銀河最終戦争 その八
次で最終話です(今回、ガルガンチュアの活躍が書けなかったなぁ(笑)まあ、こんな話もあるさ(笑))
ここからは、重力レンズで細かいところまで観察(とは言うものの、詳細報告は搭載艇群の定期報告頼み)だ。
さすがに知性を持った生命体が誕生すると、そこから文明と技術が加速される。
あれよあれよという間に小さな村、街、都市が出来上がり、それが戦いにより崩壊し、廃墟となる。
時間単位が違いすぎるんで何とも言えない気分になるが、宇宙文明になるまでは滅びも生命体の運命みたいなもの、見ているしか無い。
そのうち巨大な都市が誕生して、帝国体制になったのか、周辺を平定し、大きな地域国家が誕生する。
じわじわと勢力を伸ばしていくが、致命的な失政をやらかしたらしく、その大都市も廃墟となる。
こりゃ、まだまだ時間がかかるかな?
と思っていたら……
どうも天才が生まれたらしく、一気に都市が出来上がり、更に航空機まで飛ぶ世の中に。
しばらくは、そこから技術的なものは進まず、航空機の進歩がプロペラからジェットに進化したらしく、一気に大陸を飛び越して遠くの国家と手を組んだようで。
まあ、そこから一気にロケット発明とまでは行かなかったようで、見ているこちらはイライラするが、手が出せない以上、どうしようもない。
「なあ、プロフェッサー。宇宙への一歩ってのは、そんなに大変なことかね?」
俺が聞くともなしに小声で言うと、プロフェッサーには聞こえたようで、
「我が主、何を今更。地球人だって、大気圏脱出できるロケットを作って大気圏再突入できるものができたのは、20世紀も後半になってからですよ。地球人類の歴史に残る偉業ですが、そこまでいくのに、どれだけ失敗したと思ってるんですか?」
まあ、そりゃそうなんだけど。
宇宙計画ってのが国家規模の大計画だったのは、人類が宇宙に出るようになってからも長いこと変わらなかったと小学校の授業で聞いた。
民間で宇宙ロケットが安全に打ち上げられるようになったのは、ずいぶんと後のことだったらしいね(それでも、初期の頃の犠牲者は多数いたんだと。宇宙へ安全に出入りできるようになったのは、実は軌道エレベータが出来てからなんだって)
俺達が注目してた文明は、軌道エレベータを作らなかったようで、それでもロケットをバンバン打ち上げて衛星軌道に宇宙コロニーやら宇宙ステーションを作りまくり、そこからすぐそばの衛星へと開発の舞台を移す。
重力が小さかったのも味方して、衛星基地は次第に巨大化し、宇宙船工厰ができあがる。
「お?ついに惑星間航行の宇宙船を飛ばすのか?」
どうやら、その計画だったようだが、次々と失敗。
くじけるな!
と思っていると、数回目にして、ようやく隣惑星へ。
移民計画が?
と見ていると、どうも大気が不都合だったようで、宇宙船は隣惑星を引き払い、元の衛星へと。
それからは小さな無人探査宇宙船だけが無数に打ち上げられ、星系内の惑星や衛星を全て詳細に調べ上げることに尽力したようだ。
隣惑星への本格的な移住・移民は、その後に行われて、みる間に隣惑星が水を湛えた星になる(テラフォーミングなんだろうなぁ、これって)
と、俺達が見ているのとは別な星で、また宇宙文明に達したものができたと搭載艇群の定期報告が入る。
しかし、跳躍航法を考えだした文明は、どこにも見当たりません、とのこと。
もう少し、長い目で見るか……
そう思っていたら、それから数ヶ月(こっちの時間。向こうじゃ数百万倍の速さで時間が流れてるんだった)
ついに跳躍理論を思いつき、そして、それに必要な莫大なエネルギーも制御できるという両方のテクノロジーを達成した星があると報告が!




