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宝くじで10億当たった結果www  作者:
1章 10億受け取りまで
3/38

流れ

「ゆるふわ」佐藤沙里

「白ギャル」マイ

に続き「姉御系」リナ


男性は

「インテリ(風)」大学の同級生 田中

気付けば日は上り、翌日の午前10時になっていた。AMAZEは昼はカフェ営業もしているため24時間営業だ。他にも終電を逃して寝ているサラリーマンがいる。


マイは2時には帰り、その後は気の強い「姉御系」のリナが接客に当たっていた。


俺は気の強い女性は苦手なので、リナは年下だがあまり話すことなく田中と話しながら酒を飲んでいた。


相手が田中に限らず、話すのは大体、現実から逃げたいという話題だ。


俺はいつの間にか酔いつぶれて寝てしまった田中を起こし、店を後にした。


頭が痛い。酒なんて飲まなければよかった。


やはり飲酒は自傷行為だ。

深酒をするといつもそう思うが、酒をやめられないあたり、俺は凡人なのだろう。


田中と俺は互いに肩を貸し合って駅に向かって歩く。

話す気力もない。


すると田中が突然

「おい!あれだ!」

と叫んだ。目線の先にはどこにでもある小さな宝くじ売り場がある。


「おい、街中で叫ぶなよ」

タダでさえ朝から酔っ払っていて悪目立ちするのに、これ以上目立ちたくない。


「宝くじ買うぞ!」


「ご勝手に」


田中は売り場の横に置いてある用紙を見た。

「1番金額の高いやつは……これだ!」


手には、7つの数字を選ぶタイプのアレ。


本気で当たると思ってるんだな…やれやれ……

と呆れた俺だったが、二日酔いかつ徹夜で判断力の鈍っている俺はふと、ある考えがよぎった。


ーー田中の流れ…あるんじゃないか?


麻雀だろうがパチスロだろうが、勝ち始めると面白いように勝てる。

既に10万円とはいえ、田中は勝つ流れに乗っている。まぁ、まさかな。


「おい"俺"、お前も買えよ。ニートすんだろ?」

と、数字を選び終わった田中が聞いてくる


「お前の流れに乗りたいから、お前の選んだ数字なら買う」


「だめだろそれは!」


「じゃあ買わない」


「……まぁ、こんな数字当たるわけねぇか。ま、一緒に夢見ようぜ!」

と田中が自分の用紙を渡してきた。


「あぁ。」

用紙を受け取ってから後悔した。

当たるわけねぇじゃん。


しかし、言った手前どうしようもないので買う。


「300円ね」

と愛想の悪いオバサンが言う。

売り場のオバサンが大抵独特の雰囲気を放っているのも、俺が宝くじを買わない理由の一つだ。


ーーあぁ、300円。牛丼食えたな…


そんなことを思いながら俺は300円と別れを告げる。


田中はその後、

「そうか!1枚だけ買っても仕方ねえや!お前が止めてくれたのが運命なんだよ!」

と買う枚数を10枚に増やしていた。


……睡眠不足は人を馬鹿にするようだ。


俺は買った宝くじを財布にしまい、田中とは逆方向の電車に乗り、帰路についた。


家につく頃には、宝くじのことなどすっかり頭から抜け落ちていた。

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