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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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ガルガンチュア、クルー募集 其の六

山積みだったトラブル案件は解消しますが、それに味をしめた情報部と宇宙軍が、二人に要らぬ頼みをすることとなり……はぁ(ため息)


そして、楠見親子のコンビが次々と、銀河統一政府にとって厄介と思われるトラブルを次々と解決していき……


「ありがとうございました、楠見元会長。デスクに積み上がっていた未解決の書類の山が、ようやく全て消えました……しかし、お二人だけで、鮮やかと言うには言葉が足りなくなるほどに見事にトラブル案件が、綺麗サッパリなくなりました。これ以外のトラブル案件でしたら、我が方の情報部に任せて大丈夫です。いやー、それにしても見事と言うにもほどがありますよ、この手際!こういう仕事を長年やってきたプロ集団でも手を焼くようなレベルの案件ばかりでしたが、よくも短期間で綺麗サッパリと消えるもんですね」


第一統制官が、楠見親子を前に熱弁している。

もう、出てくる言葉全てが、二人の成果を褒めちぎる単語ばかり。

太二くん、少し訂正しようと、


「統制官、元会長の肩書なら、こちらも同じです。こちら、私の養父ですよ。聞いたことありません?クスミインダストリーズに、本当の伝説になった会長がいたって」


え?

横にいるのは本当に執事だと思っていた第一統制官、驚く。

楠見と名がつく会長や元会長なら、初代から数十人いる。

しかし、伝説とまで言われるのは、楠見太二、そして、楠見糺くすみ ただすという名の、巨大コングロマリットとなるクスミインダストリーズの屋台骨を一人で造り、そして、今の社会の有り様そのものの基盤を作り上げ、そしてそして、あまつさえ、その頃に惑星で流行っていた格闘技の頂点とまで言われるほどの実力があったと言われる、本当の伝説的存在……

もしかして……


「あー……養父という話ですと、クスミインダストリーズ創設者にして、そのころの格闘界の頂点に君臨するとまで言われてた、あの「クスミ タダス」元会長でしょうか?いくらなんでも、今も生きているとは……そうか、三代目の会長が生きているということは、初代が生きていても何もおかしくないということですな……はぁ、私は今、生きる伝説の存在二人を前にしているわけですな」


笑いも乾いたものにならざるを得ない。

第一統制官も、この二人の前では、いつでも追い払われるか潰される運命の羽虫のようなものだ。

大体、第一統制官以下、統制官にはRENZが支給され、これが各統制官の精神力と言うか特殊能力、テレパシーを始めとするサイコキネシスや他の超常能力をも底上げしているが、これを統一政府に密かに融通していたのがクスミインダストリーズだ。

星の統一政府から星系統一政府、星間連合から銀河統一政府に至るまで、統一された政府には、このRENZを装着した情報部と軍のパトロール部門を統括したような現場担当の部員が欠かせなくなっているので、その意味でも今の銀河統一政府はクスミインダストリーズに裏では頭が上がらない。

まあ、統一政府が運用している宇宙船すら、その大半(99%以上)がクスミインダストリーズ製なので、表の顔も低くなければ運輸や宇宙艦隊、それこそ人員と貨物の銀河ネットワークすら動かなくなってしまうのは目に見えている。


第一統制官は、今更ながら、この二人をトラブル解決などに関わらせるべきではなかったという後悔の念に苛まれる。

危険?

そんなもの、この二人にあるわけがない。

それよりも、こういう厄介なトラブルが、現在の統一銀河政府にあると知られてしまったことが悔やまれる。

脅しや脅迫などという下世話な手を使わなくとも、クスミインダストリーズが裏に表に経済的・政治的圧力を少しかけてしまえば、こんなトラブルなど実は吹き飛ぶことが身にしみて理解できたからだ。

第一統制官?

そんな地位になっても、この二人に匹敵するような存在には、なれるはずもないし、到底無理だ。

今更ながら、目の前の二人が放つオーラと言うか存在感のようなものが、自分とは違いすぎる。


「で、ですね。情報部と宇宙軍の方からですが、ぜひとも部隊員の教官としてお越しいただきたいと、とてつもない数の要請が来ているんです。現場対応は、ここまでとしていただき、なにとぞ、若いものや中堅、指導部まで、お二人の気の済むまでで良いので、様々なことを教えてやって、そして、鍛え直してやっていただきたいと……いかがでしょうか?元会長のお二人に依頼する内容ではないとは承知していますが、あまりに見事なトラブル解決に、少しでも教えを請いたいと願うものが多いのです」


楠見と太二くん、顔を見合わせる。

まあ、このへんはテレパシーなど使わなくとも、義理とはいえ親子。

太二くんが口を開き、


「分かりました。まあ、私一人では持て余しそうですが、幸いにも父と二人でとのお話ですので、受けさせていただきます……ただ、私と違って、父の教官としての教育方針は、かなり厳しいものがありますので、それさえ承知していただけば……」


第一統制官、それで少しは察したのか、


「あー……ええ、それでも結構です。現場の部員や実戦部隊が多いので、それでもう少し、情報部や宇宙軍、それ以外でも申し出があれば、教導官としてご指導をお願いしたいと」


それには、楠見が答える。


「分かりました……まあ、長年やってきた教育法がありまして、実戦部隊としては非常に有用だと多数の現場で確認しております。やりましょう、我々で良ければ」


「そうですか!いやー、これで現場部隊や情報部のレベルが上がるなぁ、楽しみですよ」


第一統制官、この言葉を後で後悔することになるとは思ってもいなかっただろう(実際には非常に効果的に、生徒たちのレベルはグングンと上がったが……)


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― 新着の感想 ―
成果は上がるけど、精神的にダメージが(それこそSAN値がピンチになるレベルで。) 軍の屈強な実戦部隊の兵士たちが、トレーニング後には死屍累々状態だったとか。 瞼も口も半開き状態で、身動き一つできないほ…
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