表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
729/813

銀河間空間の難破宇宙船団 その四

前回から10数年後の話。

まずは経済界を牛耳ってからですね(笑)


ここは、とある銀河の辺境部にある一惑星。

数年前より少しづつ微妙な変化が起きていたが、それは「帝国」の中央どころか、その星にある支部にすら察知されることは無かった。

その理由?

簡単だ。

星を支配する帝国の支部がある庁舎、その数倍の規模と大きさ・高さを誇る巨大ビルが数年前に、その帝国支部庁舎の近くに建設されているが、そこが変化の中心部だったから。

社会全体の変化ではない、巨大ではあるがビルの中だけで完結している変化だったから。

そのビル内部では今も担当者と関係者が広い通路を駆け回っていた。


「しゃちょーっ!何処行ったんですかぁーっ!?しゃちょー!」


「かいちょーっ!何処行ったんですかぁー!?かいちょー!」


様々なプロジェクトや企業統合計画を実行する許可を得るため、社長と会長を探しているらしい……

しかし、半時間以上も探しているにも関わらず未だに2人のうち、どちらも見つけられていないようで。


「はぁはぁ……これほど探しても、どちらも見つからないということは……」


「ええ、これは総務部「捜索課」へ依頼するしかないでしょうね。全く!お二人とも揃って現在位置表示用のバッジすら装着してないという体たらく……毎朝の朝礼放送でも、あれほど口酸っぱくして「巨大すぎるビルですので位置表示用バッジの装着は忘れないように」と言っておりますのに!社内最高権力者のお二人がこれじゃ、下の者たちに示しがつかないってもんですよ」


「しかしねぇ……会長と社長のお二人で、一代で、この巨大ビルとなる統合企業にしたのも確かなんですよねぇ……しかし、大きすぎるのも考えものですなぁ、こうなると」


「仕方がありませんよ、この国や星だけじゃなく帝国内部にまで我社や関連企業の製品は浸透してるんですから。あまりに手広くやってるから本当なら帝国本部のある中央星系へ本社機能を移転するってのが普通なのに、それをやらずに、この星で本社機能を全て統合しようとすれば、こうなるのは当然でしょうよ……って!こんな話なんかしてる場合じゃない!総務部へ急ぎましょう!」


この二人が総務部捜索課へ到着したのが、それから数十分後。

捜索する対象が天上人のような二人だと分かり、特別捜索隊が組織される。

そして通信部社内放送課へ、全社向け(ビル内全てに対してということ)の特別放送を流してもらうように依頼する。


「ピンポンパンポーン!全社向け特別放送です。会長、社長、この特別放送が届いていましたら、お近くの通信機器でお知らせください。繰り返します、社長、会長、この特別放送が届いていましたら、お近くの通信機器でお知らせください。なお、この特別放送は会長と社長のお二人が発見されるまで30分おきに繰り返されます」


実際に社長と会長が発見されるまでに特別放送は6回、繰り返されることとなった……

会長と社長、二人共、専務と常務に後で一時間ほどお説教を食らうこととなったのは言うまでもない。


「いいですか?!これに懲りたら現在位置表示用バッジは決して外して行動しないようにしてくださいよ!普通は腕時計型通信機とセットになってるはずなんで社員ならどこにいても連絡はとれるようになってるんです!現に私でもバッジと通信機は肌身離さずに持ってるんですから。もう一度、言いますよ!バッジと通信機は必ず持っててください!特にバッジは絶対に身につけること!分かりましたか?!もう、私専務と常務の二人くらいしか、あなた達を叱れる人がいないんですから!だいたいですな、社長室と会長室を黙って抜け出すとは何事ですか?!社長と会長の認可がなければ始まらないプロジェクトも山のようにあるんですぞ!それを……」


以下略。

こってりと絞られた二人は、それでも薄笑いを浮かべて、今は社長室にいる。


「あー、楽しかったですね、師匠……いや違った、会長。通信機とバッジがないと、この巨大ビルがダンジョンだって噂、本当でしたね」


「確かにな。まあ、遊びはここまでにして……郷、ここまででRENZの適合者は、どのくらいになった?」


「はい、そのことですが……ついに昨日、1万人を突破しました。これからは幾何級数的……とは行かないでしょうが、もっと急激に増えていくと思いますよ。なにしろ、このビル内での教育期間を終了して、ついに外部へ出る者たちが出てきましたので」


「おお、それは良かった。社会的に帝国と密接な関係のある我が企業グループが潜在的な反政府グループを養成しているとは誰も思うまい。この調子で徐々にRENZで底上げしたエスパー集団を増やして行かねばな。さて、先は長いぞ……そこで聞いてる専務に常務。君らにも無関係のことじゃないだろう。まだまだ遠いが、そのうちに、この星系くらいは反政府集団が掌握するだろうから、それから君ら難破船からの帰還民を、ガルガンチュアから下ろすからな。期待だけはしておいてくれ」


どんな叱責食らうかと思いきや、しっかりと把握されてた難破船集団のことも聞かされて、今は巨大企業の専務や常務になってた難破船集団元リーダーたちは心の中で涙する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ