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詩集  作者: 石井至
6/14

君の不在

どうしたらいいんだろう

君のいなくなった穴が

埋まらないんだ


誰もかわりはできない

夕暮れ

一人

車を運転していると

不意に涙が溢れてくるんだ


僕より他に

君の不在を

悲しむに相応しい人がいるんだ

僕などが泣くなんて

僭越過ぎるんだ


どうして泣いてるのと言われそうだ



だから僕は

人前では泣かなかった

誰かに悲しみを

打ち明けることもしなかった

思いきり泣いて

共に悲しみたかった

想い出話しをして忘れたかった


僕しか知らない君の表情

あそこで悲しんでいるあの人に

聞かせたいよ

あなたをとても愛していると言っていたと

伝えたい

でもそれすらできないままでいる


僕しか知らない君の思い出


僕より他に

君の不在を悲しむに相応しい人たち


誰にこの悲しみを

ぶつけたらいいんだろう

君への恨み事を

君に祈るしかないんだ


まさか

こんな気持ちになろうとは

いつまでもいつまでも引きずって

僕は思い出すたびに悲しくなる

僕が悲しんでいることを

あの人に伝えたいけれど

それすらできないでいる


日常生活の中で

ふと思い出す

溢れてくる涙に溺れそうになる


もちろんもうすっかり立ち直っている部分もある

そういう状態で暮らしていて

それでも時々思い出す


僕より他の

君の不在を悲しむに相応しい人々


どうしたらいいんだろう

誰もかわりはできない

悲しんでもいいんだろうか

誰もかわりはできない

どうしたらいいんだろう

悲しむべきではない

どうしたらいいんだろう

誰もかわりはできない

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