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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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ゆいこのトライアングル・レッスン(仮) その10 最終話

終わりです。

難しかったぁ!

やっぱり作者には、甘々なストーリーは書けません!(泣)


それから数ヶ月後の、とある星域での風景。


「ゆいこ!もう少しだけ船体を接近させてくれ!もうちょい、もうちょい……よし!ストップ!凄いなぁ、この性能。ロケットノズル方式だったら、俺、間違いなく押しつぶされてた」


たくみが言うのも、ごもっとも。

流星群に突っ込んだ宇宙船の救出に出向いたチーム・トライアングル(チーム名)は、今現在、宇宙船の救出行動中。

直径500mの球型船の、ほんの数m先には救出用の金属ロープをフックに引っ掛けている、ひろしの姿。

そうすると、今、球型船の操縦は、ゆいこ一人が担当していることになるが……


「いやー、すごいわ、この船。オートパイロットで無人操縦ながら、たくみの誘導通りに動くんだもの。最後の50cmなんて有人でも無理な機動よね」


それを聞いた、たくみ。


「ははは……有人操縦より上手い自動操縦装置って……航行理論からして違うからなぁ、こうなるか。げに恐るべきは、フィールド航法なり、だな」


呟き程度だったが、それを聞き逃すような、ひろしではない。


「おいおい、頼むよ、たくみ、ゆいこ。俺達は巨大な金属の塊に挟まれてるような状況なんだから、もう少し慎重にだな……」


とは言うものの、作業そのものは順調に進み、故障(後で調査すると、エンジン部に小規模な隕石が衝突して噴射が困難な状況になり、自動的にロケットノズルを停止・遮蔽させたらしいことが判明)したロケットを流星群から引っ張り出すことに成功する。

そのまま、航行用フィールドエンジンを起動させ、バリアを兼ねた強化フィールドを通常時よりも拡大させた球型船が、救出対象ロケット船を抱き込むような形で依頼元の星系へ牽引していく。

数時間後には、


「いやー、ありがとう、ありがとう!近頃、評判の宇宙のなんでも屋だけのことはあるね。我々だけだと大規模な救出チームを組むことになるんだが、大型宇宙船に乗員3名だけで様々な事故や惑星内の重大災害対応までやるって大変だろう?どうかね、君らの活動ベースとして、この星系を使ってもらうというのは……」


願ってもない申し出だが、その裏を読めないリーダー(ゆいこ)ではない。

ベースを使うリスクや使用料、宇宙船の整備にかかる資材やら経費、それらを瞬時に計算し、宇宙港の管理長と折衝する。

数時間後、してやったりゆいこと、げっそりした顔色(宇宙港管理長)が会議室から出てくる。


「では、宇宙港管理長様。さっき、双方合意のもとで用意しました契約書の通り、この星系を我々、チーム・トランアングルがベース基地として使わせていただきます。管理費や整備費は協定通りにお支払いしますが、宇宙船への課税やチームへの人頭税は免除ということで、お願いしますね!」


爽やかな笑顔で再確認された宇宙港管理長は、さらに青い顔でうなずくしかなかった。


ガルガンチュアは、もう、この銀河にはいない。

チーム・トラインアングルの発足と同時に惑星軌道を離れると、ガルガンチュアを構成する他の3隻、ガレリア、トリスタン、フィーアと、それをつなぐ巨大パイプ(今は内部が詰まっていて空洞ではない。転送が船内移動の主たる手段となった時点で、もう接続パイプは空洞である必要が無くなり、その空間は搭載艇が占めることとなる……これにより、今までのガルガンチュア搭載艇の最大値は、それまでの倍以上になっている)は元通りに接続されて、ガルガンチュアは、その異様な偉容を再現させることとなる。


ちなみに、このガルガンチュア再現作業を目の当たりにしてしまったチーム・トライアングルの3名は、しばらく開いた口が塞がらなかった。


「たくみ、ひろし。これって現実よね?悪夢か何かを見てるって可能性、無いわよね」


「大丈夫、ゆいこ。俺にも見えてる。脳が、これを現実だと認めたがらないんだけど」


「たくみ、俺も同じだよ。これが現実なら、世界の全てのことは些末で泡のような些細な出来事だろう……俺達は宇宙で数名しか目撃できない特別なことを目に出来る幸運の持ち主かも知れない」


この後、チーム・トライアングルとして活動を開始した3人は、この銀河で救助を求める声を聞けば、それっとばかり急行し、他の星では見たこともない直径500mの巨大宇宙船と、その救助機材を縦横無尽に駆使して、あっちの星、こっちの星系、今日は暗黒星雲、明日は中性子星の近傍星域と活躍の幅を広げていく。


「ゆいこ、もう戦争なんてやってる場合じゃないよな。この宇宙船と俺達のチームがありゃ、どんなトラブルも敵じゃない」


たくみが、そう豪語すると、


「おいおい、たくみ。それもこれもガルガンチュアとクスミさんのおかげだろ?ちなみに今現在でもガルガンチュアは他の銀河を救っているんだぜ、きっと」


「ひろし、人間を超えてる人たちと私達を一緒にしても仕方がないわよ。この銀河の人たちを救うことだけ、それだけ私達は頑張れば良いの!」


ゆいこの言う通りかも知れないな、と、ひろしもたくみもうなずく。

数年後、巨大救出劇の日々が一段落して、互いが互いの気持ちに気づく日が来る。

その時3人が、どういう結論を出したのか?

それはまた別の話となる……


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