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僕の悪魔くん  作者: お花さん
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悪魔の力

「悪魔って…どういうことですか?」

「分からん。だがこの邪気は悪魔以外にとても言い表せん。私が今まで見てきた中で一番の邪気だ!」

悪魔…今までにないほどの大きな邪気…

そんな者が僕に取り憑いてると言うのか!?………まぁでも本当はいまいちピンと来てない。なんだ邪気って。

でも大変な奴が僕に取り憑いてるというのは確かだ。放っておいたら大変な事になるかもしれない。この人は何か対処法を知ってるかもしれない。聞いてみよう。

「あの、僕はどうすれば良いんですか?」

「すまんが分からん。だが悪魔を見えるようにしたら何か対処出来るかもしれん。とりあえず悪魔を人間にも認識出来るようにしてみよう。」

悪魔が見えるようになるのか……

もし本当に見えるようになるんだとしたら僕はどうするのだろう?

悪魔に僕が悪魔の事を見えると感ずかれたら僕は悪魔に殺されるかもしれない。

覚悟を決めないと。

「ぜひ、お願いします。」

「…うむ。ではやってみよう。はああぁぁぁぁぁ!」

こてん。

”こてん”というコミカルな音がなり、気づいたら床に6~7歳に見える少年が転がっていた。

「あの、この子は?」

「………………こいつが悪魔じゃ。」

え?この子が悪魔?

想像してたのとかなり違う。

「本当にこの子が悪魔なんですか?」

「……その筈だ。」

総地郎さんも内心かなり驚いてる様だ。そりゃそうだ。こんな可愛らしい少年が悪魔だというのだ。

「!!悪魔が起き上がるぞ!」

少年は7秒ほどの時間をかけてゆっくりと立ち上がった。そしてこちらに笑顔を向けた。

「……本当に悪魔なんですか?」

「私を疑うんじゃない!こんな奴が取り憑いてるのは初めてなんじゃ!でも悪魔という事は間違いない!」

「…あれ?彼、何してるんです?」

少年は総地郎さんの冷蔵庫の前へ向かった。

「何をするつもりでしょう?」

「分からん。だが一旦様子を見よう。君はもう帰っていい。こいつは危険だ!」

「危険って…」

「急げ!奴は何かしだしたぞ!」

少年は冷蔵庫の扉を開け、中にある物を一気に食べ尽くした。

「…これが悪魔?」

「私に疑いの目を向けるんじゃない!」

恐らく僕の冷蔵庫の中が空っぽになっていたのはこいつの仕業だろう。随分と食いしん坊だな。

「君はもう帰れ。私はこいつを捕らえて少しこいつの事を調べてみる。邪気のある者はこの杖でつつかれると五分間動けなくなるのだ。正体が分かりしだい君に連絡する。」

そう言いながら棚から杖を取り出し、その杖で少年の方へ向かっていった!

「総地郎さん!待っ…」

言い終わらない内に奇妙な事が起こった。

総地郎さんが杖で少年をつつこうとしたら、その杖を避けるように少年の体が不自然に曲がった!

「クッ!喰らえ!」

総地郎さんは昔剣道をやっていたのか、素人と思えぬ動きで悪魔に襲い掛かった!

だが少年は蛇の様に体を動かして総地郎さんの攻撃を交わしている。明らかに人間ではない!

「なかなかやるな!ではこちらも奥の手だ!」

総地郎さんはちっちゃいミラーボールの様な物を投げた。するとミラーボールの様な物は青い光を発しながら空中を不規則な動きで飛び回る。少年が青い光も避けている所を見ると恐らくその青い光は邪気のある者に有効なんだろう。総地郎さんの杖とミラーボールの光を両方常軌を逸した動きでかわす。

「大人しく観念したらどうだ!……あっ!」

突然少年が溶けて液体になってしまった!そしてその液体は総地郎さんから杖を取り上げ、その杖をミラーボールに投げ、杖とミラーボールの両方を破壊した。

そしてその液体は元の少年の姿に戻って行った。

その場面を見て僕は呆然としてしまった。少年は総地郎さんから逃げるように僕の後ろに隠れた。

「……志戸君。」

「えっあっはい!」

「どうやらその悪魔は君に懐いてる様だ。面倒だとは思うが君がそいつの面倒を見てやってくれないか?」

「えぇ!?」

「頼む。そいつを野放しにしてしまったら何が起こるか分からない。もし何か起こったら私に連絡してくれ。」

「えーー………分かりました。」

「ありがとう。何か分かったら連絡するよ。」

なんやかんやで引き受けてしまった。










帰り道、少年は僕の背中に乗ってきた。

この重さは覚えがある。下校中に体が重くなるのはこいつが乗ってきたからか。


あまり実感はなかったが、今日から悪魔と一緒に暮らすことになるのか……

一体どうすれば良いんだろう?…………まぁきっと何とかなる気がする。子供や悪魔の扱い方はよく知らないが。

………ん?いつの間にか少年は寝ていた。この寝顔を見ると完全に子供なのだが、さっきの総地郎さんとの戦いを見て確信した。こいつは悪魔だ。

まぁでも何かしなければ危害は加えてこないだろう。悪魔との生活はなんだかんだ上手くいきそうな気がしてきた。


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