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ようこそ大宇宙へ! 超古代の巨大宇宙船で宇宙を征く  作者: 稲葉小僧
超銀河団を征くトラブルバスター
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若き戦士の日記 7

まずは、勝負の間の内輪話(笑)

とんでもない方向へ行きそうな予感(笑)


「どうだった、イッキ?僕らが徹夜で組み上げた新しいカスタムメックアーマーの調子は」


地区大会予選の初戦を終えて控室へ帰ってきたイッキに向けて、サポートエンジニア達が使用感を聞きたいようだ。


「どうって……普通だったな。いや、悪い意味じゃなくて、普通に違和感なく使えるってことだ。最高度の加速度にしても、地方予選決勝のように重大なダメージが加わるようなこともなかった」


「しかし、最後に決めに行った時の加速は最高度。あれでは、さすがに3Gを越える圧がかかったでしょう。大丈夫でしたか?」


さすがに軍の現役エンジニア。見る目が確か。


「それは確かにな。しかし、鍛え方が違うんで、5Gを越えなきゃ俺の身体には負担じゃない。今のカスタムで、準決勝までは確実に勝ち抜けるだろうな」


「じゃあ、決勝は難しいと?」


「ああ、さっき帰ってくる時にすれ違った、昨年度の優勝者で、方面戦の準優勝という肩書まである奴。こいつには見切られるな、あの加速度でも」


「じゃ、じゃあ、どうするの?これ以上、速くする事は可能だけど……イッキに相当な負担がかかるよ、あの血みどろの決勝みたいに」


「ウィル、それはだな……全体的な反応速度を上げるんだ。機体を速くするのは限界でも、マスター・スレーブ方式の操縦者と機体反応速度の遅れを最小まで縮める事は可能だろ?」


「イッキ殿……簡単に言われるが、それこそが一番の難点です。今でも、イッキ殿の使う機体は反応速度が通常の10倍近い速度になっています。言いにくいのですが、これ以上に機体の反応速度を縮めると、イッキ殿の身体に悪影響が出る恐れが高いです」


「それは重々、承知の上だ。軍の実験体とでも思ってくれていいから、今より10倍以上の反応速度にして欲しい。ネガティブなフィードバックがあるだろうというのは予想済みだ」


「イッキよぉ……今度も命がけの決勝になるのかい?俺、もう見てられないよぉ。イッキが勝っても、ボロボロになって控室に帰ってくるのは見てられないんだ」


「ウィル、すまないな。けど、これは、俺の意地だ。理想的には、メックアーマーが俺の鎧と化すこと。大昔の話だが、機械的なサポートもなく、数10kgもの重さの鎧を装着して、大きな剣になると10kg近いもので斬り合いをやってたって記録が残ってる。銀河一撃流の理想は、どんな重厚な鎧を纏っていようが、こちらは身一つで相手を圧倒するというもの。だから、俺の理想は、機械サポートも不要のメックアーマーということになるな」


「まあ、そういう無茶な話は空想の上だけにして、ですね、イッキ殿。決勝戦までには時間的にかなり余裕があるんで、こちらで実験的に使ってる新しいマスター・スレーブ方式を使ってみようと思うんですが……良いですかね?」


「うん?今の方式じゃダメなのか?」


「今の方式で反応速度を一桁上げるのは困難ですが、新方式なら、かなり容易にできます。まあ、それなりにマイナス面もあるんで、そのへんを機体調整とソフトウェアでカバーできれば面白いものができそうだなと思いまして……ああ、金銭的には無料です。実験段階ですので、運用データが取れれば儲けものですからね」


「そうか……なら、決定だな。決勝までに用意できるようにしておいて欲しい。サポートチームと、凄腕エンジニアのウィルがいれば、そのへんは大丈夫だろう」


「お、おい、イッキ!軍の研究所でも実験段階の技術を、二つ返事で受け入れるなんて無茶だぞ!何が起きるか予想も付かないんだから!」


「まあまあ、ウィル殿。新規実験段階の技術ではない、ある程度の改良もされているんですから。少なくとも、今の段階で操縦者を殺すことはないと断言できます」


「ひ、酷い!そんなもの、完全な人体実験じゃないか!イッキの身に危険があるなら……」


それを遮って、イッキ。


「いや、人体実験、面白いじゃないか。良いぞ、リーダー、俺も運用実験に参加したい。待てよ……そこまで新しい方式だとすると、機体の加工やカスタムとか言う次元じゃ、すまなくなりそうだな?」


「さすがイッキ殿。メックアーマーバトルの規定には従った物ですが、中身は全くの別物になります。マスター・スレーブ方式とは言うものの、今の行動トレース方式とは違う次元の技術ですので」


「で?決勝までには間に合わせてくれるんだよな?」


こう言い放つイッキに、空恐ろしいものを若干、感じる周囲だった。


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