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詩集  作者: 石井至
3/14

贋作/離れる/文字の通り

●贋作


全部嘘だと気がついた

そして

この目に映る全てが嘘だと思った


この空もニセモノかも

15年間が無駄でとりかえしがつかない

そんな気がした


ああ

あれも多分ニセモノだ


それからずっと

怒りの中で暮らしてた

何もかもが苛立たしく

全て消えろと願ってた


君に出会うまで



君に出会って何もかも

偽物でも良いと思った

ただ自分の心の中に

真実があれば良いように思えた


ただ君に嘘をつかずに

生きていけたらいいような気がして

ただ君に嘘をつかずに

それだけを守れるのなら




●離れる


逆転満塁ホームランという感じ

目の覚めるような一発で

世界よ変われ


少なくとも僕よ変われ


大事な物は

数えるくらいしかない

それだってよく見れば

大したことない

さあ手を離してみて

そっと離れてみて

ぎゅっと

そっと


ガツンと殴られたような感じで

さあその衝撃で

次へ進め

進め進め

執着心で濁るな

大丈夫

必要なものは自然と

あとからついてくるもの


さあ手を離して






●文字の通り



僕のつぶやいている言葉を

少しずつ千切り取れば

それは見えてくる

風に飛ばして

バラバラにして

誰かに拾われるまで飛んでいけ


新しいパズルにみんな夢中になる


君はそれをひとつも手にすることができずに焦り

僕に話しかけてくるが

残念

僕は自分の言葉など覚えちゃいない

あははと笑って

ひらひらと手を振る態度が君の勘に障り

僕を消してしまいたくなるのだろうか

残念

僕が消えても君の苛立ちは消えはしないのさ


新しいパズルにみんな夢中になる

僕の仕掛けたパズル

僕が覚えてもいないフレーズ

誰かが僕を追いかける

間違い

僕の中に答えはない


からっぽなのさ

文字の通りだから

さあ追いかけてみて

無駄足と分かるのさ

さあ

消してみて







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