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最前線にて その1 フロンティアチーム、ついに戦争に介入!

介入とは言っても、省エネ戦争ですから、馬鹿げたビームの打ち合いとかにはなりませんけどね。

この小マゼラン雲内は、省エネが基本行動です。


フロンティア(小惑星偽装モード)は、これまた絶妙なラインを描きつつ、2つの艦隊が睨み合っている中間地点を漂っていく。

(絶対的なスピードは、かなりあるのだが、前線が極めて長く展開されているので、時間がかかるのだ)


貴重な資源と思われているのだろうか、ときたま捕獲船が前線に出てくるのだが、そうはさせまいと相手の艦隊からも阻止行動する艦艇が出てくる。

ビームの打ち合い、ミサイルの打ち合いはしない、完全な省エネ戦争ではあるが、相手に有利な行動はさせないという意思は見て取れる。


前線の終点近くで、2つの艦隊司令官同士の話がついたのか、双方の艦隊から10隻づつ捕獲艦が出てきた。とりあえず停戦して、資源捕獲を優先させた結果らしいな。

こちらとしては、停戦している方が都合がいい。

さーて、どうやって、この世界のトラブルを解決していこうかな?



「おい、この隕石、変な動きをしていたという報告が上がってきているんだが、その辺の調査はどうなってるんだ?」


「はい、大尉。自由航行じみた動きをしていたという報告がありますが、この巨大宇宙空母甲板上での目視調査では、それらしい構造物は無いようです」


「そうか。あ、次官どの。今は敵勢力だという考えも封印してお聞きしますが、この巨大隕石、どう見ますか?最前線の、それも勢力の拮抗しているラインを選んだかのごとく直線飛行していたという事実、どうお考えかな?」


「ふむ、大尉どのか。そうですな、個人的な意見ですが、この巨大隕石、中が分からないというのは、お聞きになりましたかな?私は、その中身が偏っているせいで変な動きをしたのではないかと考えております」


「うむ、次官どのは中心部に偏心があるとお考えか。しかし、トラクタービームで運んだ時は、特に変な重量の偏りは無いとの報告がありますが」


「大尉どの、次官どの、さっきから、この隕石に調査用のセンサービームを当てているのですが中身が透視できません!」


「何?!センサービームのエネルギーレベルを上げても無理なのか?」


「最大エネルギーレベルまで上げてもダメです。表面から数10cm程は透過できて成分も分かるのですが、それ以上はビームそのものが弾かれてしまいます!」


「次官どの。どうやら、戦争なんてやってる場合じゃ無いようですぞ」


「うむ、同感ですな、大尉どの」


そこから切断用レーザに切り替えられたが、これもある一定の深度になるとレーザのエネルギーそのものがどこかへ吸われていくように効果が消えることがわかった。

この不思議な隕石は2つの勢力の科学力だけでは解析できないと判断した指導者達は、もう一つの、最小勢力にして最大の科学力と技術力を持つ勢力にも応援を仰ぎ、この隕石の調査が終了するまでの完全停戦が実現するに至った。


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