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詩集  作者: 石井至
5/14

遠く/詩/距離

●遠く


僕ら、すごく遠くまで来ました

   ひどく遠く

振り返るのが怖いです


僕ら、こんなところまで来ました

   こんなところまで

戻る道はないです


僕らの進む目の前に立ちはだかる無数の困難を

    越えていきます

僕らは、越えていきます


小さな失敗に戸惑う前に

僕は自分を見つめる必要があったのです

挫ける気持ちこそが敗因なのです

手元にあるすべてのものを投げて

解き放ってしまわないといけない







●詩


この街を捨てたとき 僕は君のことも捨てた

お別れも言わずに

会えば また離れられなくなるだろう

そのことは何回も証明されていた


発展性など求めないけれど

苦痛なのはあの先行き不透明感

煮詰まりだした関係と倦怠感

君は先に逃げ出した

僕が追いかける関係


切なく思い出すのは罪なのか

僕の傲慢なのか

それでも


本気で会いたければ会えたはず

そのヒントは掃いて捨てるほどあったはず

僕らはすっかりおとななのだから

たどり着くことはたやすかったのに


結局僕は捨てられたのだと

何年も経って思い出すのは

僕の傲慢なのか


この街を捨てたとき 僕は君のことも捨てた

何も見えなかったけれど 未来を信じた






●距離


あのとき

あなたの手の先をみていたんだ

やわらかな指先を


触れてみたくて その距離の大きさに焦れるよ


追いかけても追いつけないこの空間

心の距離

体の距離


僕ら すべてにおいて離れすぎているね



いつか手にできると思って手放したものが

二度とその姿すらおがめないとわかるんだ

心の距離

体の距離

考え方の違い

感じ方の違い


僕ら すべてにおいて離れすぎているね


判断の間違いは

ずっとずっと先にならないとわからないから

僕はただ手を伸ばすよ


心の距離

体の距離

そばにいても埋められない孤独感


僕ら すべてにおいて離れすぎているね


それでも触れてみたくて

その距離の大きさに焦れるよ

それでも触れてみたくて

僕は手を伸ばすよ

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