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アンドロメダ銀河 その11

今回も興が乗ってしまいました。

こうなると、話が進みません。

会談と会議の模様、そして銀河系へ戻ったフロンティアの話は、次回以降になりますので、ご承知下さい。


銀河系代表としてアンドロメダ銀河の支配勢力(アンドロメダ銀河皇庁と言うからには、アンドロメダ銀河は帝国の形態をとっている全体主義国家ということだろうか)に会うために中型搭載艇を用意して中枢星域に乗り込んでは来たものの……

正直、俺達は、この状況に困惑している。


「なあ、プロフェッサー。この状況、どう解釈する?」


「はい、我が主。予定では、もう既に平和条約を締結するための会談と会議が行われていても不思議じゃないのですがね」


「やっぱり、プロフェッサーも、そう思うか。なんだろうね、この熱狂的な歓迎ぶり」


そう、俺達は、熱狂的を通り越しているんじゃないかと思われる、神の降臨を目にしたような人々の騒ぎ様を見ているのだった。


「これって、あれか?もしかして。やっぱりアンドロメダ銀河の住民の先祖も、先史文明からの時間移民だったのかね?」


「肯定するしか無いかと、我が主。遥かな故郷、もう永遠に届かないと無理やり納得した遠き銀河系よりの使者。もう、デウスエクスマキナ(機械じかけの神)の登場するオペラみたいなもので、この息苦しい政治体制を、神の力で一気に覆すことができるとでも思っていたりするのでは?」


おいおい、また神様扱いかよ。

もう、勘弁して欲しいんだが、実のところ。


しかし、それが分かっただけでも、こちらのポイントである。

神なら神らしく、この宇宙鎖国政策を止めるように導いてやれば良いのか。


そんな話をしながら、しばらく、中型搭載艇の中で待っていると、ようやく歓迎委員会なる集団が現れた。

やはり役人の集団らしく、中型搭載艇を囲んでど派手に騒いでいる市民たちを強制排除しながら、こちらへ進んでいくる。


手荒なことはしていないようだが……

そうか、中枢星域の市民だから、おそらくは皇帝の血縁者や、高官の家族もいるだろうから手出しは最小限にしてるのか。


だが、人の波状態になっている中型搭載艇の回りの人々を、できるだけ傷つけずに排除するなどというのは、かなり困難な事だ。

案の定、排除のための人手が足りなかったと見えて、応援を呼んで、ようやく俺達クルー4名(ロボット1名、生命体3名)が搭載艇の外部扉を開けて外に出られるようになる。


「お出迎え、ご苦労です。さっそく、会談と行きたいのですが?」


歓迎委員会の代表らしき人物に話しかけると、


「もう少々、お待ちいただけますか。あ、宇宙船での待機ではなく、これからご案内します、王庁宮殿でくつろいでいただく事になっておりますので」


まあ、仕方がない。

大規模なセレモニーとか準備してるんだろうな、こりゃ。


俺達は、真っ青な絨毯を敷かれた宇宙港に降り立ち、エアカーのような(空気噴射じゃない、重力制御で浮くようだ)車両で、王庁宮殿とやらへ運ばれる。

皇庁宮殿に入ると、さすがに好待遇だなと思わせる一室に通される。


さりげなく2D絵画が飾られていたり、3D彫刻や、その上の多次元アートまで、銀河系から来た俺でも、これらには感動をおぼえる。

しかし、


「銀河の暗黒空間をはるばる渡ってきたら、くつろげるはずの部屋で監視や盗聴されてるなどというのは如何なものかなぁ?」


大声は出さずに普通に喋ってやった。

俺やライムのテレパシー能力を舐めてもらっちゃ困るよ。


機械の存在は分からんが、それを操るものの考えは読めるんだぜ。

それからしばらくして、盗聴や監視をする人物の思考が無くなった。


上の方から、あわてて諜報作業を全て中止するようにとお達しがあったんだろう。

数時間後、ようやくドアノッカーが鳴らされる。


「お待たせいたしました。皇帝陛下、及び、御前会議のメンバーが全て揃いましたので、銀河系評議会代表殿を、お迎えに参りました。こちらへどうぞ」


執事(なのか?服装と雰囲気は、それだが)に案内されて俺達はアンドロメダ銀河の皇帝と、その御前会議に臨む事となった。

まあ俺にとっては幾日も腹の探りあいする会議が続くよりスパッと一気に決定される頂上会議のほうが良いけどね。


さて、声を掛けても届かない(会議机の、ずーっと奥にいる、薄暗くて見えないところにいるのがアンドロメダ銀河皇帝陛下らしい)から、ここは一発、恒例のテレパシー宣言と行くか!

そう思った途端、


『ようこそ、アンドロメダ銀河帝国へ。朕が、このアンドロメダ銀河の皇帝である』


おおっ?!

俺に匹敵する強さではないが、少なくともライムや太陽系宇宙軍のエスパー隊に匹敵する。先手をうたれたか。


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