表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/813

名も無き星からの船 その六

自分にジュヴナイルの才能があったとは、自分でも驚きです。

でも、このジュヴナイル文体、本当に書きやすいんですよ。


怖い。

お父さんもお母さんも、お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも、怖い顔をしてる。


「ど、どうしたの?僕、正直に打ち明けたよね。悪いこと、したのかな?」


お父さんが、静かに言った。


「坊や、今まで私達は家族として暮らしてきたが、実は、我々は、誰一人として本当の、先祖たちが言う「家族」じゃない。船内に居住するには、計算機の相性検索によって「家族」と認定された者達が一緒に暮らすだけなんだ」


とんでもない事を言われた。

更に、お母さんが口を開く。


「この船で暮らしていくためには、様々な決まりがあるのよ。船内の平和を保つことも、その1つ。私達は、私達の中から、私達と異なった能力や、超知能を持った者が生まれることを、よしとしないの」


お祖父ちゃんも、続けて、


「坊や、できることなら、お前に正式な名前が付けられる「成人の日」まで、お前を儂らの子供、孫として育てたかったのは本当の気持ちだ。だけど、こうなっては仕方がない。婆さん、保安班に連絡をとれ」


僕は、打ちのめされていた。

家族じゃなかった!

「家族ごっこ」してただけだなんて!

もう、逃げる気も起きない。

保安班に、どこへでも連れて行ってもらおう……

最後に、聞きたいことがあったから、お父さんに、


「僕、これからどうなるの?処分されるの?」


お父さんは、悲しい顔になった。

最後に、お父さんとして話してくれるのかな……


「分からない。我々の誰もが、保安班に連れられていった「新しい者達」が、どうなったかを知らされないんだ。坊やのような「新しい者達」は、数年に一度か二度、現れる。そして、保安班に連れられて、何処かへ行く。それだけが分かっていることだ」


そうか、僕みたいな能力を持った人たちは、ちょくちょく生まれてくるんだな。

その全員が「処分」されるんだろうか?

それとも、普通の人とは隔離されて、どっかの居住区の隅に押し込められるんだろうか?

僕は、椅子に座ったまま、保安班の人たちが来るのを待った。

もう、何をするのも面倒だった。


保安班の人たちが来た。

真っ黒な服を来て、真っ黒な眼鏡をかけ、真っ黒な帽子を被っている。

僕達は、保安班の人たちを「死神」って呼んでたけど、そのままの名称だったんだな、実は。

両腕を持たれて、立たされた。

僕は、最後の最後に、一言だけ聞きたいことを、


「お母さん、もしお母さんが、僕の本当のお母さんじゃないのなら、僕の本当のお母さんは誰なの?」


お母さんは、悲しそうな目で答えてくれた。


「あなたに本当に意味での「お母さん」は、いないわ。この世代宇宙船では、赤ちゃんは全て、計算機によって精子と卵子を人工授精させた後、機械母体で管理されながら大きくなって生まれてくるのよ」


僕は、この瞬間、本当の意味で絶望した。

そうか、僕にはお父さんもお母さんも、いなかったんだな。

うなだれたまま、僕は保安班によって、何処とも知らない場所へ連れて行かれた……


処分されるのかな?

と思ったら、保安班の人たちは、居住区6から出て、そのまま中央プロムナードを歩いて行く。

あれ?

今、逆噴射状態になってるから、このまま行くと、予備として残されてるはずの、居住区10へ着いちゃうぞ?


居住区10って、あまりに船尾に近いから、危険を避けるために居住者はいないはずだけどなぁ……

僕は、そんな事を考えながら、保安班に連れられて居住区10の出入口へと向かっていくのだった……


「ここが、君の新しい居住区となる。心配するな、予備の居住区じゃないぞ、先輩たちがいるからな」


保安班の人たちが初めて喋った!けっこう優しいけど、ここに先住の人たちが居るって?!


僕は開いた機密ハッチのような防爆構造の大きなドアを通り、居住区10へ進んでいった。

どんな人たちなんだろうか?

僕の仲間、なんだろうか?

それとも……

期待と不安に満ち溢れた心で、僕と保安班は、居住区10の中を進んでいく。

人気はないみたいだけど、視線は感じる。ずいぶんと多くの人が居るようだな。


あまりに書きやすすぎて話が進まないんですけどね(この回で半日過ぎてません)

強引にでも日付を進めるか、それとも、このまま行くか。

悩みどころなんです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ