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詩集  作者: 石井至
4/14

咲かない季節/捨てる/10年

●咲かない季節


桜の季節はすぐに過ぎてしまうけど

人は生きていける

美しいものを失って

僕らは自由だ


盛りの時期がいつか分からなくても

僕はいつまでだって待っていられる

今が盛りでなく冬だと感じているなら

花の咲く時を待とう


間違わずに生きてさえいれば楽しいことに出会える

僕はただ目の前の日々を大切にして暮らす

憂鬱な出来事は忘れ去ることができる

次々に悲しみに襲われたとしても

それはいつまでも僕を縛ることはできない


いつだってすべて自分のものにできる

ただいつもの場所に戻って深呼吸をすれば


強くなる必要はないんだ

涙を流しても構わない

ただ見失わずに

自分が幸せになれるよう最大限努力する

聞きたくないニュースが流れていたら

耳を塞ぐだけで別の世界へ行ける


桜が咲いていない今だけど

人は暮らしていける


盛りの時がいつか分からなくても

僕は待っていられる


憂鬱な日々からは必ず抜け出せる

ただ日々を大切に暮らすだけで

強くなる必要はないんだ

立ち上がって

日の光を浴びるだけでいい


美しいものを失って

僕らは自由だ





●捨てる


一切合財を捨てたことを僕は後悔しない

街を離れた

この街は好きだった




●10年


10年前の僕はほぼ無一文で

部屋からもあまり出ずに暮らしてた

窓から見える景色の中に大きな木があって

なんとなくそれが支えだった


今の暮らしぶりを彼に伝えたら

やる気が出るだろうか

それともやる気を失うだろうか

どちらにしろ

伝わらなくて良かったように思う


将来は見えない方がいい気がする

10年前のことを思い出すとそう思う




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