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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
582/813

男って、つらい生き物です…… 3

通常の生活描写に混じる違和感……(笑)


朝の散歩も終了し、ティゲルは店の奥へ。


「おじちゃん、おばちゃん。忙しかったら手伝おうか?」


気軽に声をかけるティゲル。

しかし、名物「宇宙ようかん」と「宇宙抹茶」は、誰にでも作れる、淹れられるというわけでもなく……


「ありがとね、ティゲルちゃん。でも大丈夫、フロラちゃんも手慣れてきてるんで、この頃は宇宙抹茶もフロラちゃんが率先して淹れてくれてるから」


「店内の方も忙しかったら……って、こんな四角四面野郎じゃ客が怖がっちまうな、すまねー。どうしても、愛想は雑になっちまう」


顔にトレードマークのような特徴があるティゲルに客あしらいが出来たとしても、客のほうが一目散に逃げるだろう。

おばちゃんから、朝イチの糖分補給と言われて、宇宙芋ようかんをもらったティゲルは、自室へ戻る。


「はー、このご面相じゃ、茶屋での客あしらいは無理だよなー。まあ、腕っぷしだけは強いんで、つぶしはきくんだがな、俺。それにしても、だ。この金額、どうしたら良いのかねー……俺には過ぎた金額なんだよなー……」


古びたスーツケースから、大事そうに通帳を出すティゲル。

パラパラとめくる……

ほとんどは、入った途端に出す自転車操業状態。

しかし、最後に入金された金額だけ、桁が段違い。


「こんなの、俺にどうしろと?人生、アッパラパーで生きてきた俺だぞ?自慢じゃないが、生きていくだけなら無一文でも俺は生きていける!しかしなー、こんな大金、どうしろってんだ?あの人は……」


一山当てたと豪語していたティゲル。

その言葉は嘘ではなかった。

しかし、その裏には誰かがいるらしい……

貴金属鉱脈を含んだ小惑星など、探しても見つけられるものではないだろうに……


笑顔の中に小さな矛盾と苦悩を抱えながら、ティゲルは一日を過ごしていく。


また次の日。

ティゲルは、あてもなくブラブラと町の周辺を散策する。

旧くからの店を見つけては久しぶりと挨拶し、新しい店を見つけては始めましての挨拶。

あっちこっちで買い物をして顔と名前を売りまくる。


「まあ、こういう時に懐があったけーのは有り難いわな。その点に関しては、あの人に感謝だな」


お昼時の忙しさが一段落し、茶店に客もまばらになった頃。

ティゲルは差し入れ代わりに、あちこちで買ったものを厨房に。


「いつも、店の商品じゃ飽きるだろ。ちょいと遠出してきたんで、色々買ってきた。新商品の参考にでもしながら、みんなで食ってくれや」


「ちょいとティゲルちゃん。でっかい袋に……どんだけ入ってるんだい、こりゃ。明日の休憩分もあるじゃないか。ちょいと、あんた!今日中じゃ食べ切れないから、小型保管庫へ入れといておくれ。今日明日で悪くなりはしないだろうけど、念の為だよ」


「ん、それがいい。ティゲル、ありがとな。おめー、人が変わったみてーだが。ホントに、あのワルガキが大人になったようなティゲルか?数年ぶりに帰ってきたら別人じゃねーかよ」


「いやいや、人間は変わるもんだ。孔子いわく、君子は豹変す、てなもんだな」


「お兄ちゃん!本当にお兄ちゃんなの?あたしにも信じられないくらい、お兄ちゃん、変わったわよ」


「それを言うな、フロラ。人間、とてつもないことに出会うと変わらざるを得ないってことなんだ。もう、ワルガキのティゲル兄ちゃんじゃないからな」


トントンと軽い調子で階段を登り、ティゲルは自室へ。

後に残されるのは、ポカーンという表情の3人。


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― 新着の感想 ―
[一言] ああ、この人、宇宙で死にかけてたかどうかした時、出会っちゃったんだな……宇宙のトラブルバスターに
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