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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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銀河団探査船、5隻目登場! 十一話目

久々に書きます、スペースオペラ!

このところ、ホラーばっかし書いてたから、大丈夫かな?と思ったけど、何とかなりました。


「さて、隣の銀河で、うちの教会が変なことになってるらしいんだが?」


ここは、枢機卿会議と部屋名がついてる。

その中では、元・銀河情報局の局長サンダーと、今は教団の教皇直属の最古参、ロックフォール第一席枢機卿が話し込んでいた。


「その件で来てもらったんだよ、ロックフォール……いや違った、今は教皇代理と言ったほうが良いかな?」


「やだなぁ、長官……いえ、枢機卿会議の議長様。教皇様に何かあったときの代理なんで、僕のことはロックフォールと呼んで下さい」


「まあ、そうもいかんだろ、今の状況では。ところで、さっきの件なんだが」


「ええ、こっちの耳にも入ってきてますよ。こともあろうに、人類至上主義の輩と手を組んで、このガルガンチュア教団を貶めようとするなんて!あー、ここにクスミさんやゴウさんが居なくてよかったですよ……ガルガンチュア本体が居たら、全て抹消されそうなくらい酷い話です」


サンダーの顔が曇る。


「いや、それがな……何かの事情があったようなんだが、お隣の銀河に、ガルガンチュア本体がいる……という確信はないんだが、それに近いような情報が入ってきてる」


ロックフォールの顔色が変わる。


「いや、そりゃマズイでしょ。ガルガンチュアとクスミさんの願いを結実するためのガルガンチュア教団なんであって、そんな愚策をとってたなんて彼らに知られたら……」


「それで相談だ。誰か高位のエスパーを隣の銀河へ送って、彼らとコンタクトを取らないといかんだろう。ただし、ロックフォール、君が行くのはご法度だぞ。君が居なくなったら誰が教皇様を守るんだ?」


「サンダー議長、今の教皇様はダミーだと知ってるでしょうが。まあ、お飾りでも教皇は教皇だしなぁ……一番良いのは僕自身が行くことなんでしょうが、それは不可能。では……シモンとジャストの二人は?今の銀河情勢なら、しばらくの間、二人がいなくとも心配ないでしょ?」


「はぁ……まあ、そうなるよなぁ……ただし!ジャストは予備戦力として確保させてもらうぞ。出せるのはシモンだけだ。高位エスパーは、遊撃戦力としても予備戦力としても欠かせん」


「やはり、そうなりますか。シモンやジャストじゃ、あまりクスミさんやゴウさんと繋がりがないんですが……仕方がない!多人数で行くのも憚られますので、ここはシモンに行ってもらいましょうか」


秘密会議のように事情を知る二人だけで決まった、銀河を超える派遣計画。

当のシモンは、


「あー、このところ、暇で仕方ないねぇ、なあ、ジャスト」


「そんなこと言ってると、とんでもない任務が降ってきますよ。知ってます?ロクでもないこと言ってると、天からバチが当たるんですって」


「んなこと言ってもなぁ。数十年前までに、ほとんどの宇宙海賊や反連邦勢力、おまけに小さな星系単位の反抗勢力まで大人しくなっちゃって俺達みたいな大規模戦力エスパーは予備役扱いになっちまったんだよなぁ……いるだけで給料もらえるのも有り難いけどさ」


「ほんっと罰当たりですね、シモンさん。そのうち、とんでもない命令が来ますよ、ロックフォールさんか枢機卿会議から」


これは予知ではないのだが、後でシモンはジャストに予知能力でもあるんじゃないかと疑いをかけることになる。

その会話から数時間後。


「シモン枢機卿、枢機卿会議議長様から、お呼び出しがかかってます」


枢機卿の待機室(名称は、枢機卿専用待合室)に、小間使として教会本部に配属されたばかりのような少年が入ってくる。


「ん?なんだ?このところ、銀河は平和だろ?俺達、荒事要員に用なんか無いはずなんだが……」


半信半疑で、枢機卿会議室へ赴くシモン。

コンコン、とドアをノックし、入室した途端、


「やあ、お久しぶり、シモン。早速だけど、お隣の銀河へ跳んでもらうよ」


はぁっ?!


という、素っ頓狂な叫び声が、防音が施されている枢機卿会議室の中から外へ漏れるほどに大きな音量で上がる。


「な、なななな、何で私が、そんな数十万光年も離れた隣接銀河へ行かなきゃならないんですか?噂によると、あっちもずいぶんと平和だそうじゃないですか。荒事専門部署の私が、何故に平和な、それもお隣の銀河へ?」


大声にも動じない、ロックフォールとサンダー議長。


「詳しくは、そこにあるレポートに纏めてあるんで、それを読んでくれ。それと、一言言っておく。お隣に、ガルガンチュアとクスミさん達がいると思われる。何かの作戦、あるいはトラブル対処らしいが、そのトラブル原因と、関係してるらしい教団の人物たちの名前をリストにしておいた。まあ、全員が関係しているとは思えないんだが、半分程度は何らかの関連があるだろう……シモン、君の役目は、ガルガンチュアの活動を妨げずに、隣接銀河のトラブルを、可能な限り、こっちで解決することだ」


はい?!

シモンは、とんでもない事を命令されていると思っている。


「えーと……向こうには、ガルガンチュア本体と、クスミさんやゴウさんがいるんですよね?そこに、私、シモンが行って、どうにかなると思います?たかだか三百数十年年前にも、到底敵わない実力見せつけられてるってのに?もう小人と巨人ですよ、私と彼らとの差って。いっそ、最前線で戦ってこいと言われた方が命がありますよ!」


「それは重々承知の上だよ、シモン。だけど、このまま、僕らが何も隣銀河のトラブルに手を打たなければ、ガルガンチュアとクスミさん達の怒りが、こっちのガルガンチュア教団本部へ向く可能性があるのは分かるだろ?そうなる前に、レポートに書かれている、隣接銀河でのトラブル、人類種族至上主義を止めさせないといけない。それも、向こうでは、厄介なことに、教団の一部が人類至上主義に加担しているようなんだ」


「うわぁ……本当だったら、こっちの銀河の半分くらいが吹き飛ばされそうですよね、冗談じゃなしに。それでも、生命体の損失は何もないということになるんだろうけど」


シモンが本音を吐露する。


「で?行くのは私一人?同行者とか……あ、その顔で無いと分かりますよ。まーねー、オレ一人、そして、ジャストが同行したって、どうしようもないのは確定なんですけどね」


「そう、確定なんだよ、これが。君がやれるのは、せいぜい、人類至上主義者の首謀者と、それと繋がってるだろう教団の高位者……司教長以上じゃないと地位的に無理だろうけどね……そいつらをクスミさん達より早く検挙することだけ。頼りにしてるんだよ、これでも」


「へいへい、教皇代理のロックフォール様、分かりました。何処まで行けるか分からないけど、やれるだけやってみます」


ということで、ガルガンチュア教団本部から、シモンが派遣されることとなった。

ちなみにシモンも、ロックフォールやジャストと同じく疑似テレポートは使えるが、あまりに精神力を使うため、そして、それに見合う距離が跳べないため、普通に宇宙空間を旅するのには使えない。

とは言え、最新式の小型快速船を用意してもらったシモンは、精一杯に急加速と距離限度ギリギリまでの跳躍を繰り返し、隣接銀河へ赴くのだった。


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