銀河パトロール レンジャー部隊J99 その二
新任隊長が昇進して、独立行動部隊になる経緯を書かないと(笑)
これで、次からかなり自由に書けます。
銀河パトロール本部の、ここは総司令部、指令本部。
ここに、先の大功績を挙げたJ99隊の隊長がいる。
「総司令、J99隊隊長、ジョイナス・ケーニッヒ、帰投しました!」
ピシッという音が聞こえるくらい、キレイな敬礼姿勢が見られる。
「帰ってきたか、ジョイナス、いや、ジョー。君の任官初任務が大成功で良かったよ……ただし、尋問の結果は、芳しくなかったが」
副司令がジョーの初任務成功を祝う、と共に残念な結果を伝える。
「副司令、尋問結果、どこまで秘密を喋ったのですか?帝国軍少佐、キシンスキーと名前は分かりましたが」
副司令、それがなぁ、と前置きして、
「名前と帝国軍少佐、とだけしか分からなかったよ。部下たちは何も知らされていなかったようで、尋問も無駄だった。キシンスキー少佐だけは何かの任務を持っていたようだが、どうも強力な条件付がされていたようで、ある一定のところまで尋問すると精神が焼ききれるように倒れてしまい、その後は幼児退行化してしまって何も分からずだ」
ジョーは、自分の成功が中途半端なものであったことを知る。
「し、しかし。鹵獲した宇宙船は本物です。特にエンジンは超機密事項だと言っていましたから、あれを調べれば、どこの星間国家が造ったか分かると思われますが」
副司令は、それにも残念な顔で、
「シリアルナンバーは削られていた。一応、独特な跳躍エンジンではあるが、かなりの広さを持つ星域で使われている。まあ、範囲は絞れたというところかな。ある程度の情報は取れたというところか。まあ、腐るなよ、ジョー。君の初任務だ。これからも情報源は何回も得られるだろう」
ジョイナス・ケーニッヒは、成功報酬ということで、今の少尉から大尉へ飛び級昇格される。
「立場は今の通り、J99隊の隊長だ。かなり癖の強いレンジャー部隊だけに大変だろうが、頑張ってくれたまえ」
「それがですね……副司令、独立行動部隊となりませんでしょうか、J99部隊は」
「お?今回の褒美に、部隊の独立化を願うか。一応、今でも半分、独立部隊みたいなものなんだがな、レンジャー部隊は。まあいい、私から総司令へ頼んでおこう。辞令は後となるが、J99隊は今後、独立行動を許されると思ってくれて構わない。と、なるとだ……今の量産型ではなく、専用宇宙船も必要となるな。よし、副司令権限を目一杯使うが、君の部隊専用宇宙船を用意するように伝えておこう。そちらに届くのは数ヶ月後になると思われるが、これで行動範囲は、この銀河の何処へでも跳べると考えてもらって良いぞ」
「はっ!ありがとうございます。では、ジョイナス・ケーニッヒ大尉、J99部隊に戻ります!」
ピシッと音が聞こえるかのように見事な敬礼が、再び。
そのまま見事に回れ右を決め、ジョイナスが去ると、
〈総司令、ジョーが来ました。独立部隊化の希望を述べましたが、総司令の読み通りでしたな。承諾と、専用宇宙船を与えるということで納得しました。あまりに若い独立部隊隊長となりますが、よろしかったので?〉
《ああ、推測通りだからね。若さが武器になる年齢だから、それを存分に使ってもらおうじゃないか。しかし、残念だったな。あれほど強い精神支配の条件付けは久しぶりに経験するよ。頭目は、どんな奴だと思う?冷酷と言うより、あまりにシステマチックじゃないか?それこそ、この銀河パトロール並の教育と訓練機構があるようだ。ただし、かなり歪んだ教育だろうな……私達も1000年以上、追っているが、未だに尻尾が掴めない。今回の成功で、跳躍エンジンが独自開発だということが分かったくらいだ。星域は絞り込めるが特定は無理だな》
テレパシー通信を切った副司令は、まだまだ正体の見えぬ敵との戦いが続くと感じていた。
「さて、J99隊への次の任務は……遊撃隊だから、まずは自由にさせるか。ジョー隊長の運はかなり良いようなんで、これはもしかして当たりを引くかな?」
副司令は、案件解消とJ99隊への専用宇宙船について相談するため、会議室へと向かうのだった。
 




