表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
758/813

巫女姫マリー、再び登場! その四

ようやく、二人が再開する場面まで書けました・・・

会話シーンは、次回です・・・

疲れた・・・


ここから、楠見視点です。


おや?

どこかへ転送?

いや、これは通常の転送とかじゃない……

どちらかと言うと、管理者たちの使う「転移」のほうか。

やれやれ、今回は、いったいどこへ転移させられたのやら……


えーっと……

少し思い出してきたぞ、この星。

郷たちと話してたときに出た、あの星だ。

おそらく、この星にいるはずだな、マリーさん。

ふっ、管理者も、たまには粋なことするもんだ。



ここから、巫女姫マリーの視点となります。

ちなみに時間としては楠見の転移されてくる十年ほど前のこと。


今日、朝から何かソワソワ。

こんなの数千年ぶりかしらね。

あいも変わらず、私は自分のことは予知しないので詳しいことは分からないんだけど……

それでも何か普通じゃないことが起きると、自分でも不思議だけど決定してるような気がするの。


それでもねー、この予知能力、この銀河で私しか持ってない力というのが厄介よね。

どうにかならないものかしら……

と、悩んでいたら……


「み、巫女姫様!至急、お知らせせねばならぬ事態が発生しまして!」


え?

何が起きたの?

私の予知能力でも把握できない事態が発生したとか?


「い、いいえ!そうではありません。悪い事態ではないのです。悪いどころか、僥倖ですよ!」


ん?

良いこと、よね。

至急連絡するほどの良いことって何?


「はい!巫女姫様、および世界中、銀河中の方たちが待ちに待たれていた事が!新しい巫女姫様候補が誕生したとのことです!」


はい?

いやー、新しい候補?

それって……

え?

もしかして、私の他に新しい予知能力者が生まれたということなの?!


「そうです!今現在、研究所で、その巫女姫候補である赤子の力を詳細に調べているのですが……その、力として巫女姫様並みとは言い難いようで……」


あー、私みたいに数千万年以上もの未来を予知できる力は無さそうってことなのね。

いやでも、それって好都合じゃないの。

なにせ、私の力は強すぎるの。

銀河一つくらいじゃ数千万年まで予知してもしょうがない場合が多いのよね。

せいぜい数千年までが限度じゃないかなぁ、この銀河程度だと。


しばらく待ってたら次の使者が登場。

その使者が言うには……


「新しい巫女姫様候補の力は巫女姫様の約一万分の一。どれだけ練度を上げても最大で二千年が良いところだとの結果でした」


おー、一番欲しいレベルじゃないの。

良かったわねー、超常的なレベルじゃなくて。

これなら普通に暮らして(は無理かな?予知能力者そのものが超希少種だからね)ても予知が重すぎてしまうこともないだろうし……

さて、と。

これからの私の主な仕事は新しい後輩の訓練と教育、指導よね。

頑張らなくちゃ!

で、それから数年……


「お母様、お母様!今日もテストのヤマが当たって百点とったわ!」


生まれてすぐに予知能力の発現が見られた赤ん坊の女の子。

元の親も納得づくで、今は私の宮殿で私と一緒に暮らしてる。

想定外とは言わないけれど、この子は私のクローンで生まれた娘たちの孫に当たるらしい。

隔世遺伝というやつかな?

クローンの子たちには一切、予知能力が発現しなかったんだけど、孫の代になってようやく、あのクローン実験が成功したってことなのかしらね。

百点とったって言ってるけれど無意識に弱い予知能力を使っちゃってるんだろうなぁ……

まあ、責めることもできないのよね、これは。

だって、力の発現を止めろとは言えないし、将来のことを考えれば予知能力は絶対に伸ばすほうが有用だし。

はいはい、よくやりましたね。

次も頑張ろうね。


「はい!お勉強も、よちのうろくの訓練もがんばります!


予知能力、ね。

まだ幼いから舌足らずなところはしかたないけれど、頑張って覚えようね、予知能力。

貴女の将来に絶対に欠かせないものになるわ。

で、それからまた数年後……


「お母様!見てくださいな。飛び級で進級できるって許可、出ましたよ!」


この子、思ったよりも優秀で。

教育課程も、飛び級飛び級で、もう六年ほど過程をすっ飛ばしてる。

今回の飛び級で来年には最後の教育課程への挑戦が可能になるって。

予知能力無くても、この切れる頭脳で生きていけるかも(女性の企業経営者ってのもありかもね)

見た目は、まだ子供なんだけどね。

はい、よくやりましたね。

来年が大変よ。

いくら教育機械が優秀だからって、そればかりに頼ってしまうと自由な考え方ができなくなる恐れがあるって。

あなたに宿る予知能力のためにも想像力と豊かな知識、そして豊かな感情が必要になってくるの。

予知能力は一種のひらめき。

それを、どう解釈するのか?

そして、どうすれば正確に伝えるのか?

今のメディアは私の全盛期よりも進歩してるから伝えるのは問題ないと思うけどね。


「でも、お母様。私、あの全身ボディスーツ、何か好きになれません。四方八方から覗かれてるような気がして……」


ああ、それは、ある程度、仕方がないわね。

あれは表現者の少しの動きですら捉えるための微小カメラで出来てるんですから。


「えー。じゃあ、アレ着るってのは裸で観衆の前に出るようなもの……嫌だわ、アタシ」


私は仕方がないなぁと言いながら、頭をナデナデ。

我が娘(一応、養子として私の娘にしてる)嬉しそうに目を細める。


でもまあ、これで私が野に下っても大丈夫でしょうね。

って事を考えてたりすると……


久々の、お客様。

誰かしら?



ここから(ややこしくなってます、すいません)楠見視点となります。


さて、マリーさんを探さねば。

とりあえず、俺が憶えてるのは、あの懐かしき(でもないか)五番街の住居なんだが。


うーん……

マリーさんと別れてから数千年経ってるからなぁ。

こうなるか……


俺の目の前にあるのは、超が付くほど豪華な博物館。

なになに……

ここは、あの銀河の巫女姫様が、その昔に住んでいた部屋のあったところ。

パワースポットとして有名になりすぎてしまい、住居として借りたいという人たちが殺到したため、国家が、この土地を買い上げて巫女姫に関する博物館となった……


ふーん……

マリーさんも別の意味で苦労してたんだなぁ……

あ、但し書きがあるぞ。

なお、巫女姫様は、今は聖所と言われるようになった神殿で暮らしており、こちらには、ごくたまに昔を懐かしみに訪れることもある、と。


よし、それじゃ、目標は神殿か。

観光名所ではないにしろ、有名なところだろうから、すぐに分かるだろ。


いやー、甘かったよ、俺の予測。

自分が、地球を離れる時には軽い気持ちで住むところも引き払ったんだが、マリーさんはそうじゃなかったのを忘れてた。

なにしろ、この銀河、それどころか、この宇宙に一人と言っても良いかもしれない程の超絶レベルの予知能力者。

そんじょそこらのアパートや建物に住んでるわけがないよね。


そこ(神殿)へ行く移動手段が様々にあるんだけど、どれもこれも近くに行けるようになってない。

遠くから眺めて拝んだり、パワーを貰えるように神殿の見える温泉に浸かるとか、酷いのになると時速100km近くで通り過ぎるだけというのも。

結局、行けるところまで行って、そこからは徒歩しか神殿に入る手段が無いとのこと。


セキュリティ的に、そこまでして守らねばならない人なんだろうけど、それでもなぁ……

俺は、ロボットカーで一番近くまで行ってくれと頼み、そこからは歩くことにした。


いやー、久々だなぁ、自分の足で歩くのなんて。

あっちこっちで修行と称して山ごもりしたり羆や巨大イノシシ、巨大鹿とも闘ったことはあるが、その頃以来かな。

一時間ほど歩くと、神殿の門(門だろうな、あれ。扉と言うには大きすぎる)が見えてきた……


予想はしてたが、その門以外に出入りできる箇所はなく、歩哨が常駐している。

うーむ……

困ったな。

身分証とか、そういうものの不要な環境にある者が、必要な星に降りると、ここまで動きが取れなくなるか。

力任せに入ると、後々が問題になるしなぁ……

まあ、とりあえず、俺の力を見せるか……


《歩哨兵くん、ご苦労さま。マリーさん、いや、巫女姫様に伝えてくれないかな?クスミが会いに来たって》


一応、俺の姿が見えるくらいに近くまで行ってのテレパシーだから、そこまで驚く必要も無いと思うんだがなぁ。

歩哨は相棒に一言何か言うと、そのまま中に全速力で走っていった。

30分後、戻るときにも全速力だったらしい歩哨兵は、


「失礼しました!ガルガンチュアのマスター、クスミ様!巫女姫様が、お会いしたいとのことです。私の後に付いてきていただけますでしょうか」


ほっ、良かった。

腕ずくで阻止されるようなら、こっちもそれなりに荒っぽくならざるを得ないからねぇ……


外から見てても予想できたんだが、この神殿、どれだけ大きくて広いんだ?

もう30分以上歩いてるが、まだ建物の扉に到達できてない。

歩哨さん、よくもまあ30分で往復できたもんだね、感心するよ。

ここの歩哨を任されるというのは、エリート中のエリートかもしれない。


建物の扉をあけて中に入ってからも、相当な時間、歩いた。

最奥と思われる、ひときわ豪華な扉を開けると……


「クスミさん!お久しぶりですね!」


懐かしい声が聞こえた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ