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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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漢は黙って…… 玖

太二くん、旅立ちます。


ティーチングマシン、教育機械。

どのように呼ぶかは自由だが、普及と共に精神の変革も起きていた(顕在化はしていなかった……それが顕在化するのは数年後になる)

教育機械が担当したのは主に記憶領域の整理整頓。

カスタム化した多数の教育機械は、ほぼ予定通りの性能をあげ、子供から大人まで(脳萎縮が始まった老人にも効果があることが判明し、治療用として更にカスタム化した教育機械が造られることとなる)が一気に数レベルも知能指数がアップする。


面白い効果があると確認されだしたのは教育機械が小学校へ導入された数年後のこと。

その頃には、もう職業別や年齢別のカスタム機は社会へ浸透していき、小中高の学校へも正式導入が決まろうかという時期。

面白い効果とは実験的に小学校へ導入されたカスタムされてない標準版の教育機械を使った子どもたちに発生した。

ごく少数ではあるが(数%)テレパシーやサイコキネシス等のESP能力が開花した。

普通に知能指数はレベルアップし、通常の授業として進められていたが、この知能指数も異常にレベルアップする子どもが出現する(ESP発現より数は少ないが、異常として報告されるほどに超天才となった子供が、ごく少数)

この報告により社会は、その対応に追われることとなる。

後追いではあるが法律すらも改正する必要となり十年ほどゴタゴタしたが、なんとか超常能力を持つ子どもたちを社会に取り込むことに成功する(奇跡的に超常能力を持つ子どもたちには犯罪者がいなかったのが良かったと思われる。IQ300超えなどという超天才が犯罪者になったら、とんでもない事件が続出しただろう)


時間を戻して……

太二くんは大学院の2年生を過ぎ3年生となる。


「太二、お前の学生期限は残り2年だ。社会への貢献はもう充分だろう……さて、お前は何がしたいのかな?」


ここは楠見コーポレーション会長室。

定例会議ではないので室内にいるのは太二くんと父親の楠見、2人だけ。


「父さん、僕は宇宙へ出る前に、この星をくまなく回ってみたいな。大学院へ再度確認してみたら僕の卒業論文に関しては、もう提出済みとなっているようなんで、あとは最低限の出席日数とレポート提出が定期的にあれば良いとなるようで。何か移動手段となるようなものが欲しいんだけど」


「よし分かった。ちなみに運転免許って……あ、まだ成人に届いてなかったか。ふーむ、どうするかなぁ……完全自動化したバイクや車が良いかな?ヘルメットがあるのなら、バイク型が良いか?ちょっと待ってくれ、太二。免許規定を確認するから……お?二輪じゃ無理?3輪なら完全自動化すれば免許的には問題なしと?ありがとう、秘書君……ということで、太二。お前の移動手段は完全自動の3輪バイクとなった。車じゃないから、雨には気をつけろよ。まあ、優秀な人工知能つきだから大丈夫だとは思うが」


数日後、太二くんの目の前にはハンドルが異様に目立つ3輪バイクが。

エンジンもあるようだが、基本的に3輪のインホイールモーターで駆動される電動バイクに近い構造。


「マニュアルも、きちんと整理されて付属してるな……何なに?この3輪バイクは基本的に燃料不要?自身が移動する際に大気を少量取り込むようになっており、それを燃料とする、か。父さんも、試作機を息子に与えるってのは、どうかと思うがなぁ……使用レポートは3輪バイクに装備されてる人工知能が自動的に作成して会社に提出するので僕は何もすることがないと……で、走行もバイク任せで大丈夫……気分で基本ルートを外れるってことは認められないのかな?……あ、免許が取れれば、この制約は解除可能ということか。んーと……ルートを設定後、走行は自動モードのみでバイクに乗るだけが僕に可能なことってことだね、つまり」


もう少し成長しないと、さすがに15才ではバイクも車も免許は取れない。

車は?

と太二くんは父親に聞いてみたが完全自動でも、4輪は社会良識に照らしても子供が一人で乗るには……と言われて引き下がるを得なかった(3輪バイクもどうかも思うが、どうせ1年後にはバイク免許も取得可能年齢となるし、とのことだった)


太二くん、自分で警察署に行き、細かい道路交通法を確認する。


「はあ、完全自動なんで、僕の意思が関係しない方法での乗車ならパッセンジャー扱いと。3輪バイクで車扱いですが、安全面は会社からのお墨付きなんですが……ああ、ハンドル操作も僕の意思としては関わりません。ハンドルは、あくまで掴まるバーとしての部品扱いだそうです」


ラジコンバイクの人形みたいなもんです、という説明で、警察も渋々ながら納得。

無事にナンバープレートも発行され、足の確保はできた。


「それじゃ、行ってきます。定例会議や大学院のレポート提出日には戻ってくるんで」


「気をつけてな、太二。とは言うものの、お前を傷つけられるものなんぞ、数えるほどしか無いと思うが……お守りは持ったな?」


「父さんも、こういう時には古いね。貰ったお守りは首から下げてるよ。親心だと思って、ありがたくいただきます」


「ん、それじゃ。思う存分、この星を見てこい。金や資格とかは考えるな。そのへんは、俺と会社でなんとかしてやる」


「あははは、この3輪バイクで充分なんだけど(笑)持つべきものは金と頼れる親ってね。その点では、お世話になります。じゃ!」


まずはフェリーポートへ行こうと3輪バイクの行き先を設定し、走り出す太二くん。

彼の前途に待つものは?


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