奇跡のゲート
ダンゴ虫の様なオレンジと毒針の尻尾を持ち二足歩行するスクリューは同種族である。
この見た目も能力も全く違う二人は
オニキス星人である。
二体の生物が誕生した星は全く違い、進化の過程も全く違うが同種族である。
なぜなら、二人の体は器だからである。
オニキス星人はケイ素系の生命体で黒く光る指輪ほどの宝石に昆虫の様な足が生えたの様な生命体で足は四本あるのだが、行動能力は極めて低い。
しかし、オニキス星人にそれを補う能力があった。
寄生である。
極細い、それでいて硬質な神経針を寄生する生命体に刺仕込み、一瞬で相手の脳神経を支配しすべてを支配する。
オニキス星人は自然に生まれた生物ではなかった。
生みの親が存在した、
アイリス星人だった。生体科学技術に卓越したアイリス星人が人工的に生み出したケイ素系石生物だった。
その生まれた目標はアイリス星人がゲゲにより滅ぼされたため失われてしまい、謎となってしまった。
ほぼすべてのアイリス星人が滅ぼされた後、管理する主がいなくなったオニキス星人が、かろうじて生き残ったアイリス星人に寄生し、アイリス星人の技術を吸収し進化したのが、現在の科学技術が発展したオニキス星人となり、この銀河に様々な影響を及ぼしていた。
アイリス星人に寄生したオニキス星人は社会を構築し、アイリス星人のクローン技術を利用し、人口を増やし、文明を開花させる
現在のオニキス星人は厳しく寄生行為を取締り、器は 姿的には アイリス星人 半人半蛇の姿が基本となっている。
しかし、その寄生本能が法律だけで、取り締まれる訳もなく、スクリューやオレンジのように違法な寄生するものも、少なからず存在していて、それに拍車をかけたのが、
コレクターの存在やアイリス星人が残した遺産ゲートの存在が多かった。
ゲートとはアイリス星人が彼らの太陽系の隅で奇跡的に発見したブラックホールで、時空に干渉する入り口だった。
アイリス星人は繁栄の末期時代に、どこでもドアの入り口を発見したのだった。
この大発見と時を同じくして、アイリス星人は突如として現れたゲゲとの戦争に突入し、ゲートの研究は中止するはめとなってしまった。
時は流れ、
アイリス星人の技術を吸収したオニキス星人と、この銀河を長く旅していた蜘蛛の様な有機体の生命体 ウェッブ星人が出会い、再び、遺産ゲートは開かれ宇宙大航海時代が始まるのだった。
ゲゲによって太陽を破壊されたオニキス星人はゲートの存在するブラックホールの付近に巨大な人工衛星を建設し、この人工星に移住する。
オニキス星人はゲートの研究を開始し探求したが、ある一線を超える事が、どうしても出来なかった。
ゲートの入り口に突入すると出口は無数な存在した。
入り口は一つだが、出口は無数に存在した。
オニキス星人は硬質なケイ素生物を加工し、半生命の小型の無人の探索船を大量に生み出し、無差別にゲートに解き放つ。
無数に放たれた半生命探索船は強力な発信器の様な能力を持ち、無数の出口から飛び出し、あるものは消滅し、あるものは無計画に名前も分からない惑星に到着する。
こうして無数に放たれた強力な発信能力持った半生命探索船は自分の居場所をオニキス星人たちに知らせるのだった。
あるものは一万光年、あるものは十万光年、あるものは百万光年、あるものはもう その強力な発信能力が届かないほどの彼方に。
時間の概念がない移動であった。
しかし、オニキス星人科学はこのゲートを使いこなす域まで達することが出来なかった。
強力な発信能力の半生命の能力で位置情報は取得出来たのだが
生物科学には卓越したオニキス星人であっても、未だに光速を超える飛行物をつくる科学がなく。
破壊的なゲートの往復移動に耐える鉱物、人工物、いずれも製造出来ず、かろうじて送り出すことは出来ても、戻す方法がなかった。
片道切符の有人飛行には程遠い状況だった。
これを打開したのが蜘蛛の様な炭素系生命体のウェッブ星人の協力であった。