遠く/詩/距離
●遠く
僕ら、すごく遠くまで来ました
ひどく遠く
振り返るのが怖いです
僕ら、こんなところまで来ました
こんなところまで
戻る道はないです
僕らの進む目の前に立ちはだかる無数の困難を
越えていきます
僕らは、越えていきます
小さな失敗に戸惑う前に
僕は自分を見つめる必要があったのです
挫ける気持ちこそが敗因なのです
手元にあるすべてのものを投げて
解き放ってしまわないといけない
●詩
この街を捨てたとき 僕は君のことも捨てた
お別れも言わずに
会えば また離れられなくなるだろう
そのことは何回も証明されていた
発展性など求めないけれど
苦痛なのはあの先行き不透明感
煮詰まりだした関係と倦怠感
君は先に逃げ出した
僕が追いかける関係
切なく思い出すのは罪なのか
僕の傲慢なのか
それでも
本気で会いたければ会えたはず
そのヒントは掃いて捨てるほどあったはず
僕らはすっかりおとななのだから
たどり着くことはたやすかったのに
結局僕は捨てられたのだと
何年も経って思い出すのは
僕の傲慢なのか
この街を捨てたとき 僕は君のことも捨てた
何も見えなかったけれど 未来を信じた
●距離
あのとき
あなたの手の先をみていたんだ
やわらかな指先を
触れてみたくて その距離の大きさに焦れるよ
追いかけても追いつけないこの空間
心の距離
体の距離
僕ら すべてにおいて離れすぎているね
いつか手にできると思って手放したものが
二度とその姿すらおがめないとわかるんだ
心の距離
体の距離
考え方の違い
感じ方の違い
僕ら すべてにおいて離れすぎているね
判断の間違いは
ずっとずっと先にならないとわからないから
僕はただ手を伸ばすよ
心の距離
体の距離
そばにいても埋められない孤独感
僕ら すべてにおいて離れすぎているね
それでも触れてみたくて
その距離の大きさに焦れるよ
それでも触れてみたくて
僕は手を伸ばすよ