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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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消えた銀河の謎 その一

今回のトラブル、厄介になるかも……


ガルガンチュアは、銀河間空間を跳躍していた。

今までいた銀河は目標である隣の銀河とはえらく離れていて、通常の銀河間の距離とは違っていた。


「今回、えらく長いこと跳んでるな。そんなに離れてるのか?隣の銀河なのに」


「あ、マスター。奇妙なんですよね、この距離。まるで、もう一つ銀河があったのに、それが消えてしまったかのような銀河間距離なんですよ」


「銀河がまるまる一つ消えたようだって?うーん……銀河そのものを食い荒らす生命体も過去にはいたんだが、丸々一つの銀河を消すほどの力を持つ生命体あるいは存在ってのは、どんなものなんだろうな?」


「さあ?私のデータでも、精神生命体が関わらない限り、こんな事態は起きないのではないかと思うのですが……」


ガルガンチュアが跳ぶ航路上には銀河の残骸すら残っていない。

まるで何かの存在あるいは、何かとてつもない兵器で銀河そのものが消え去ってしまったような気がする。


「まあ、今は気にしても仕方がない。センサーの感度を最大にしつつ、慎重に跳ぶしかないのが現状だ、頼むぞ、フロンティア」


「了解です、マスター。とは言うものの、そこまで危険な存在や兵器があるとは思えないんですが……巡航速度から半分に落として慎重に跳ぶとしましょう」


跳躍距離と間隔を緩やかにしながらも、そこは超巨大宇宙船のガルガンチュア、目標銀河は確実に近づいてくる。



「よし、銀河の縁から充分に離れている、このへんでガルガンチュアを停泊させよう。でもって、毎度のことながら情報収集だ。超小型と小型の搭載艇を放出!この銀河の情報を、もれなく収集しろ!」


ガルガンチュアの巨大な全体像が隠れるくらい、ぶわっと黒い雲が湧いた。

数秒の後、その巨体の周辺に動くものはいなくなる。


「さて、これから数ヶ月、情報収集と分析だ。皆、特にロボット諸君、期待するぞ」


「「「「「はい、了解」」」」」


5体揃って、声を揃えて返事。


半年後、通常より長期間の情報収集も終わり、その結果報告会。


「マスター、情報の精査と検証が終了しました。その結果、やはり、この銀河の隣には数万年前まで小銀河が存在していたようです。それがある時、突然に消えてしまったようで。ちなみに、この銀河で作られているギャラクシーマップには隣接銀河として、その小銀河が描かれていますね。まだまだ、光の情報としては隣接銀河が見えているのでしょう」


「総括報告ありがとう、フロンティア。やはりか……しかし、その小銀河、どんな理由で消えてしまったのやら……そんなことのできる存在、または兵器があるとすると、どんな恐ろしいものになるのか、少し想像しただけでも恐怖だな。このガルガンチュアすら、その存在または兵器と対峙したら危ないかも知れないぞ」


「主、提案がある。小銀河のあるはずだったポイントを通過している時、フロンティアやフィーアの空間調査センサーがデータを収集していたはずだな。少し時間はかかるだろうが、それを調査・精査させて欲しい。小さいとは言え、一個の銀河が丸ごと消えるなど大事件だ。その空間や、空間構造に何かの跡……消滅痕のようなものが残っている可能性は高いだろう」


ガレリアの提案により、ガルガンチュアの停泊と、実地調査も決定する。

センサーの収集した膨大なデータ、そして、ガルガンチュアの放つ、現在の銀河間空間調査に跳ぶ搭載挺集団(超小型と小型、合わせて1万隻近く。これでも全搭載艇の一割も使っていない)からの現場データの収拾が始まった。


「目標の銀河への到着は遅れるが、まあ、大した遅れにはならないだろう。それよりも、小銀河が消えた謎を解明しなければ」


楠見は、いつになく真剣な表情で呟く。

事と次第によったら、ガルガンチュアも危険になるかも知れない……

そんな思いが渦巻く。


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