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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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ゆいこのトライアングル・レッスン(仮) その1

わはははは!

ついに悪乗り最高潮!

下野さんと巽さんのwebラジオからのネタで、スペースオペラ話、書きまーす!(笑)

ちなみに、

お題の原案、

巽さんであります(ラジオじゃ甘い話ばっかりだけど、たまにはキビしい話も良いかと(笑))


ここは万物を創造した神に見捨てられたかのような、草木一本見えない、ただただ砂と岩の星。

ここに動くものは激しい風に飛ばされて砂嵐となる砂くらい……

いや!

砂嵐の中を、ゆっくりだが進む、3つの人影が!


3つの人影のうち、1つは女、後の2つは男。

こんな、故郷の生存環境とは全く逆の、生きとし生けるものの存在を徹底的に拒むような悪辣と言っても良い環境の星に、何故、こんな、少し幼さすら見える男女3名がいるのか?

いや、そもそも、何を好き好んで、こんなサバイバル訓練すら適当とは思えない、食料となるような草も動物もいない、こんな星に何の用があって来た?


「たくみ、ひろし。砂嵐が酷くなってきたわよ。そろそろビバークするポイント見つけないと、夜通し行軍やる羽目になると思うけど?」


「はいはーい!ここは、ゆいこ隊長の言う通り、どこか適当な洞窟でも見つけてビバークするべきだと小官も思いまーす!」


「……隊長、ここから500mほど離れたポイントに、大岩の影で崖になった地形が見えます。そこならビバークも良いかと」


「分かったわ、ひろし。たくみ、斥候よ。先へ行って、ポイントとして安全かどうか確認して頂戴」


「りょーかい!たくみ一等兵、斥候任務に就きます!」


その声と共に素早く消える人影。

どうやら、たくみ一等兵とは、オチャラケに見えても実力者のようだ。


しばらく経つと、人影が戻ってくる。


「ゆいこ隊長、現場は理想的ですね。強風は障害物で遮られ、仮テントを建てるにも障害なし。久々に本部へ今の状況を伝えられるかも知れません」


「分かったわ、たくみ。ひろし兵長、聞いた通りよ。もう少し歩いて、ビバークポイントで数時間の休憩とします。通信設備の設置をお願いね」


「……了解、隊長。アンテナが強風でへし折られないことを祈ってくれれば、それで設置は完了する」


「分かったわ。さあ、二人共!久々の長時間休憩が出来るポイントよ!さっさと行きましょう!」


「「アイアイサー!キャプテン!」」


彼ら三名は、また歩き出す。

数分後、目的のポイントへ到着した三名は、そこで長時間のビバークに耐えるだけの設備を設置し始める。


「いやまぁしかし、俺達の装備ってのは、一昔前の軍隊と比べたら理想的と言っても良いんじゃないの?超強力通信機、食料に水、武器に爆薬。軍隊に欠かせない全ての物資を持ちつつ、それで最小三名小隊で敵に本格的な攻撃がかけられるってんだから。ん?どしたの、ゆいこ隊長。隊長が、そんな暗い顔してたら、俺達の士気に悪影響だよ?」


「……たくみ一等兵、戯言は、そこまでにしろ。斥候の腕前は師団トップだったかも知れんが、ここは俺達には未知の星。俺達には考えも及ばぬ不安にかられるのも優秀な隊長だからこそだ。女性ならではの危険察知本能を強化した隊長は、俺達とは別の感性をお持ちだからな」


「ひろし兵長、あなたも、そこまでよ。ひろしの言う通り、あたしの危険察知レーダーに、ビンビンと引っ掛かってるわ。何がとは具体的にわからないけれど、あたしたち強襲レンジャー部隊に危機が迫りつつあるのは確かね。あー、ヤダヤダ。危機察知のシグナルってのは頭痛だって知ってた?あたしは聞いてないわよ、もう!頭痛薬や痛み止めが飲める状況じゃないのが、余計に悔しいわ!」


喋りながらも、手元でカチャカチャと何か組み立てていた、ひろし兵長。

完成したようで、ゆいこ隊長へ報告。


「……隊長、通信機が完成しました。アンテナ設置も完了してますので、これで本部と連絡取れると思われます……ただし、砂嵐がひどいので、通信環境は最悪かと」


ひろし兵長の報告により、本部へ連絡をとろうとする、ゆいこ隊長。

軍用通信機のスイッチを入れると、数十秒後に、切れ切れの音声が聞こえてくる。


「バリバリバリバリ!……こち……本部……斥候部隊の定期連……求め……周波数全体……酷いノイズ……送信可能な……現状報告と……」


デジタル通信は1かゼロ。

これでは軍として通信用途に使えないので、アナログ要素も残した特殊なモードの軍用通信を、彼らの軍隊は使う。

まあ、このように丸一日中、雑音だらけの星の場合、少しでも内容が伝わる特殊モードがあると助かるという見本だ。


ちなみに、このモードのデジタル部分には、敵に聞かれては困るリアルタイムの作戦指示書データとか、現地からのリアル映像データとかを乗せることが多い。

それはそれで、別の星での紛争には役立っているようだ。


どこまで本部に通じたかは、その後の雑音が酷くなりすぎて、ノイズ混じりの音声すら聞き取れなくなってしまったため、ゆいこ隊長には分からない。

危機察知本能が届けてくる、これでもかこれでもかという頭痛を和らげるため、さすがに就寝前には痛み止めと頭痛薬を飲んで寝る、ゆいこ隊長だった。


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