ?

「ふっふっふっ。待っていましたよ志戸君。」

声のした方を見るとそこには条が居た。

「安心してください。熊君なら私の家で預かっています。」

「熊を…?馬鹿な、どうやって連れて行ったんだ!?」

あいつは総地郎さんでも敵わなかったんだぞ。特に強い訳でもない普通の女の子にどうやって熊を連れていくことが出来るんだ!?

「ふっふっふっ。お菓子をあげたら簡単に着いてきてくれましたよ。誘拐するのにはうってつけの性格でした。」

あー普通に着いて行ったのか。というか誘拐事件の事を調べてる奴が誘拐して良いのか?

「なんで熊を連れて行ったんだ?」

「あなたと一対一で話し合いたかったもので。恥ずかしながら全然あなたと熊君の関係性について分からなかったのです。それでも少しは分かりましたから、聞いてください。」

「聞かなければ熊は返してもらえないんだろう。聞いてやるよ。」

「ありがとうございます。ではまず初めに私は色々な所で聞き込みをしました。するとあなたが昨日少し遠出した事が分かりました。そして更に調べた結果、行き先はさざなみアパートの108号室、つまり総地郎さんの部屋に行ってたということが分かりました。そしてあなたが108号室から出てきた時に熊君が一緒に居ました。来た時は居なかったのに、出てきた時には熊君が一緒に居たのは少し変じゃないですか?そこで私は二つの考えが思いつきました。一つ目は総地郎さんがあなたに自分の息子を預かって欲しいと頼んだという考え。二つ目は総地郎さんは実は犯罪者で、誘拐してきた子供をあなたに預けたという考え。まぁ自分でもこの考えは的中しているとは思わないですけど。この考えはあっていますか?」

「いや、あってないな。」

「そうですか。では次は今朝の話をしましょう。今朝は特に怪しい様子はありませんでしたが、少し気になる事がございまして。」

「気になる事?」

「はい。あなたは熊君を外に出して、自分は窓からその様子を観察していましたね。それは何故?」

「それは…僕が居なくても近所の子供たちと仲良く出来るか知りたかったからだ。」

さっき嘘を付く時目を逸らす事を指摘されたからな。今度は意識して目を逸らさなかったぞ!

「志戸君。恐らくあなたは私がさっき言ったことを意識したと思うんですよ。でも言ってませんでしたがあなたには目を逸らす事以外にも癖があります。あなたは嘘を付いている。」

ぐぬぬぬぬぬ。

一体どうすれば。

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