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宝くじで10億当たった結果www  作者:
1章 10億受け取りまで
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プロローグ

"俺"はスマホの画面を見て愕然としていた。


まさかそんな馬鹿な。


手が震え、胸の奥が苦しい。

呼吸を落ち着かせようとしても、意思に反して息が上がり、瞳孔が開いているのを感じる。


思考がまとまらない。


何度も番号を確認したが、間違いない。

画面には手元のものと同じ数字が、7つ並んでいる。


もう働く必要もない。

欲しいものを我慢する必要も、いかなる努力、苦悩ともオサラバだ。

平凡な25年間の人生に終わりを告げるんだ。


俺は、今この瞬間に、


人生「アガリ」したんだ。 




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


…まぁ、そう思ってた時期が俺にもありましたって話。

あれから結構経つが、俺の人生で1番濃い時期だったと思う。


映画や小説、漫画、フィクションの世界にはそんな物語は溢れているが、

フィクションはせいぜい2時間で終わってしまう物語、言わばファンタジーだ。


「事実は小説より奇なり」って言うだろ?

実際に10億円使うのにどれだけかかると思う?

お前らの夢、欲しいものって何だ?

車も、女も、土地も、大体のものは1億円すらしない。


リアルな「宝くじ当たった奴の末路」をこれから記していく。

これがフィクションなのか、ノンフィクションなのか。

信じるか信じないかはお前次第だな。


とりあえず話は当選日からさらに1週間前に遡る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「……あー、帰りてぇ…」



もう人がほとんどいない薄暗いオフィスに声が響く。


色あせたスーツに、磨り減った靴、時計も安物で、心做しか髪も年にしては薄い気がする。

いや、これツムジだよな?まだツムジの範囲だよな…?


とにかく仕事を終わらせなければならないのに、どうしても集中出来ない。


それもそのはずだ。時刻は既に午後9時を回っている。

当然残業代は出ない。


まぁ俗に言うブラック企業ってやつだ。

今どき珍しいもんじゃないだろ?

同級生も大なり小なりブラックな環境で働いている。

俺だけじゃないんだ……


それなりに生きてきて、大学もそれなりのところを卒業した。

就活もそれなりにして、それなりの企業に入った。


「現実なんてこんなもんだろ」

ってどこかで諦めていたのかもしれない。


「あーあ、こんな時にコーヒーでもくれる可愛い後輩でもいればなぁ…」

そう呟きながら、後輩の佐藤沙里のことを思い浮かべる。


いわゆる「ゆるふわ」で、誰にでも笑顔で接するオフィスの花だ。

見た目の良さからか、会社の受付を任されている。

来客がいない時は掃除や雑用をしていることが多い。


彼女は絵に描いたような「ゆるふわ」でインスタのフォロワーは3000人を超えるプチインスタグラマーだ。


俺も匿名でインスタを使っていて、こっそり彼女をフォローしている。

さて……沙里は何してるのかな…


ネトスト気味に彼女のインスタをチェックするのが日課だ。

今日は二丸グループの若い商社マンとの合コンらしい。

まさに「ゆるふわ」


「ふん、25歳の収入なんてどこも変わらねーっての」

と愚痴をこぼす。


まぁ彼女のような「ゆるふわ」は俺なんて眼中に無いだろうな……


当然のように美男には美女があてがわれ、当然のように余り物同士でくっつく。

美女と野獣はファンタジーの世界だけだ。


そんな風に世の中を悟ったようなことを考えるのが習慣になっていた。

自己防衛の一種なのかもしれない。


「さてと…こんなもんか」


何とか仕事をひと段落させて帰路につく頃には日付が変わっていた。

会社から自宅まで、電車で30分の距離だ。終電を逃すわけにはいかない。


俺は急いで会社を出て駅に向かった。

お読みいただきありがとうございます。


10億って大金ですが、小説のようなファンタジーの世界ではかなりシビアな金額です。


いっそ1千億あれば、島を買うとか、バトロワを主催するとか、宇宙に行くとか、国を作るとか、何でもできそうなわけですが、


10億という帯に短し襷に長しを体現したような金額では、非常にリアリティ要素が色濃く出ます。


まぁ、ノンフィクション作品くらいの感覚で読んでいただければ幸いです。


また、執筆中は基本的に酒を飲んでいます。

その上、主に1日の終わりに書くことが多いため、

特にその日更新分の後半部分になると文章やプロットが適当になる可能性がありますがご了承ください。

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