表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
573/813

宇宙台風 その5

テイラーの宇宙軍時代の回、終了です(笑)


テイラー少佐が艦長であった銀河統合宇宙軍駆逐艦「かみかぜ」の戦果を軍の公式記録だけで表記。


撃沈・大破させた敵艦総数   100

内訳

空母   6

戦艦   4

重巡洋艦 15

軽巡洋艦 25

駆逐艦  40

潜宙艦  10


ちょっと信じられない数である。

これが、かみかぜという一隻の駆逐艦だけで沈めた敵艦だとは、公式記録だと言われても眉唾だと言うものが多いだろう。

大体、宇宙空母や宇宙戦艦など一介の駆逐艦風情が沈められるものじゃない。


銀河統合宇宙軍の元軍人たちの中では半ば伝説のように語られる「かみかぜ」という駆逐艦。

実は相当な老朽艦だった。

テイラー伍長が大抜擢で少佐に上げられた時、かみかぜを指揮していた前任の艦長が直前で食中毒で退任している。


前任の艦長であった人物も、かみかぜの歴代艦長リストに載っているが、十数名の歴代艦長たちはテイラー以外あまり目立った活躍をしていない。

どちらかというと後詰め部隊のほうで物資輸送隊護衛を主としていたのが、かみかぜだったようだ。

これが、テイラー少佐が艦長になった途端、初戦で挙げた戦果が、


戦艦1撃沈

空母2大破

重巡3大破

軽巡、駆逐艦、各々10撃沈


もう、この時点で普通じゃない。

大海戦と後々まで語り継がれる大軍同士のぶつかりあいになったペリル岩礁宙域海戦で、テイラー少佐が艦長デビュー。

あまりの大戦果に、参謀本部も将軍たちも、一気にテイラーを中佐、あるいは大佐に昇進させるつもりで動いていたが……

本人曰く、


「いやー、たまたまの幸運です。まだまだ、この艦の実力、こんなもんじゃないので」


昇進を断り、その代わりに艦の武装強化を希望したという。

その成果は次の戦いで発揮される。


空母1撃破

戦艦1大破

重巡5撃沈

軽巡、駆逐艦、潜宙艦、それぞれ5、5、3撃沈


大海戦ではなかったが、この戦果は特筆すべきもの。

テイラーを大佐に昇進させ、重巡あるいは戦艦艦長へ着任させようと、上司たちが様々な説得を試みたが……


「大佐への昇進は受けます。でも、小官の居場所は、かみかぜですので」


副官以下、感動に打ち震えたと書類にはある。

以降、出る戦い全てにおいて、かみかぜは敵を痛打し、自らにはかすり傷ひとつ負わないという奇跡が起きる事となる。


艦長歴5年。

かみかぜの退役と共に艦長を降りたテイラー大佐は、その功績により2階級昇進、少将となる。

参謀本部詰となったテイラー少将。

参謀として参加する作戦には、次々と新作戦を提示。

緒戦において敵を殲滅に近い状況に追い込むことも、しばしば。


反感を持つ参謀もいたが、テイラーは実力で自分を認めさせる。

2年も経たぬうち、少将は中将、大将となり、テイラーは軍で極め付きの位となる。


テイラー大将が35歳を少しすぎた時、老境に入った将軍たちは次々と鬼籍に入るか引退。

自分が望まぬものではあったがテイラー大将は参謀本部より軍統括本部の司令長官に推挙される。

自分が固辞しても代わりになる者がいない状況、テイラー大将は、しぶしぶ司令長官の座につく事となる。


テイラー司令長官のもと、和平交渉推進派へと変貌した銀河統合宇宙軍は昨年まで殺し合ってた敵勢力も陣営に取り込むことに成功する。

銀河に平和が戻って司令長官は。


「軍にも飽きたなぁ……ボクが居なくても、もう大丈夫でしょ。じゃぁね!」


と、自分に辞表を書いて軍を去ったという……


その、壮絶とも言えるテイラー教祖の過去を知っているだけにカワギシは思うのだ。


「この人が飽きないこと。それは何だろう?お笑いも、宇宙軍も、この人を満足させなかった……宗教だって、いつか飽きるだろう……その時、我々がすがるものは何?誰?」


眼の前の人物が急に得体の知れない何物かに変貌したようにカワギシは感じ、身震いするのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] CVはアニメ版より、イメージアルバムの山本正之さんのがいいなぁ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ