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大団円 其の一 ガルガンチュア、奇妙な空間ポイントへ迷い込む

さぁ、ついに最終話へとなだれ込む、大団円の話が始まります!

今までの伏線すら全て巻き込むような話になる予定なのですが、あまり期待はせずに待っててください(作者はリアルに裏設定を使い切ってるので、一話書くのに時間がかかるんです(泣))


ガルガンチュアは何処とも知れぬ宇宙空間にいる。

数時間前から。


「マスター、この空間ポイントは今まで跳んできた銀河や銀河団、そして、超銀河団すら含めて何処の空間ポイントとも性質が違うようです。私の持つ、どのセンサーも異常との数値を表示します」


フロンティアが、ついに降参という声で異常事態だと伝えてくる。


「フロンティア、お前の持つセンサーは銀河団までの宇宙空間ポイントを測定するためのセンサーだったな、確か。より高性能で、銀河団間ポイント以上の真空でないと測定誤差だらけというフィーアのセンサーは何を示している?」


楠見は、この異常空間ポイントに対するフィーアの感想を求める。

フィーアは?

と見ると何も言わず、目を閉じて何かに集中しているような……

しばらくして、ようやくフィーアが口を開く。


「マスタークスミ……この空間ポイントには本来、何物も近づくことは不可能なはずだった……この空間ポイントとガルガンチュアという特異な船、そして何より、この宇宙の本当の特異点とも言えるマスタークスミがいるという、まさに特別な性質を持つ者たちだけが近づき、この空間ポイントに存在する「特別な力、贈り物」を開放する権利を手に入れたことになる……マスタークスミ、よく考えよ。そして、決断したら迷うな。そなたの意思、決断が、この宇宙、世にも稀なる、拡張と収縮を幾度も繰り返すことによる無限の存在確率を目指す稀有な成功例の宇宙の可能性を変えることとなろう……」


そうフィーアが告げるように言うと、フィーア(船体ではなく、人間型ボディの端末のほう)はくずおれるように倒れてしまう。

同じく異常事態ということで、全ての船体端末が集まり全てのクルーも集合していたため、すぐにフィーアの収容とチェック、そして倒れる前に告げた謎の予言についてのブリーフィングを兼ねた会議が始まる。


「マスター、フィーアの告げた言葉の意味は何でしょう?あれは、この船とクルーと言うよりも、どちらかというとマスターに向けた言葉だったような気がしますが……」


フロンティアの発言に、楠見は答える。


「こればかりは分からんな。この異様な空間ポイントにいるだろう存在からの警告?あるいは忠告?なんだろうが、何を示すのか、どういうことを指すのか全く持って推理すらできない」


ガレリアが発言する、


「フィーアの具合を見てきたが、未だに目覚める兆候すらない。本体との連結も外されたようで、フィーア本体すら戸惑っているようだ。ちなみに、倒れる前も後も、本体のデータ収集は行えているようで、私の本体からデータを受け取ってきた……これなんだが」


会議室のビューワにフィーア本体が計測した、この異様な空間ポイントの測定結果が表示される。

ほとんど何の意味もないデータに思えるが……

楠見が、そのデータを見比べていると、妙な違和感に気づく。


「これ見てくれ。このポイントが異様なのは、これが原因だろう」


楠見が指差したのは、急な山形を示すグラフ。


「これって……重力の強さを表すグラフですよね?何だ、この急傾斜……あ、どこかで見たようだと思ったら、これってブラックホールの重力傾斜グラフです」


郷が指摘する。

それは、様々な銀河中心にあるような巨大ブラックホールではなく、極小の一点を表すもの。

その一点のみが重力の最大点となり、あとはその一点を守るかのように、全ての方面と角度からの侵入を防ぐかのように見える。


「そう。俺が変だと思うのは、こんなブラックホールがすぐ近くに存在する空間ポイントだと言うのに、ガルガンチュアに何の影響もないって状況だ」


全クルーが、楠見に言われて理解する。

もう、事象の地平線すら越えて内部に入っているような距離にある、ガルガンチュアと、変なブラックホール。

普通なら、逃げ出そうとして無駄なあがきをしてみるのだが、ガルガンチュアそのものに超重力の影響が全く見られないので、とりあえず、動かずに現在のポイントに留まることとする。


「さて……鬼が出るか蛇が出るか、それとも管理者たちか、全く別の存在か……もう少し待ってみて、何が起きるか見てみるとしようか」


楠見は、そう言って無意識に張り巡らせていたサイキックバリアを解く。

何が楠見たちを待つのか?

今までとは全く違う、最大の事件が楠見たちを待つのだった……


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