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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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巫女姫マリー、再び登場! その七

ついにクルーとして、五隻目の銀河団調査船が登場する回です。


「今のガルガンチュアの現状と構成を説明するよ。まずは、これを見てくれないか」


マリーさんに、そう言いながら、メインスクリーンに現状のガルガンチュアが、どうなっているかの構成図を見せる。


「あれ?もう物理的に接続されてないのね、ガルガンチュア。今は小さな星系?というには複雑な構成よね、これ」


マリーさんの感想。

うん、それも当然。

俺も郷も、最初、これをプランとして提示された時には冗談かと思ったから。


「中心に、一番大きなフロンティアを据えた。その周りを4隻の銀河団探査船たちが惑星のように回ってるってことだ。複雑なのは、その一つ一つの宇宙船に属する搭載艇収容専用円筒が、その各宇宙船を衛星のように取り巻いている構造になってる。色々と考えたんだが、この方式が一番、搭載艇群を効率よく使えるって話になってね」


そう、構成図を表示しているが、それは恒星系の縮小表示みたいな形になってる。

中心にフロンティア、その外側にガレリアやトリスタン、フィーア、オールドマン(最近、仲間になった銀河団探査船。一番古い宇宙船ということなので、オールドマンと名付けることになった。近代化改装は完了しているため、装備や搭載艇もフロンティアたちと同じく最新装備化されている。問題はエネルギー炉だったが、古いと言うだけで理論的には最新のフロンティアと同じだったため、換装は可能だった……まあ、それなりに時間は掛かったが)が最低100万kmの距離をおいて回ってる。

その太陽と惑星の基本構成に、各惑星の月(衛星)のように搭載艇収容専用円筒が回ってるってわけだ。


「4隻までは物理的な接続で大丈夫だったんだけど、それ以上増えると、あまりに各探査船間の距離が近すぎるって問題が発生することが分かってね。最終的に小さな恒星系のようにするのが一番って話になったんだよ」


話を聞き終えたマリーさんが質問してくる。


「それで、銀河団や超銀河団を渡る際に、この構成で問題はないのかしら?物理的接続の時には、それがエネルギーパイプのような役割もしてたんじゃなかったっけ?いくらなんでもフロンティア一隻だけのエネルギー炉だけじゃ、このミニ恒星系ごとの跳躍や超銀河団航行なんて無理じゃない?」


さすが数千年も一つの惑星で最高地位にあった人。

その都度、最新の技術情報も仕入れていたんだろう。


「それは大丈夫。改良された転送機がフィールドの中に超高密度のエネルギーまで含めて転送可能だってことが分かってね。それを利用して、このミニ星系全てが一つのエネルギー炉とみなせるようになってるんだそうだ……とはいうものの、エネルギーそのままじゃあまりに扱いにくいので少し存在平面をずらしてる。そうでないと転送時に瞬間的なエネルギー爆発状態になるそうなんで、それを回避するようだ……とは、フィーアたちから説明されたことで俺も実は完全には理解できてない。エネルギー転送の理論からしても、あまりに高度で基本を理解するのがやっとだったよ」


俺は苦笑いでマリーさんに説明する。

ちなみにオールドマンの近代化改装が終了して、ガルガンチュア全体としてのエネルギー量は以前の倍近いものとなっている。

フロンティアは少し勘違いしていたようで、もともとオールドマンのエネルギー炉は通常のものより倍以上の安全率をとって設計・製作されていたらしい。

そのため、エネルギー炉を最新のものと交換したら、ほぼ現在のフロンティアと同じ容量のエネルギー炉が装備されることになったと。

そのおかげで予想よりガルガンチュアの総エネルギー量が予想より大幅に上回ってしまったということだ。


新しいガルガンチュアの構成を説明し終えた俺達は、マリーさんを改めて紹介するため、各宇宙船を回る。

郷は初対面だったが、話には聞いていたため、ガルガンチュアクルーになったことを喜んでいた。

宇宙一の予知能力者ということで、期待してます!

という挨拶も、マリーさんは余裕で受け流す。


「私の後輩ってことになるのかしら?まあ、クスミさんの猛烈なシゴキに耐えた数少ない実例ってことで、仲良くしましょ、郷さん」


おいおい、俺はどっかの星のDV親父かよ……


「DV親父なら、まだ反抗もできるわ。クスミさん、あなたが厄介なのは、そのシゴキが完全に理にかなってるってところよ。もう、反抗する余地もない前提でシゴカれる辛さ、分からないでしょうね」


「俺の心を読んだな……まあ、ここでは普通の事としてるんで、早く言っておけば良かったかな。ガルガンチュアではテレパシー送信能力が全員にあるので、心を読むのは話すより早いということで普通に読みあってる。ってことで、マリーさんもテレパシーバリアはできるだけ張らないようにしてくれ。会話とテレパシーが同時に使えるようになってくれれば言うことはないが」


「まあ、進んでるのね、ガルガンチュアは。幸い、私のところじゃ超常能力者が普通人と区別なく働いてるのでテレパシーについては割とオープンになってるの。でも、積極的に心を読ませるというところまでは進んでないんだけど」


「やっぱ、先輩として頼りになりますね、マリーさん。ちなみに俺、郷の特異能力は再生です。今じゃ、頭ふっとばされても数秒で再生します」


郷、そこまで行ってるのか。

それって、ほぼ不死身ってことだよな。

その点においては俺すら上回ってるってことか。


「凄いな、郷の再生能力は、そこまでレベルが上がってたか。もう、俺でも勝てないレベルになりそうだな」


「えー?師匠の力には抵抗すら無理でしょうよ。一個の太陽すらサイコキネシスで破壊できる生命体に、再生能力者ごときが相手になると?」


「クスミさん、そんなレベルになってたの?それ、もう一つの生命体として到達できる限界、超えてるんじゃない?」


ムチャクチャ言われつつも、反論できない俺がいた……

自覚はしてるんだって、俺も。


エッタやライムにも会わせ、宇宙船の頭脳体との顔合わせに移る。

フロンティアから始まって、ガレリア、トリスタン、フィーアと来て、最後はオールドマン。


「おお、久々ですな、クスミ殿。こちらも、ようやく新しいエネルギー炉に慣れてきたところでしてな。今現在は、我が船の搭載艇に跳躍エンジンを追加しているところなんじゃ」


「久しぶりだね、オールドマン。順調にガルガンチュアの一員として活動してくれているようで良かった。あ、こちら、新しいクルーの、マリーさん。なんと彼女は、予知能力者だ、それも数千万年単位の予知が可能だ」


「クスミ殿の選ぶクルーは、どの者に関しても特別ですな。精神生命体の元端末、不定形生命体、再生能力者に今度は予知能力者ですか!それを束ねるクスミ殿は、テレパシーもサイコキネシスも超知能も、とてつもないレベルになっているという。もう、このガルガンチュアには、この宇宙で特異点と言われても納得できるほどの逸材が揃っておりますな」


オールドマンの言葉に引っかるものを感じた俺は、もう少しオールドマンと話し合うことにした。


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