表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
740/813

銀河団探査船、5隻目登場! 五話目

まだまだ、序盤です。

一方、こちらはガルガンチュア教団に潜り込む事に成功した郷とエッタ。


少々のテレパシーが使えるということで採用され、掃除婦(夫)ではあるが門番を兼ねた役目とされる。

弱いテレパスでも、教団では能力重視なのか、結構な給与も出ることとなった。


「まだまだ地位が低いんで高位職の方たちとはお会いできませんが、門番というのは、この星の人たちの習性や行動を深く習熟するのにピッタリですよね、郷さん」


「そうは言うがな、エッタ。これはこれで、けっこう忙しいんだぞ。お、悩みを抱えた子羊が……ふむ、これは司祭様に事前報告したほうが良いかも……」


などと、さっそくテレパス能力を存分に発揮している(まだ受信だけのようだが)


数日後、その仕事が評価された郷、エッタは、ガルガンチュア教団の支部長(司祭長という立場らしい。幾つかの支部教会を束ねる立場ということだそうで)に呼び出され、昇格を告げられる。


「両名とも、仕事ぶりは真面目でキッチリ終わらせ、その他として悩む子羊達の心を救う手助けを行う力があることを示した。よって、教団における我が権限を以て、そなたたちを神父、修道女とすることとする。報酬も上がるが、その分の責任も大きいので、心するように……では、ガルガンチュアの神の御手が全てを救われますように……」


地位が上がって、それぞれの衣装(制服?)も図柄と色が変わる。


「へぇ……元々の教団だと、制服が変わることはなかったんだけどな。エッタのそれも、ずいぶんと聖女のときから変わるもんだ」


「私は、服にこだわりはないんですが……何か、ピンクがかってませんか、この服……」


「薄いピンク?えらく違うな、以前と。これが嫌なら、早く高位の衣装になれと言わんばかりだ。男の場合は、それほど目立たないか。こっちは焦らずとも……ってことみたいだな」


正式職員の最下層に近い地位のためだが、そのへん、エッタも郷も、いまいちそのあたりを理解していない。

ガルガンチュアにいるときには服装など気にするものはいないので、さすがに「素っ裸」は無理だが、たまにジーンズやらTシャツやらで過ごす楠見や、チノパンもどきと変なロゴ(異星の言葉だが、意味のない単語が描かれている)が描かれた七分袖シャツを着ている郷など、ガルガンチュアは「ヲタクファッション」の巣だ(ライムは少女服姿が多いし、エッタに至っては常にメイド服)そんなガルガンチュアの日常に慣れているため、郷もエッタも、その服装が何を意味するかとか、どんな地位を示すかなど興味も無ければ意味もない。


そんなこんなで、徐々に頭角を現していく郷とエッタであった。



一方、こちらは5隻目の銀河団探査船を探す、ガルガンチュア構成の4隻。


「虱潰しで中型搭載艇まで全て投入しているのに、まだ影も形も掴めないとは……ガレリア、トリスタン、フィーア、見つからない原因は何だと思います?」


一応、ガルガンチュアとして一番の年長、中心ということでフロンティアがヘッドとなっているようだ。


「まず考えられるのは、その船がもう破壊されている可能性なんだが……これは、あり得ないな。フロンティアも私も、その船が近く……この場合はこの銀河内にいるってことだが……にいるのは理解している。そうすると……」


「次に考えられるのは、我々と同じような、補助エネルギーのごく一部しか使えない状況になっているか、それともメインエンジン部に深刻な故障が発生して、どこかの星に落ちたか、あるいは巨大恒星の近傍空間を衛星か微惑星のように回っているか……かと」


「そうだよね、元々の船長、マスターがいるのなら、今でも活発に動き回って銀河内を調査してるはずだもんね」


「そう……存在は感じられるのに、どれだけ探しても痕跡すら見つからないとは、不思議です。ここまで見つけられないのは……もしかすると、巨大恒星の、すぐそばにいるのかも。我々の搭載艇は、かなりの熱遮断と耐熱の機能はありますが、本体よりも脆弱なので、我々がギリギリで耐えられるような恒星近傍空間にいるのなら、搭載艇は近づけないでしょう。そうなると……光学センサーで見つけることになるんですが……」


「そうだな。その時に問題になるのは、あまりに主星と近すぎると、光学センサーが役に立たないだろうから……」


「提案があります。今の搭載艇で使われている光学センサー、この状況に対応できるように改造しましょう」


「え?トリスタン、どうするの?光学センサーなんて初期の技術だよ。感度は最高にしても、他のセンサーには追いつかないってのに」


「違いますよ、フィーア。感度を上げるんじゃなくて、下げるんです。観測するのも、恒星に近づくんじゃなくて、遠ざかるんです。いいですか、光学センサーの感度を絞って、楠見サマたちのような有機生命体に近い感度にするんです。そして、そのセンサーで、遠くから……そうですね、第二惑星の周回軌道くらいに離れて、長期間の観測をするんです。すると、銀河団調査船くらいに大きなものなら……」


「そうか!影ができるわけだ。黒点と見間違うかもしれんが、長期に渡って観測すれば、黒点か、近傍空間を周期的に回っている巨大物体かの区別は付く、そうだな!」


「そういうことです、ガレリア。そうと決まれば、早速、搭載艇群を呼び戻して、光学センサー改造を施しましょう。楠見サマたちの方も時間が掛かりそうですし、こちらも腰を据えてかかるとしましょう」


まだまだ、こちらも時間が掛かりそうである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ