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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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銀河団探査船、5隻目登場! 十七話目

ついに仲間になった、五隻目にして、実質は実験船の要素が強かった、第一号の銀河団探査船。


「待たせてしまったかな。久々にフィールドエンジンや跳躍航法を使ったのでな、出力を上げすぎないように苦労したわい」


五隻目の銀河団探査船と、ガルガンチュアの邂逅シーン。

しかし、それにしては……


「お初にお目にかかります、我々にとっては五隻目の銀河団探査船となりますね。ちなみに私の名はフロンティア、こちらから、ガレリア、トリスタン、フィーアと言います。船名も同じなので、我々は宇宙船頭脳体として本体と同じという意識が有ります」


「そうか、今の君らの主人は船も頭脳体も同じ、そして、君らを生命体として認識しておるということか」


「そうですね、そして、統一体として、ガルガンチュアという名前を貰っています。そこで、話はですね」


「皆まで言うな、分かっとる。我にも参加してくれということだろう……基本的に反対意見はない、しかしだな、こちらに一つ問題があるのだ」


ん?

フロンティアたちは疑問に思う。

今の自分の状況も、そして、ガルガンチュアとして参加するにも否やはない。

しかし問題があるという……


「その、問題とは?」


「実は我は、銀河団探査船シリーズの一号艦じゃ。よって、君ら、後に造られた宇宙船たちとは決定的に違う点が多々あるんじゃ」


「ほぅ、我々の先駆者のような一号艦ですか。ちなみに、二号が造られたのは、それからどのくらい経ってからですか?」


「そうだな……我が実験的に銀河団を渡り、そして、そのデータを持ち帰ってから検討を重ね、実験と修正と改良・改造された君らのメインエンジンと跳躍航法装置、そして多元宇宙からの、我より安全なエネルギー収集方法を取り入れたエネルギー炉が搭載された、本当の意味での銀河団探査船が造られて任務に就いたのは、我が出来てから二百万年ほどかかったかな……」


探査船第一号が出来て、次々とシリーズ的に後の九隻が造られたのではなく、一号船がテストベッドとなって改良や改造を施されていった。

これは、他の船には何も知らされていなかったため、ある意味、衝撃的な驚きがあった。


「では、我々の先駆者でも有り、父と呼ぶべき船でもありますね。光栄です、そんな方に仲間となっていただけるとは」


「話、聞いとったか?我は古すぎて、後に造られた船たちとは一緒に行動できんと言っとるんじゃが?」


それを聞いて、フィーアが。


「それは大丈夫です、父上。仮にですが、父上と呼ばせていただきます。装備や規格はアップデートできますし、エンジンもエネルギー炉も、跳躍航法装置も改造可能です。それに加えて、超銀河団を渡る際に使用する新型の超空間航法装置も設置する必要が有りますので、どのみち、徹底的な改修は必要となります」


「ほう、それは頼もしい。さすがに、銀河団探査船が四隻も集合すると何でもできるのか」


そう言われて、少しは誇らしいガルガンチュアの面々。


「ええ、その近代化改修は、おまかせください。で、肝心なことなんですが、そちらの主砲は?どういうものなんでしょうか?」


「ああ、そのことか。我に主砲は積んでおらんよ。銀河団空間を渡る実験船だったのでな、主砲など必要ないと判断されたのだ」


主砲は積んでいないが、副砲としての攻撃兵器は通常の倍以上、搭載しているとのこと。

搭載艇にしても、超空間を跳べるものはないが、フロンティアと同様な性能を有するとのことだった。


「では、搭載艇の改修も必要ですね。我々の搭載艇は全て跳躍航法装置を積んでいますので」


「おや?そこまで搭載艇の行動範囲を広げているのか。まあ、銀河団どころか、超銀河団を渡る船団など、そのくらいの性能は必須であるか」


「ということで、我らのマスターが戻ってくるまで、あなたの改修作業を進めるとしましょう。ところで、搭載艇は、どのくらいの数を持ってます?……ああ、そのくらいなら、倍以上になっても収納可能ですね。今現在、私、フロンティア以外は本体に搭載艇を積んでいませんが、収納専用の装備を用意しますので、そちらの搭載艇も収納装備に移してください。空いたスペースに、標準装備としての救助機材や資材を収納する必要が有りますので」


「ふーむ……ガルガンチュアというのは変わっとるの。救助機材と資材が真っ先に必要とされるのか……」


「ええ、今のガルガンチュアは、戦闘は必要最小限で、救助やトラブルシューティングを基本としていますので。仕事は多いですよ、ちなみに」


「変わっとるの、本当に。シリコン生命体も、こんな風に銀河団探査船シリーズを運用したことなどなかったろうに」


「はい、それでも今の任務のほうが、やりがいは大きいですよ」


そう説明するフロンティアをはじめとすガルガンチュアメンバーの顔には、心からの笑顔が広がっている。

五隻目であり、一番の古株である自分にも、こんな笑顔ができる日が来るだろうか……

そう思う、銀河団探査一号船だった。


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