瀬田直也、勉強中
○世界に影響を与えている国
世界には以下の五つの主な国がある。これらの国についてはここ百年、名称が変わっていない。
ヴュルテン
アキツ
セイカ
ベーエル
ホラズム
大陸の中央にある大砂漠を中心に西にヴュルテンとベーエル、南にホラズム、北から東にかけてセイカ、東の端にアキツがある。
この五つの国で世界に大きな影響力を与えている順に記載するとセイカ、ヴュルテン、アキツ、ホラズム、ベーエルとなる。
セイカが一番のは言うまでもなく魔法で繁栄した王国であるからだ。魔法を使い国を豊かにし、軍事力も魔法を用いているため世界で最強を誇る。対外戦争を度々起こしていたが消滅事故(「消滅事故について」を参照)により、各国と休戦協定を結ぶ。それ以降積極的な対外戦争を行なっていない。
ヴュルテンは帝国であり、軍事力に関してセイカに引けを取らない力を持っている。魔法が発見されるまでは兵器を用いた最強の国。魔法が発見されてからは軍事力はセイカに次いで二番手に成り下がったが、鉄鋼の産地であるベーエルと同盟という名目で支配下に置き、魔法に対して兵器で対抗している。
セイカとは隣接しているため、休戦協定を結ぶまでは両国国境では戦闘が頻繁に起きていた。
アキツは領土は五つの国の中で一番小さな王国だ。軍事力は先述のセイカ、ヴュルテンに劣る。しかし魔法を使うための液体金属「ミズカネ」が多量に産出される国のため、各国から一目置かれている。
またアキツは全ての魔剣の雛形である「トツカノツルギ」を作成し、世界中にある魔剣を管理している。
魔剣については下記「魔剣について」を参照。
ホラズムは連邦国家である。実態はは各領土を所持する領主に任せ、領主の中で力のあるホラズムが連邦の代表となっている。
領土拡大の考えは低く、領主達が自身の領土の管理することに重きを置いている。ただし軍隊を持っていないわけではなくセイカ、ヴュルテンの国境に近い領主の土地になればなるほど自己防衛のための軍隊を持っている。
ベーエルは先述したがヴュルテンの属国となっている。鉄鋼の産出、鉄の精製技術は世界一である。良質な鋼鉄を欲するヴュルテンとの戦争に敗れ、支配下にされた。反乱は幾度かあったが、現在のところ全て鎮圧されている。
アキツの「トツカノツルギ」の作成にベーエルの技術が含まれていると噂があるが、地理上最も離れている国家同士であり、確証はない。
他にも小国があるが、特筆して記載することがないため省略する。
◯魔法の発見について
魔法について語るためにはまず魔力、そしてミズカネについて説明をしなければならない。
魔力の存在は魔法が発見される以前から確認されていた。手品師や呪術師などの人間がその類である。
彼らは魔力を使い、物理現象や自然現象を超越した能力を発揮していた。しかしその能力の使用はミズカネを媒介にしたものではなかったため、無理矢理に体内の魔力の引き出し、魔法を使用していたと考えられる。無理矢理な魔力の使用は使用者の生命を脅かすものだ。現在でも魔力の酷使、及び魔法以外での魔力の使用で早世する人間は多い。
ミズカネは最初に確認されたのはセイカだった。
危険生物が住まう山や人間の住むことのできない瘴気の強い地域で発見され、触れるだけでも皮膚が爛れることから「毒性の強い金属」の異名を持つ。近似していた水銀の別称「ミズカネ」の名称を付けられた。
常温で液体の金属だということでミズカネは研究の対象となり、魔力を込めると不思議な現象が起きることを発見した。
この「不思議な現象」が魔法の始まりである。
なお「不思議な現象」による魔法の発見とは、机の上にこぼしたミズカネが偶然漢字を表し、そこに魔力が込められたとされている。
○消滅事故について
今から百年以上前、セイカの首都にて魔法の実験による事故が発生した。
この事故により首都の半分が消滅。死者・行方不明者は十万を越えたとされている。
事故原因の詳細は当事者の死亡により確証は得ることができていないが、当時魔法が発見されてからそれほど経過していないことから考察すると、使用した漢字に誤りがあったとされる。
(使用した漢字については現在でも不明もままである)
大国セイカでの魔法による事故は大陸全土を揺るがした。日常で文字として使っていた漢字が事故を発生させ、またどの漢字で発生した事故か分からないためである。
ミズカネを用いず日常で漢字を使うことに問題はないのだが、問題はミズカネは誰でも容易に手に入れることができる点だった。
ミズカネを手に入れ興味本位で魔法を使い、その魔法がセイカの首都を消滅させた魔法だったらどうなるのか。
そのことを想像し、当時の人間たちは恐怖したことだろう。
「漢字は魔法を学ぶ者の文字とせよ」
世界会議が行われ、各国でその指示が出された。結果漢字は「魔法で使う文字」とされ、日常で漢字を使わないように義務付けられた。
一方で日常で使用する文字は「ひらがな」「カタカナ」となった。
日用文字から漢字が消えた瞬間である。
◯魔剣について
大量生産武器「トツカノツルギ」に一定量の魔力を込めることによって変化する魔法の剣。原理は生産国のアキツが公表していないため不明。
魔力を込めた人物によって変化は異なり、多岐にわたる。現在確認している魔剣は五十以上ある。どのような魔剣に変化するのかは決めることができない。ただし魔力を込めた際の所有者の意思が要因となり、変化していると考えられる。
下記に判明している魔剣の中で有名なものを上げておく。
なお、他の魔剣の詳細については別途資料を参照のこと。
所有者の血を啜り、強化する魔剣「フルンティング」
どんな傷をも癒す、回復特化の魔剣「アゾット」
倒した敵を使役し、百鬼夜行の軍となる魔剣「エペタム」





