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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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銀河のプロムナード 神の失敗?(人の望みは多種多様)

大団円の前だから書きたい、ガルガンチュアと楠見のやらかし譚(笑)

もう一話、ガルガンチュアの出てこないお話を……


ここは、どこの超銀河団とも銀河団とも分からないグループに属する、地球からは観測されたこともないだろう銀河。

しかし、ここにも宇宙をあちこち渡り歩く現人神の伝説が存在する。

いわく、その神様は現実に存在している。

いわく、その神様は時空も飛び越えることができて、銀河単位での大災害や大戦争に遭っているものたちに救いを与える。

いわく、その救いとは現世利益であり、必ず平和と安心・安全がもたらされる。

そして、その見返りを求めることなく、その銀河を去り、次の大災害や大戦争、巨大なトラブルを求めて行く……


「お父さん、ガ教団って何?都会にも田舎にも、必ずこの施設の建物、あるよね?」


無邪気に、子供が父親に尋ねる。

父は、子供に、こう説明する。


「ガ教団、正確にはガルガンチュア教団。息子よ、君にはまだ発音が難しいかも知れないが、ここの教団で信仰される神は、現実に存在しているんだ。我々の社会の基盤を作ってくれたのも、主神のクスミ様はじめ、その右腕のゴウ様、左に控えるマリー様、それを支えるエッタ様とライム様。この四柱に、神の守護神プロフェッサーという機械神がいて、これが主たる神々」


「え?お父さん、名前が違うよね。なぜ、その神々がいて、がるがんちゅら教団なの?」


「がるがんちゅらじゃない、ガルガンチュアだ、これは大事なことなんで間違いなく憶えるように。この神々が鎮座まします神の船、具体的に言うと宇宙船だね。この異形の超巨大宇宙船の名前がガルガンチュアで、これが教団の名前でもある。この神の船、どのくらい大きいのか分かるかい?」


「うん、がるがんちゃ、おぼえたよ。でもさでもさ、お父さん。偉大なる御神の座乗される偉大なる神の船という一節が、教団の休日学校で教えられるんだけど、どのくらいの大きさなのかは聞いたこと無いよ」


「そうか、まだ大きさの概念が分かる年齢には達してなかったな。ちなみに、この星、我々がいるこの星の大きさは普通に学校で習ったよね?」


「うん!直径1万2000キロメートルちょっとで、せきどうはんけい?が6300キロメートルと少しだって。ものすごく大きいけど、これでもがんせきわくせい?の基準での普通なんだって先生が言ってた」


「よしよし、賢いな、よく憶えてた。ちなみにガルガンチュアの大きさだが、異形と言われるように、この星みたいな球形じゃない」


「え?歪な形だとは教えてもらったけど、そんなに普通の形じゃないの?」


「そう、ガルガンチュアというのは、実は巨大な宇宙船が6隻合体してる超巨大な宇宙船。その主軸となるのは、神の座と言われるフロンティアで、直径5万Kmを超える大きさの球形。そのフロンティアを支えるように下に敷かれているのが神の座布団と呼ばれるオールドマン、これは長方形の立体形で、そうだな、息子よ、君のお昼のお弁当箱の巨大なものと思ってくれれば。長さは短い辺で3万Km超え、長辺では6万kmで、その厚さは5000kmであるという」


「それで二隻だよね、お父さん。他の船もあるんでしょ?」


「他には、神の頭上に座するフェルプス、神の耳と目と呼ばれるな。そして、右に座するはトリスタン、神の長き腕と呼ばれ、その打ち出す小惑星の塊は何物も受け止められない。左に座するはフィーア、神の拳と呼ばれ、その不可視の拳に捕まると、どんなものも小さな塊にされてしまう。あとは、神の後ろに座する、神の炎のガレリア。その吐き出す炎には、どんなものも焦がし、跡形もなく燃やし尽くすという」


「ふーん……ねぇねぇお父さん。ガルガンチュアの持ってる武器って、3つだけなの?その他の神様の船やフロンティアって神様の船には武器がない?」


「違うよ、これは憶えておきなさい。他の二隻、オールドマンとフェルプスに主砲と呼ばれる武装はないが、ガルガンチュアの主軸たるフロンティアには、時空間凍結砲という、その主砲の対象となる全てのものの時間経過を、それこそ対象の数万年が数分くらいの時間差になるという武器がある」


「時間の差?そんなものが武器になるの?」


「最強と言えるな。対象となる銀河や星の時間が百万分の一以下になるとすれば、相手を傷つけないし、相手が気づいた頃には、こちらは数年経っただけなのに、相手は数百万年も経ってるわけだ。何世代どころじゃない、前文明が滅亡して新しい文明が幾度も誕生して……これを繰り返してるんだぞ」


小さな子供に、この時空間凍結砲の恐ろしさは、たぶん理解できない。

父親は、あえて息子に教えなかったが、真に恐ろしいのは、この主船ガルガンチュアではなく、その搭載艇群である。

あまりに大きすぎるものは、対象が惑星以下であれば攻撃対象にできない。

それを攻撃対象にするのは、その搭載艇群。

母艦から大型・中型・小型・超小型と変化する搭載艇の使用する武器は、それぞれの対象サイズに向けられる。

殺傷可能なレーザーやメーザー砲、非殺傷ならパラライザーとスタンナー。

そして超小型搭載艇からガルガンチュアまで共通の、無敵の防御シールド機構。


「まあ、これは主神である現人神、クスミ様の座乗する乗り物だから。ただ、主神の力も凄いんだぞー」


息子が大人になる時、今の文明基盤を全てにおいて作り上げているのが、はるかな過去に到来したガルガンチュアだと認識するだろう。

そして、主神クスミという現人神の力が、もう宇宙的災害規模だという事実を知れば、このガルガンチュアが一定のポイントに永久に留まれない理由も推察できるだろう……


大きすぎる力は、好むと好まざるとに関わらず様々なものを呼び込んでしまう。

呼ばれたものが好ましいもの、その生命体と銀河にとり有益なものならば良いが、侵略者・略奪者すら呼び込んでしまう。


「かみさま、どうか、このうちゅうに、へいわと、あんぜんを……」


息子は、司祭や教団関係者に教わったとおりに、ガルガンチュアの像に祈る。

それで良い、それで良いんだ、息子よ。

欲深い願いは、本当に力のある神様に願ってはいけない……

平和・安全。

それだけの願いであれば、神はそれ以上の贈り物をしてくれる。

例えば、この私のように……

そう思いながら、父親は過去に神の霊廟と言われる場所へ入ったことを、後悔しながらも神に感謝する。

父親は、本来なら今この場所に立っていること、生きていることは不可能だった。

全身が病魔に侵され、とっくに死出の旅へ行っている。

それが教団の教皇に、どこからどうやってか伝わり、秘中の秘と言われるポイントへと招き入れられる。

青年時に、そのポイントへ行って通常のガルガンチュア像ではない、現人神の像と言われる特別な形の像に祈った……

数ヶ月後、青年の病は全て消え去り、加えて超人的な力と、もう一つ恩恵を授かる……


「俺、もう数百年生きてるんだよなぁ……この結婚と子供も、もう何一〇回目の経験になるかなぁ……」


青年期と全く変わらぬ姿、それは神の恵み?

それとも無謀な願いの代償だろうか?

自殺もしようと数十回試みたが、その度毎に生き返ってしまう。

青年に見える父親は数十年後に、母と子を残して失踪する。

残す財産は多いが、寿命だけは妻にも子にも分けてやれない……

大きすぎる神の愛は一人の人間には重すぎる……


この世に生ける奇跡の塊は、今日もどこかの銀河で生命を救い、星を救い、銀河を救っている。

不死の人間が一人くらい生まれていたって、それは神の責任ではない。

それは、その人間が心から願った願いなのだから……


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― 新着の感想 ―
伝道師として生活しろってことなのでは? 自覚なしでサイオニクスに目覚めていたりしていないのかな。
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